2024年になったのか
お誕生日ありがとうございました!
いつかどこかで話しましたが、私にとって愛とは相手のために行う手間を惜しまないことです。誰かのために動いたり、考えたり、贈ったり、捧げたりしたものを、私は『好意』と認識してます。
一度気持ちを違えると、再び繋がる難しさに縁を諦めることがあります。
私は我が強いので、これからも繋がり続ける縁を選び、いらないものは手放し、好きな人だけを残して生きていくでしょう。今回お祝いしてくれたのは、私がいま「好きだ」と思い、現在私と関わってくれている人たちです。
ラギ「ケーキありがとう。4ホール目だわ」
友人「食べるか投げるか選べるよ」
ラギ「投げるって顔に?」
友人「キミの愛車に」
予想外すぎる
過激派かよ。フロントガラスがぬめぬめになるからやめろ。
話は変わりツイッターへ。
4月下旬くらいに「ツイッターで事前告知したら何人が声をかけてくれるかなー」と思い立ち、たびたび5月19日をゴリ押ししました。試すようなマネをして申し訳ありません。でも祝ってもらえて嬉しい気持ちに嘘はありません。
ツイッターでの祭り。
フォロワーさんの9割以上がpixivの小説を読んでフォローくださった方々です。
趣味は、熱しやすく、冷めやすく、共有したい気持ちが芽生え、増やし、集め、調べ、布教し、だけどときには疲れ、飽き、停滞し、目移りして、移り変わり、また戻って、何度も揺らぎ、いつかは手放し、また新しいものに心惹かれる。そういう循環があります。
いつかどこかで心が離れ、繋がりが途切れたとしても、生まれた日を祝福してもらい、満ち足りた気持ちになった25の誕生日は忘れません。
いつか途切れる事ばかり先立って考えるのは持病なので許してください。途切れる事を薦めているわけではないです。絆創膏を持ち歩く女子と同じ感覚です。己の怪我に敏感なのです。去っていく人の背中に暴言を吐かないよう常に別れを意識して感謝したいのです。
ラギ「だけど好きな人は全力で逃がしません。私が7年間、気難しい浅倉さんとなんだかんだ交流を持っていたように」
浅倉さん「そんなこと言いつつ、ネット失踪するのはだいたいラギさんの方です」
好きな人は捕まえます。
好きになってくれた人は、どうぞ捕まえてください。逃走癖がありますが上手く手懐けると従順になります。育てかた次第です。
積極的に関わってくれる人が好きです。
今年もありがとうございました。
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【彩未と美月】
小学校4年。
夕焼け小焼けの音楽が流れると、美月はいつも寂しがった。
「まだ帰りたくないよ」
一の字に結んだくちびるを歪ませて、おれの服を掴んで揺らす。自分のわがままを理解してるのだろう。賢い子だ。だから上手に甘えられない。
大きな瞳に水の膜が満ちていく。
「みつき」
ぱんっと両手を打った。驚いた美月が跳ね上がる。
「糸電話を作ろう」
「…いとでんわ?」
「そう。普通の電話だと金がかかるから母さんが怒るだろ。でもこれなら誰にも迷惑かけない」
「…糸電話すると、みつきがねるまでお話できる?」
「できるよ。いっぱい話そう」
おれは家をみあげた。赤いレンガの二階建て。青いレンガがおれの家だ。似たり寄ったりのつくりをしている。駐車場を挟んだ斜め向かいの家。距離にして10メートル。美月と自分の部屋を交互にみる。
「こないだバーべキューやったときの紙コップが余っただろ。あれ持って来い。おれは家から糸探してくるから」
部屋と部屋を繋ぐ糸の長さを考えながら提案する。美月はきらきらした目で大きく頷いた。
何時に掛けるから電話の前にいろよ。ささやかな約束が、ひとつふたつと増えて習慣に変わる。金の要らない素朴な遊びさえ楽しかった。
「あやみちゃん!」
幼かった。今でこそ思う。
たとえば紙の裏と表を引き剥がせないように、美月の存在はそこにあった。家族とも恋人とも兄弟とも親友とも呼べる。愛とも恋とも区別しがたい。
美月はおれの居場所だった。
◇
教室のドアを開けた瞬間、道路に飛びだす猫のようにびゃっと出てきた谷口に腕を掴まれた。近い。
「ちょっと近いんだけど」
「おまえ椿先輩付き合ってるってマジか!」
「近い」
うわさは混合物だ。真実も嘘も混じってる。
4時間目が終わる時刻を見計らって登校したおれは、昼休みの教室でさっそく捕まった。まだカバンすら置いてない。
「邪魔。どけ」
「アーヤって薄情! なんでそういう話を秘密にするの?」
「ど、け」
この世の終わりみたいな顔をする谷口を突き飛ばして椅子に座る。肩に下げたカバンを開いて財布を取りだした。使う予定は無いが念のため。もう片手では携帯を操作してラインを送る。
教室にいる【既読】
文字を送るとすぐ既読がついた。うさまる、という無表情のウサギが走りだすスタンプが送られてきた。最近美月が謎に愛用しているうさぎだ。おれもダウンロードした。
「また幼馴染?」
谷口が背後に回る。後ろから携帯を覗き込んでくる視線はシカトした。
「アーヤって学校に何しにきてんの」
「出席日数稼ぎに」
「もう手遅れだろ。欠席日数やばくね」
「卒業できれば問題ねぇよ」
「大学行かないの?」
「おれ一般で受けるから」
「何学部?」
「おまえ質問多すぎ。どんだけおれに興味あんだよ」
「あ、そうだよそれ!」
谷口が大声を出す。隣で弁当を食ってた女子たちがビクッと揺れた。おれは谷口の腹に肘鉄を決め込んだ。うるさくしてごめんねーと手を振る。谷口が顔をあげた。
「マジで痛かったんだけど…」
「躾だよ」
「アーヤ、意地でも椿先輩のこと話さないつもりだな」
「つーかその『椿先輩』だけど、」
「あやみちゃん」
椅子をひっくり返す勢いで立ちあがると谷口が素早く椅子を支えた。ドア前に美月がいた。上級生の視線を気にしてかそわそわと視線を動かしている。人を警戒する猫みたいだ。撫でたい。そんな美月を眺めたまま谷口に話しかけた。
「5限終わったら第二科学室にカバンよろしく」
「アーヤっていつもなんで教室寄るの?屋上に直行直帰すれば?」
「カバン持ち歩いてフラフラしてたら、学校来てなかったことバレるだろ」
「勘が鋭い美月ちゃんにはどうせバレるよ」
おれは谷口をしっかりとみて微笑みかけた。
「美月のこと名前で呼ぶのやめろ」
谷口は何かを言いかけて口を開いたが、笑顔で黙殺した。
高校2年。
付き合ってほしいと言われた。元カノと別れて3日しか経っていないので無理と答えた。離れた人間に義理立てするほど誠実じゃないおれの断り文句はもちろん建前だ。単純に面倒だった。前の彼女がヒステリックだった事も影響してる。丁重に断った。
『彼女は無理かぁ』
女は宝くじでハズレを引いた子供のような顔で残念がった。そのとき初めてまじまじとみた女の顔は整っていた。こんな綺麗な女をフッたのかと砂粒ほどの後悔をした。その後悔が伝わったのか、女は唇を尖らせて挑発するように笑った。
『じゃあセフレは?』
だったらあり。ここで承諾したおれもおれだが提案した女も女だ。尻軽というか肝が据わってるというか。
そんな理由からおれと椿は急激に親密になった。
その変化が周囲からは恋にみえるのだろう。正直ヤることはヤッてるので黙認してる。
◇
大学1年。
静かな春の夜だった。半開きの窓から吹き込む風が柔らかく、薄っぺらい掛け布団をじゃれあうように取り合ったあと、電気を消した。
「わぁ真っ暗」
「ベットつめろ。狭い」
夜がすべてを呑みこんだ。そこにあるのは気配だけだ。おれともうひとり。美月の。
「枕どうする?」
「おまえ枕までおれから奪うつもりか」
「半分こしよ」
「もういいわ。勝手に使え」
生き物が活動すると、皮膚の表面に電気が発生する。とても微弱な電気だが、人はそれを体毛で感知する。これが『気配』と呼ばれるものの正体だ。
美月が笑う気配がした。
「あやみちゃんは優しいね」
ひとつのベッドにふたりの男女。残念なことに美月の無防備さを据え膳だと思ったのは初めてじゃない。
「優遇されてる自覚があるならもっと謙虚になれ」
闇に慣れた網膜が隣で眠る人間のシルエットを映し出す。もこもこしたルームウェアに身を包んだ女がころんと寝返った。反射で舌打ちしそうになる。
足や肩が美月に触れないように気を使う。性別の垣根すら越えて懐いてくる美月に邪な思いは抱かない。昔からの習慣だった。
「もっと壁際つめれるだろ。ベットも枕も貸してやったんだから、せめておまえは自分にできる最大限の配慮をしろ」
「もう充分つめてるよ! 背中壁に当たってるよ!」
女は声が変わらない。
記憶の奥底に眠っていた幼い日の美月が、いまの美月と重なった。まるであの頃の自分たちがいるようだ。子供の頃は何度もこうして隣り合って眠っていた。春は特に美月の精神状態が不安定になる。
卒業、入学、クラス替え、進学。美月は『門出』と呼ばれる数々の岐路に怯えていた。先行くおれと道を違えるのが怖かったのだろう。どうして同い年じゃないのと理不尽に責められては泣かれた日々を思い出す。美月の部屋に忍び込んだ夜は手を繋いで眠り、夜明けを待たずに帰宅した。
一番最初に忍び込んだ夜も春だった。
たしか嵐の夜だ。
「…むかし糸電話作ったよな」
季節の匂いは時に記憶の呼び水となる。
庭の裏に咲いていた菜の花を摘んでいる美月の後姿が蘇った。小学校の頃だったか。ツインテールに結った髪が風に揺れて綺麗だった。
「ガキの頃。おれが引っ越す前」
「あー。あったねぇ」
「あれどうしたんだっけ?」
「糸が切れたんだよ」
カーテンの隙間から零れた月明かりが、美月の身体をぽっかりと浮かび上がらせる。
「切れたっけ?」
「切れた。雨の日に」
「よく覚えてんなぁ」
無防備に晒された美月の顔を眺めながら遠い記憶に思いを馳せた。
自分がどんな子供だったかは覚えていない。だけど美月の、たとえば柔らかい髪の感触だとか、学校で摘んできた花をおれの家まで届けに来たときの笑顔だとか、そういう記憶は残ってる。
おれの世界は美月を軸に回ってる。どの季節、どの日常を切り取っても美月がいた。
「懐かしいねぇ糸電話。あの頃はまだ携帯がなかったから」
おぼろげな記憶の片鱗を愛でるように美月は言った。くすくすと笑う声が闇に溶ける。
普段の美月は凛としている。女の佇まい。いつの間にかそういうものを身につけ始めた幼馴染は、人前でおれを「あやみちゃん」とは呼ばなくなった。なのにいまおれに甘える美月はどこか拙くて幼い。少女と大人。その中間地点にいる女独特の妖艶さを感じた。
「懐かしいな」
成長した。お互いに。おれはだんだん男になって美月はゆっくり女に変わる。
「あやみちゃん覚えてない? 糸電話が切れるギリギリまで喋ってたんだよ」
「そうだっけ」
「風で糸がひっぱられて、ブチッ!て音がしたの覚えてるよわたし」
「何日持った?」
「十日くらい」
「短命だな」
――彼氏ができた、と真夜中に伝えにきた美月の真意はわからない。わからないけど、おれには美月を祝う義務があった。
『花火するか』
支離滅裂な発言をした。突然すぎたのだ。プレゼントも赤飯もクラッカーもない。苦肉の策で花火を提案したら美月がきょとんとした顔で「わかった」と言ったので、マンションの屋上で花火をした。帰宅したときには深夜0時を過ぎていた。美月の家までは徒歩で1時間かかる。
遅いから泊まってけ。断腸の思いでそう告げたら、美月はなにひとつ疑問を抱かず頷いた。
免許を取ろう。そう思った。これはいけない。家に泊まる癖がつく。警戒心のない顔でベットに乗った美月をみて確信する。
部屋に招いたことはある。
しかし泊めるのは初めてだ。
『おい、床に布団敷いただろ』
『私もベットがいい』
『はあぁ?』
おれは美月のように何もかも純粋なわけじゃない。包み込んで守りたい保護欲も、押さえ込んで暴きたい凶暴さも兼ね備えている。あまい声としろい肌。おれと違うものはすべて毒だ。だから遠ざけた。美月から性を感じたくない。どんなに心を許していても男女という認識は常にあった。
『どうしてもベット?』
『どうしても』
『…わかったよ』
おいで。
そう言って招けば、美月はぶつかるように飛び込んできた。
他人を大切に思う気持ち。男女はそこに分岐がある。どう大事にするか。妹のように可愛がるか、女のように甘やかすか。比重はどんどん後者に傾きつつある。不治の病に付き合うように騙し騙しやってきたが、限界が近いことは理解していた。
おれはもう美月の隣で眠れない。
「おまえって、どーでもいいことばっかり覚えてるんだな」
「どーでもよくないよ。わたし糸電話って発想に感動したもん。あやみちゃん天才かと思ったね」
「おれは天才だよ」
「知ってるよ」
幼馴染なんて曖昧で不確かな関係は簡単に終わる。それこそ、かつて雨に途切れた糸のように。
それでもおれたちは離れなかった。
引越しに卒業に恋人。離れる理由をいくつも乗り越え寄り添った。たくさんの門出を経験して、別れの季節が巡り、それでもおれは美月を手放さなかった。
手放せなかった。
「明日何時に起きんの」
「んー…朝の6時くらい」
「じゃあもう寝ろ」
「…ん。おやすみ」
「おやすみ」
体温も鼓動も吐息も、すべてがだんだん重なって一つになる。視界から美月を外すよう寝返りを打てば月が見えた。夜空だ。おれがなにより好きな時間帯。
中秋の名月。
月がいちばん美しいといわれるその日、美月は産まれた。
美月の母は出産後に病室の窓からみえた満月にパワーのようなものを感じたのだという。あながち間違いでもない。月には大きな海を動かすほどの力がある。
当初、美月はフルムーンの意味を込め「満月」と書く予定だったが、それだと姉の「優月」の名を呑むため、漢字を変えて「美月」となった。のどかで風流な美しさ。名は体を現すという。
美月という麗しい音色をもつ幼馴染。
おれが唯一、大切にしているものだ。
この世界の何よりも。
・
・
・
移り香を消すように、連れ込んだ女をベットで抱いた。
椿は利口な女だ。はじめは動揺して詮索してきたが、すぐに観念して口を閉じた。話し合って解決できる問題ではないと察したのだろう。理解が早くて助かる。言葉で心を癒す趣味はない。
「誰のこと想像して荒れてたのか知らないけど、ベットで他の女と呼び間違えなかったから不問にしてあげる」
図星を指されて見繕うのは無様だと思ったので素直にごめんねと告げた。
「おれが名前間違えたら殴った?」
「そこまではしないけど、次はないわね」
「捨てられないように努力します」
「好きなの?」
「セックス?好きだよ」
椿は、鋭い。触れるなと匂わせれば深入りしない彼女の性格は知っている。良い女だ。今まで出会ったどの女よりもリアリストで感情の制御ができる。恋ではないが敬愛してる。
「椿のことは女として一番好き」
「なにそれ。比較して優劣つけないと人を好きになれないの? もっとスマートに口説いてよ」
「大学を卒業したら結婚しよう」
言葉を失った椿の唇がうすくひらいた。衝撃のあまり瞬きも忘れてる。その顔を可愛いと思った。細い腰を引き寄せてにっこり笑う。どんなに細くても女は柔らかい。
「椿」
噛みつくようにキスをした。舌を差し込む。ハッと我に返った様子が見て取れたが構わない。好きなように蹂躙して腰を撫でた。
もし人間の体温が36度で固定されていたとしたら、触りたいという欲求は半減するだろう。違うから触れるのだ。人は皆。
勢いがつかないよう、優しく押し倒す。
「やめてよ。嘘つき」
やけにハッキリした声で断られた。気分が萎える。そこは掠れた声で震えるべきだ。目を細めて裸の身体を見下ろした。
「なにを。どっちを。セックスを? 結婚?」
「その冗談を」
「どっちが冗談に聞こえたの」
「両方よ」
もし両方本気だったらどうするのだろう。この女は自らの失言のせいでおれを逃すことになる。
「残念。フラれちゃった」
煙草でも吸おうか。デスクに視線を流すと、指を爪先で弾かれた。椿が甘えを見せたのはその一度だけで、そのまま背を向いて毛布に包まってしまった。
さすがに今この場から立ち去るほど馬鹿じゃない。
ベットに侵入して腕を回す。
「おれさ、夜の暗さって好きなんだよね」
「どうして?」
「明けるから」
朝が来るから。
椿は笑う。あやすように背を撫でる。
「それは朝が好きなのよ」
「夜の後に朝がくるから良いんだよ」
「あなたには好きなものが多いのね」
遠くで車の走る音がした。世界の果てはどこいあるのだろう。目を閉じれば美月と違う匂いがした。酷く安心する。ここ最近はずっとベットで眠ることなどできなかった。
「地球が誕生した最初の日に、おれらがいるこの場所は、朝と夜どっちから始まったと思う?」
薄く目を開いて椿をみる。
くだらない空想に呆れることなく、椿は満腹の猫みたいな目で細く笑んだ。
「どっちでもいいじゃない。どうせ両方くるものなんだから」
「卵が先か鶏が先かって聞いたことない?」
「永遠に繰り返していくものに『最初』は存在しないわ」
「始まりがあるから鶏も卵も存在してるんだよ」
「わたし鳥嫌いだし卵アレルギーだし、心底どっちでもいい」
「おまえの潔いところ好きだわ」
ふふ、と椿が笑う。
「人の名前は本質を示すって言うでしょう。わたしね、自分の名前気に入ってるのよ。祖母は縁起が悪い名だって言って、わたしの名前を嫌うけど」
笑っていたが、椿の目は真剣だった。
冬に咲く椿の気高さ。花が首から落ちる潔さ。彼女が持つ美学の起源は、他人への反発心が生んだ副産物なのかもしれない。親に与えられたいちばん最初のプレゼントである己の名を、親族から否定される気分はどんなものだろう。
つばき。気取らぬ優美。椿の花言葉だ。背伸びをしない、ありのままの美しさ。
「あやみの由来は未定の彩りって意味でしょ。よかったわね、『彩りの末(マツ)』でアヤスエなんて読ませる名前じゃなくて」
「アヤスエくん良いじゃん。これ以上進化できない最終形態って感じ」
「あなたは『彩未』のほうが全然似合うわ。完成してるものって変化がなくてつまらないもの」
その言葉に薄く笑って、小さい身体を抱き締める。椿は長い髪を後ろに流しておれの首筋に唇を押し当てた。
「あなたと話してると退屈しないの。美人とか綺麗とか褒めるだけの男とは違うもの。あなたの博識なところがタイプよ」
「なにそれ。見た目は好みじゃねーの?」
「外見ももちろん好きだけど、なによりわたしに靡かないところが好き」
「さっきプロポーズしたじゃん」
「たとえばもし、明日世界が終わるなら、いちばんに私の傍に来てくれる?」
あんまり極端な例えだったので笑ってしまう。
「可愛いね」
「本気で訊いてるんだけど」
「だから可愛いんだよ」
椿は決して人に媚びない。そういうところを気に入って傍に置いた。愛の欠けたおれの気持ちを咎めず、指摘せず、見てみぬフリのできる女だから彼女にした。結婚してもいい。椿はおれに適した存在だった。
「おれらなら結婚しても上手くやれるのに」
動物は理性を持たないという。
人間を人間たらしめるものは理性だ。大人が子を育て、子は大人を親にする。そうして人は変わってく。感情に折り合いをつけながら生きていく。
いつか美月の一番がおれでなくなるときが来る。
「好きなら、愛してあげればいいのに」
「なんの話?」
「あなたがいちばん大切にしてる子よ」
自分の限界を見据えた上で沈黙した。椿の瞳からこぼれた涙は、あまりにも綺麗で儚かった。
これ以上、椿に傷を負わせないようにおれは彼女の目元を優しく撫でた。
「椿」
もう一度その細い身体を組み敷くと、今度は「いやだ」とは言われなかった。
甘い蜜に溺れるようにキスをする。毛布の海を漂う手首を掴まえて、先端まで伝って指を絡めた。小指を甘噛みする。歯で砕けそうなほど細い骨が可愛かった。
◇
ブラジルに直径30キロの隕石が落下した。
キャンパス2階のラウンジでソファに腰かけながらテレビの報道を観ていたおれは、ヒマラヤの雪が熱風で蒸発するところ見たかったと真剣に考えながら携帯を取り出した。
20時。美月は夕食を済ませた頃だろうか。
「アーヤ」
長いソファの延長線上に座ってる谷口が蒼白な顔でおれをみた。
「岩石蒸気が日本に到達すんのって」
「今日だな」
ワンテンポ遅れて、今夜0時に地球が滅亡すると報道が流れた。1分内でこれだけの情報を助長なく報道するということは事前に入手していたネタだ。日経は既に地球物理学の佐伯を招き、より詳しい情報の開示を行っている。
「げ、佐伯教授…」
佐伯はうちの大学の非常勤講師だ。平然とした顔で隕石のもたらす地殻津波と人類崩壊後の海の蒸発について熱く語っている。
谷口が両手で顔を覆った。
「こんな話、いまどういうモチベーションで拝聴すべきなのかわっかんねーよ…」
「コイツほんと狸だな。昨日の講義で平然と『僕が結婚する確立と隕石が地球にぶつかる確立は五分五分ですね』とか言ってた癖に」
「呪う。ぜってー佐伯呪う。コイツが着てるスーツ絶対新調したやつだろ。死ぬってわかってたから買ったんだ。クソヤロウ…おれだって死ぬ前に…」
「死ぬ前に?」
「童貞卒業したかった」
「じゃあレイプすれば」
妙案だと思ったので言ってみたら、谷口は虫の屍骸をみるように眉を寄せた。
「馬鹿言ってんじゃねーよ死ね」
「死ぬよ。地球もろとも皆」
チャンネルでテレビを消した。
「人間から常識という概念が取っ払われたとき、最弱で最下層になるのは人間の女だ。どう扱おうが問題ない。責める奴もいない。雄なんて元々そういう生き物だろ」
「発想が最低だな」
「なんとでも」
ガラス張りの壁から外をみると月が綺麗だったので澄んだ気持ちになる。地球最後の日が雨じゃなくて良かった。夜で良かった。
月を最後にみられてよかった。
「じゃあな、谷口。こんな非常時でも人としての理性と良心を失わないおまえは立派だと思うよ。せいぜい最期の瞬間まで安らかに」
「どこ行くんだよ」
「家に帰るよ。来週〆切のこのレポート、もう意味ないし」
「独りで死ぬつもりか?」
「おれと一緒に死にたいの? やめろよ。即興で選んだ相手と寄り添って死ぬぐらいなら独りでいい」
「そうじゃなくて、」
電話が鳴った。
この状況で回線トラブルに巻き込まれずまっすぐ繋がるなんて相当な奇跡だ。みればおれの携帯だった。奇跡が手の中で鳴いている。
美月。
表示された文字に息を飲んだ。
この瞬間、おれの脳内にはありとあらゆる惨事が脳裏を過ぎった。
そうだ、美月は女だ。
どうしてそんな事に気づかなかったのか。
「美月…」
人々は今、荒れ狂う波のように混乱してるだろう。魔が差す奴がいてもおかしくない。おれの体を恐怖が包む。レイプすればと笑顔で提案したあの言葉が心臓に突き刺さる。おれたち男は襲う側だ。人を殴れば眼球を破裂させ、腕力ひとつで人の尊厳を奪う行為もできる。
全神経が冴え渡り、気づけば通話ボタンを押していた。
「はい」
『あやみちゃん!』
弾むような声。周囲に雑音はなく、美月の呼吸は乱れていない。全身の力が抜ける。
遠くのほうで悲鳴が聴こえた。電話の向こう側ではなく大学内からだ。女が襲われたのかもしれない。
「アーヤ」
背を向けていた谷口から声が掛かった。舌打ち混じりに振り向く。谷口の話なんて聞いてる暇はない。いまは美月が優先だ。
「谷口、いま電話し」
唇に何かが押し当てられた。
それが谷口の唇である事に気づいたときには、手から携帯が滑り落ちていた。身体が離れる。
「長いことは言わない。ずっと好きだったんだ。15の春からずっと、おれはおまえに夢中だった」
ソファの下に落ちた携帯を拾い、谷口は微笑んだ。
赤い携帯を手渡される。谷口の指が通話口を覆うように被さった。
「さよなら。アーヤと、アーヤの大切な人の最期が穏やかでありますように」
歪みのないまっすぐな言葉だった。同性とキスした事実より、谷口がおれのことを好きだったということに衝撃を受けた。
背を向けてラウンジを後にした谷口を茫然と眺めた後、おれは通話中である携帯を耳に押し当てた。
「…美月」
『あ、あやみちゃん、いま携帯落と』
「なんの用?」
息を詰める気配が伝わってきた。携帯を握り締めて立ち上がる。美月には悪いが、今とりとめのない言葉を重ねるほど余裕はない。
「用がないなら切るぞ」
大学のラウンジを見渡して目を閉じた。
点々と置かれた丸いテーブル。囲むように並ぶたくさんの椅子。すぐ近くには自動販売機があり、その脇には薄型のテレビがある。正面に巨大ソファ。小さいクッション。学部生の休憩と交流のために作られたこのエリアがお気に入りだった。いま気がついた。たくさんの時間をここで過ごした事に。
明日世界が終わるなら、いちばんに私の傍に来てくれる?
かつて椿に言われた言葉だ。
女は柔らかくて冷たいから好きだ。からっぽの優しさしか与えられないから温かいものは貰えなかったけど、肌を重ねる瞬間はいつも気が紛れた。
おれは過去を思い出し懐かしむ趣味はない。なので小学生の頃に仲が良かった奴の名前さえ覚えてない。だけどあの時期、美月に思いを寄せていた年下の男のなまえはフルネームで覚えてる。
そういう、ことなのだろう。
もう認めてしまおう。
最期だからと自ら動いてキスを奪った谷口のように。
「美月。おまえもニュースみただろう。今夜が人類最期の夜だ。それを踏まえて答えろ。なんの用があって掛けてきた?」
傍にいたい。
怖いほど澄みきった心がそう願う。
願わくば、選んでほしい。
自分と共にある最後を。
『花火する?』
美月が言う。
賭けに勝った気分で目を細め、笑声を押し殺した。
「外は危ないから屋上でやるか」
ここから最短ルートで美月と合流するには、車で出勤してる教授の車をパクるのが早い。待ち伏せしよう。頭で計算しながら階段を二段飛ばしで降りていく。羽が生えたように身が軽い。
通話を終えた携帯をゴミ箱に捨てた。課題は階段に落とし、財布は1階の募金箱に突っ込み、家の鍵を強く握りこみ、大きく振りかぶって窓を割った。爽快な気持ちで外に出る。
「おっ」
窓から身を投げた生徒の死体を見つけて立ち止まり、子犬を眺めるように微笑んだ。
「派手に逝ったね」
応答のない体を跨いでしゃがみ込んだ。開いたままの瞼を降ろしてやる。
「誰だか知らないけどご愁傷様。来世では自殺なんて考えつかない動物になれるといいな」
本当はいつも、何をしてるときも空虚だった。
家が全焼して母が死んだあの日、火を放った犯人が父であることを知っていた。
家庭はずいぶん早くに崩壊していて、父は他所に女を飼っていた。キィキィと小動物のように高い声で父を罵倒する母が哀れだった。どんなに喚いても一度離れた心は戻ってこない。
母の癇癪に疲弊した結果の父の行為を、おれは黙認することを選んだ。
父も、おそらく殺すか殺されるかというところまで追い詰められ、殺すことを選択した。なにも家族全員で奈落に落ちることはない。警察や世間を欺いてでも結ばれたいと願う人間に出会ったと言うのならおれは何も言わない。好きに生きればいい。
たとえ存在を廃棄されたって恨まない。
そう思いながら生きてきた。
そう思いながら生きるおれの、最初で最後の拠り所が、美月だった。
口笛を吹きながら駐車市場に向かう。3台の自動車と2台の高級車。人生最後に乗るなら高級車が良い。
小さく両手を広げてみる。月明かりを救うように手のひらに指の影が落ちて、まるで光を両手に収めたようだった。神の祝福を受けている。錯覚なんかじゃない。だってこんなに気分が良い。
冷たい風が道路脇の草を揺らした。そこには小さい子供がいた。ツインテールに結った小さい頭。ひらひらと揺れるピンクのスカート。
「美月」
その背中に声をかけると、小さい身体は跳ね上って立ち上がる。右手に菜の花を持った美月が、おれを見つけて目を丸くした。瞳孔が伸縮する。狙いを定めるような猫眼が堪らなく可愛い。
『あやみちゃん』
幼い美月の幻が微笑んだ。
美月がいたから生きてこられた。美月はおれの居場所で、精神の支柱で、最愛だった。
世界が崩壊するというのに、夜空に浮かんだ月はまあるく、まるで宇宙にひとつだけ残された球体のようだった。
これからおれは幸福を迎えにゆく。
Fin.
小学校4年。
夕焼け小焼けの音楽が流れると、美月はいつも寂しがった。
「まだ帰りたくないよ」
一の字に結んだくちびるを歪ませて、おれの服を掴んで揺らす。自分のわがままを理解してるのだろう。賢い子だ。だから上手に甘えられない。
大きな瞳に水の膜が満ちていく。
「みつき」
ぱんっと両手を打った。驚いた美月が跳ね上がる。
「糸電話を作ろう」
「…いとでんわ?」
「そう。普通の電話だと金がかかるから母さんが怒るだろ。でもこれなら誰にも迷惑かけない」
「…糸電話すると、みつきがねるまでお話できる?」
「できるよ。いっぱい話そう」
おれは家をみあげた。赤いレンガの二階建て。青いレンガがおれの家だ。似たり寄ったりのつくりをしている。駐車場を挟んだ斜め向かいの家。距離にして10メートル。美月と自分の部屋を交互にみる。
「こないだバーべキューやったときの紙コップが余っただろ。あれ持って来い。おれは家から糸探してくるから」
部屋と部屋を繋ぐ糸の長さを考えながら提案する。美月はきらきらした目で大きく頷いた。
何時に掛けるから電話の前にいろよ。ささやかな約束が、ひとつふたつと増えて習慣に変わる。金の要らない素朴な遊びさえ楽しかった。
「あやみちゃん!」
幼かった。今でこそ思う。
たとえば紙の裏と表を引き剥がせないように、美月の存在はそこにあった。家族とも恋人とも兄弟とも親友とも呼べる。愛とも恋とも区別しがたい。
美月はおれの居場所だった。
◇
教室のドアを開けた瞬間、道路に飛びだす猫のようにびゃっと出てきた谷口に腕を掴まれた。近い。
「ちょっと近いんだけど」
「おまえ椿先輩付き合ってるってマジか!」
「近い」
うわさは混合物だ。真実も嘘も混じってる。
4時間目が終わる時刻を見計らって登校したおれは、昼休みの教室でさっそく捕まった。まだカバンすら置いてない。
「邪魔。どけ」
「アーヤって薄情! なんでそういう話を秘密にするの?」
「ど、け」
この世の終わりみたいな顔をする谷口を突き飛ばして椅子に座る。肩に下げたカバンを開いて財布を取りだした。使う予定は無いが念のため。もう片手では携帯を操作してラインを送る。
教室にいる【既読】
文字を送るとすぐ既読がついた。うさまる、という無表情のウサギが走りだすスタンプが送られてきた。最近美月が謎に愛用しているうさぎだ。おれもダウンロードした。
「また幼馴染?」
谷口が背後に回る。後ろから携帯を覗き込んでくる視線はシカトした。
「アーヤって学校に何しにきてんの」
「出席日数稼ぎに」
「もう手遅れだろ。欠席日数やばくね」
「卒業できれば問題ねぇよ」
「大学行かないの?」
「おれ一般で受けるから」
「何学部?」
「おまえ質問多すぎ。どんだけおれに興味あんだよ」
「あ、そうだよそれ!」
谷口が大声を出す。隣で弁当を食ってた女子たちがビクッと揺れた。おれは谷口の腹に肘鉄を決め込んだ。うるさくしてごめんねーと手を振る。谷口が顔をあげた。
「マジで痛かったんだけど…」
「躾だよ」
「アーヤ、意地でも椿先輩のこと話さないつもりだな」
「つーかその『椿先輩』だけど、」
「あやみちゃん」
椅子をひっくり返す勢いで立ちあがると谷口が素早く椅子を支えた。ドア前に美月がいた。上級生の視線を気にしてかそわそわと視線を動かしている。人を警戒する猫みたいだ。撫でたい。そんな美月を眺めたまま谷口に話しかけた。
「5限終わったら第二科学室にカバンよろしく」
「アーヤっていつもなんで教室寄るの?屋上に直行直帰すれば?」
「カバン持ち歩いてフラフラしてたら、学校来てなかったことバレるだろ」
「勘が鋭い美月ちゃんにはどうせバレるよ」
おれは谷口をしっかりとみて微笑みかけた。
「美月のこと名前で呼ぶのやめろ」
谷口は何かを言いかけて口を開いたが、笑顔で黙殺した。
高校2年。
付き合ってほしいと言われた。元カノと別れて3日しか経っていないので無理と答えた。離れた人間に義理立てするほど誠実じゃないおれの断り文句はもちろん建前だ。単純に面倒だった。前の彼女がヒステリックだった事も影響してる。丁重に断った。
『彼女は無理かぁ』
女は宝くじでハズレを引いた子供のような顔で残念がった。そのとき初めてまじまじとみた女の顔は整っていた。こんな綺麗な女をフッたのかと砂粒ほどの後悔をした。その後悔が伝わったのか、女は唇を尖らせて挑発するように笑った。
『じゃあセフレは?』
だったらあり。ここで承諾したおれもおれだが提案した女も女だ。尻軽というか肝が据わってるというか。
そんな理由からおれと椿は急激に親密になった。
その変化が周囲からは恋にみえるのだろう。正直ヤることはヤッてるので黙認してる。
◇
大学1年。
静かな春の夜だった。半開きの窓から吹き込む風が柔らかく、薄っぺらい掛け布団をじゃれあうように取り合ったあと、電気を消した。
「わぁ真っ暗」
「ベットつめろ。狭い」
夜がすべてを呑みこんだ。そこにあるのは気配だけだ。おれともうひとり。美月の。
「枕どうする?」
「おまえ枕までおれから奪うつもりか」
「半分こしよ」
「もういいわ。勝手に使え」
生き物が活動すると、皮膚の表面に電気が発生する。とても微弱な電気だが、人はそれを体毛で感知する。これが『気配』と呼ばれるものの正体だ。
美月が笑う気配がした。
「あやみちゃんは優しいね」
ひとつのベッドにふたりの男女。残念なことに美月の無防備さを据え膳だと思ったのは初めてじゃない。
「優遇されてる自覚があるならもっと謙虚になれ」
闇に慣れた網膜が隣で眠る人間のシルエットを映し出す。もこもこしたルームウェアに身を包んだ女がころんと寝返った。反射で舌打ちしそうになる。
足や肩が美月に触れないように気を使う。性別の垣根すら越えて懐いてくる美月に邪な思いは抱かない。昔からの習慣だった。
「もっと壁際つめれるだろ。ベットも枕も貸してやったんだから、せめておまえは自分にできる最大限の配慮をしろ」
「もう充分つめてるよ! 背中壁に当たってるよ!」
女は声が変わらない。
記憶の奥底に眠っていた幼い日の美月が、いまの美月と重なった。まるであの頃の自分たちがいるようだ。子供の頃は何度もこうして隣り合って眠っていた。春は特に美月の精神状態が不安定になる。
卒業、入学、クラス替え、進学。美月は『門出』と呼ばれる数々の岐路に怯えていた。先行くおれと道を違えるのが怖かったのだろう。どうして同い年じゃないのと理不尽に責められては泣かれた日々を思い出す。美月の部屋に忍び込んだ夜は手を繋いで眠り、夜明けを待たずに帰宅した。
一番最初に忍び込んだ夜も春だった。
たしか嵐の夜だ。
「…むかし糸電話作ったよな」
季節の匂いは時に記憶の呼び水となる。
庭の裏に咲いていた菜の花を摘んでいる美月の後姿が蘇った。小学校の頃だったか。ツインテールに結った髪が風に揺れて綺麗だった。
「ガキの頃。おれが引っ越す前」
「あー。あったねぇ」
「あれどうしたんだっけ?」
「糸が切れたんだよ」
カーテンの隙間から零れた月明かりが、美月の身体をぽっかりと浮かび上がらせる。
「切れたっけ?」
「切れた。雨の日に」
「よく覚えてんなぁ」
無防備に晒された美月の顔を眺めながら遠い記憶に思いを馳せた。
自分がどんな子供だったかは覚えていない。だけど美月の、たとえば柔らかい髪の感触だとか、学校で摘んできた花をおれの家まで届けに来たときの笑顔だとか、そういう記憶は残ってる。
おれの世界は美月を軸に回ってる。どの季節、どの日常を切り取っても美月がいた。
「懐かしいねぇ糸電話。あの頃はまだ携帯がなかったから」
おぼろげな記憶の片鱗を愛でるように美月は言った。くすくすと笑う声が闇に溶ける。
普段の美月は凛としている。女の佇まい。いつの間にかそういうものを身につけ始めた幼馴染は、人前でおれを「あやみちゃん」とは呼ばなくなった。なのにいまおれに甘える美月はどこか拙くて幼い。少女と大人。その中間地点にいる女独特の妖艶さを感じた。
「懐かしいな」
成長した。お互いに。おれはだんだん男になって美月はゆっくり女に変わる。
「あやみちゃん覚えてない? 糸電話が切れるギリギリまで喋ってたんだよ」
「そうだっけ」
「風で糸がひっぱられて、ブチッ!て音がしたの覚えてるよわたし」
「何日持った?」
「十日くらい」
「短命だな」
――彼氏ができた、と真夜中に伝えにきた美月の真意はわからない。わからないけど、おれには美月を祝う義務があった。
『花火するか』
支離滅裂な発言をした。突然すぎたのだ。プレゼントも赤飯もクラッカーもない。苦肉の策で花火を提案したら美月がきょとんとした顔で「わかった」と言ったので、マンションの屋上で花火をした。帰宅したときには深夜0時を過ぎていた。美月の家までは徒歩で1時間かかる。
遅いから泊まってけ。断腸の思いでそう告げたら、美月はなにひとつ疑問を抱かず頷いた。
免許を取ろう。そう思った。これはいけない。家に泊まる癖がつく。警戒心のない顔でベットに乗った美月をみて確信する。
部屋に招いたことはある。
しかし泊めるのは初めてだ。
『おい、床に布団敷いただろ』
『私もベットがいい』
『はあぁ?』
おれは美月のように何もかも純粋なわけじゃない。包み込んで守りたい保護欲も、押さえ込んで暴きたい凶暴さも兼ね備えている。あまい声としろい肌。おれと違うものはすべて毒だ。だから遠ざけた。美月から性を感じたくない。どんなに心を許していても男女という認識は常にあった。
『どうしてもベット?』
『どうしても』
『…わかったよ』
おいで。
そう言って招けば、美月はぶつかるように飛び込んできた。
他人を大切に思う気持ち。男女はそこに分岐がある。どう大事にするか。妹のように可愛がるか、女のように甘やかすか。比重はどんどん後者に傾きつつある。不治の病に付き合うように騙し騙しやってきたが、限界が近いことは理解していた。
おれはもう美月の隣で眠れない。
「おまえって、どーでもいいことばっかり覚えてるんだな」
「どーでもよくないよ。わたし糸電話って発想に感動したもん。あやみちゃん天才かと思ったね」
「おれは天才だよ」
「知ってるよ」
幼馴染なんて曖昧で不確かな関係は簡単に終わる。それこそ、かつて雨に途切れた糸のように。
それでもおれたちは離れなかった。
引越しに卒業に恋人。離れる理由をいくつも乗り越え寄り添った。たくさんの門出を経験して、別れの季節が巡り、それでもおれは美月を手放さなかった。
手放せなかった。
「明日何時に起きんの」
「んー…朝の6時くらい」
「じゃあもう寝ろ」
「…ん。おやすみ」
「おやすみ」
体温も鼓動も吐息も、すべてがだんだん重なって一つになる。視界から美月を外すよう寝返りを打てば月が見えた。夜空だ。おれがなにより好きな時間帯。
中秋の名月。
月がいちばん美しいといわれるその日、美月は産まれた。
美月の母は出産後に病室の窓からみえた満月にパワーのようなものを感じたのだという。あながち間違いでもない。月には大きな海を動かすほどの力がある。
当初、美月はフルムーンの意味を込め「満月」と書く予定だったが、それだと姉の「優月」の名を呑むため、漢字を変えて「美月」となった。のどかで風流な美しさ。名は体を現すという。
美月という麗しい音色をもつ幼馴染。
おれが唯一、大切にしているものだ。
この世界の何よりも。
・
・
・
移り香を消すように、連れ込んだ女をベットで抱いた。
椿は利口な女だ。はじめは動揺して詮索してきたが、すぐに観念して口を閉じた。話し合って解決できる問題ではないと察したのだろう。理解が早くて助かる。言葉で心を癒す趣味はない。
「誰のこと想像して荒れてたのか知らないけど、ベットで他の女と呼び間違えなかったから不問にしてあげる」
図星を指されて見繕うのは無様だと思ったので素直にごめんねと告げた。
「おれが名前間違えたら殴った?」
「そこまではしないけど、次はないわね」
「捨てられないように努力します」
「好きなの?」
「セックス?好きだよ」
椿は、鋭い。触れるなと匂わせれば深入りしない彼女の性格は知っている。良い女だ。今まで出会ったどの女よりもリアリストで感情の制御ができる。恋ではないが敬愛してる。
「椿のことは女として一番好き」
「なにそれ。比較して優劣つけないと人を好きになれないの? もっとスマートに口説いてよ」
「大学を卒業したら結婚しよう」
言葉を失った椿の唇がうすくひらいた。衝撃のあまり瞬きも忘れてる。その顔を可愛いと思った。細い腰を引き寄せてにっこり笑う。どんなに細くても女は柔らかい。
「椿」
噛みつくようにキスをした。舌を差し込む。ハッと我に返った様子が見て取れたが構わない。好きなように蹂躙して腰を撫でた。
もし人間の体温が36度で固定されていたとしたら、触りたいという欲求は半減するだろう。違うから触れるのだ。人は皆。
勢いがつかないよう、優しく押し倒す。
「やめてよ。嘘つき」
やけにハッキリした声で断られた。気分が萎える。そこは掠れた声で震えるべきだ。目を細めて裸の身体を見下ろした。
「なにを。どっちを。セックスを? 結婚?」
「その冗談を」
「どっちが冗談に聞こえたの」
「両方よ」
もし両方本気だったらどうするのだろう。この女は自らの失言のせいでおれを逃すことになる。
「残念。フラれちゃった」
煙草でも吸おうか。デスクに視線を流すと、指を爪先で弾かれた。椿が甘えを見せたのはその一度だけで、そのまま背を向いて毛布に包まってしまった。
さすがに今この場から立ち去るほど馬鹿じゃない。
ベットに侵入して腕を回す。
「おれさ、夜の暗さって好きなんだよね」
「どうして?」
「明けるから」
朝が来るから。
椿は笑う。あやすように背を撫でる。
「それは朝が好きなのよ」
「夜の後に朝がくるから良いんだよ」
「あなたには好きなものが多いのね」
遠くで車の走る音がした。世界の果てはどこいあるのだろう。目を閉じれば美月と違う匂いがした。酷く安心する。ここ最近はずっとベットで眠ることなどできなかった。
「地球が誕生した最初の日に、おれらがいるこの場所は、朝と夜どっちから始まったと思う?」
薄く目を開いて椿をみる。
くだらない空想に呆れることなく、椿は満腹の猫みたいな目で細く笑んだ。
「どっちでもいいじゃない。どうせ両方くるものなんだから」
「卵が先か鶏が先かって聞いたことない?」
「永遠に繰り返していくものに『最初』は存在しないわ」
「始まりがあるから鶏も卵も存在してるんだよ」
「わたし鳥嫌いだし卵アレルギーだし、心底どっちでもいい」
「おまえの潔いところ好きだわ」
ふふ、と椿が笑う。
「人の名前は本質を示すって言うでしょう。わたしね、自分の名前気に入ってるのよ。祖母は縁起が悪い名だって言って、わたしの名前を嫌うけど」
笑っていたが、椿の目は真剣だった。
冬に咲く椿の気高さ。花が首から落ちる潔さ。彼女が持つ美学の起源は、他人への反発心が生んだ副産物なのかもしれない。親に与えられたいちばん最初のプレゼントである己の名を、親族から否定される気分はどんなものだろう。
つばき。気取らぬ優美。椿の花言葉だ。背伸びをしない、ありのままの美しさ。
「あやみの由来は未定の彩りって意味でしょ。よかったわね、『彩りの末(マツ)』でアヤスエなんて読ませる名前じゃなくて」
「アヤスエくん良いじゃん。これ以上進化できない最終形態って感じ」
「あなたは『彩未』のほうが全然似合うわ。完成してるものって変化がなくてつまらないもの」
その言葉に薄く笑って、小さい身体を抱き締める。椿は長い髪を後ろに流しておれの首筋に唇を押し当てた。
「あなたと話してると退屈しないの。美人とか綺麗とか褒めるだけの男とは違うもの。あなたの博識なところがタイプよ」
「なにそれ。見た目は好みじゃねーの?」
「外見ももちろん好きだけど、なによりわたしに靡かないところが好き」
「さっきプロポーズしたじゃん」
「たとえばもし、明日世界が終わるなら、いちばんに私の傍に来てくれる?」
あんまり極端な例えだったので笑ってしまう。
「可愛いね」
「本気で訊いてるんだけど」
「だから可愛いんだよ」
椿は決して人に媚びない。そういうところを気に入って傍に置いた。愛の欠けたおれの気持ちを咎めず、指摘せず、見てみぬフリのできる女だから彼女にした。結婚してもいい。椿はおれに適した存在だった。
「おれらなら結婚しても上手くやれるのに」
動物は理性を持たないという。
人間を人間たらしめるものは理性だ。大人が子を育て、子は大人を親にする。そうして人は変わってく。感情に折り合いをつけながら生きていく。
いつか美月の一番がおれでなくなるときが来る。
「好きなら、愛してあげればいいのに」
「なんの話?」
「あなたがいちばん大切にしてる子よ」
自分の限界を見据えた上で沈黙した。椿の瞳からこぼれた涙は、あまりにも綺麗で儚かった。
これ以上、椿に傷を負わせないようにおれは彼女の目元を優しく撫でた。
「椿」
もう一度その細い身体を組み敷くと、今度は「いやだ」とは言われなかった。
甘い蜜に溺れるようにキスをする。毛布の海を漂う手首を掴まえて、先端まで伝って指を絡めた。小指を甘噛みする。歯で砕けそうなほど細い骨が可愛かった。
◇
ブラジルに直径30キロの隕石が落下した。
キャンパス2階のラウンジでソファに腰かけながらテレビの報道を観ていたおれは、ヒマラヤの雪が熱風で蒸発するところ見たかったと真剣に考えながら携帯を取り出した。
20時。美月は夕食を済ませた頃だろうか。
「アーヤ」
長いソファの延長線上に座ってる谷口が蒼白な顔でおれをみた。
「岩石蒸気が日本に到達すんのって」
「今日だな」
ワンテンポ遅れて、今夜0時に地球が滅亡すると報道が流れた。1分内でこれだけの情報を助長なく報道するということは事前に入手していたネタだ。日経は既に地球物理学の佐伯を招き、より詳しい情報の開示を行っている。
「げ、佐伯教授…」
佐伯はうちの大学の非常勤講師だ。平然とした顔で隕石のもたらす地殻津波と人類崩壊後の海の蒸発について熱く語っている。
谷口が両手で顔を覆った。
「こんな話、いまどういうモチベーションで拝聴すべきなのかわっかんねーよ…」
「コイツほんと狸だな。昨日の講義で平然と『僕が結婚する確立と隕石が地球にぶつかる確立は五分五分ですね』とか言ってた癖に」
「呪う。ぜってー佐伯呪う。コイツが着てるスーツ絶対新調したやつだろ。死ぬってわかってたから買ったんだ。クソヤロウ…おれだって死ぬ前に…」
「死ぬ前に?」
「童貞卒業したかった」
「じゃあレイプすれば」
妙案だと思ったので言ってみたら、谷口は虫の屍骸をみるように眉を寄せた。
「馬鹿言ってんじゃねーよ死ね」
「死ぬよ。地球もろとも皆」
チャンネルでテレビを消した。
「人間から常識という概念が取っ払われたとき、最弱で最下層になるのは人間の女だ。どう扱おうが問題ない。責める奴もいない。雄なんて元々そういう生き物だろ」
「発想が最低だな」
「なんとでも」
ガラス張りの壁から外をみると月が綺麗だったので澄んだ気持ちになる。地球最後の日が雨じゃなくて良かった。夜で良かった。
月を最後にみられてよかった。
「じゃあな、谷口。こんな非常時でも人としての理性と良心を失わないおまえは立派だと思うよ。せいぜい最期の瞬間まで安らかに」
「どこ行くんだよ」
「家に帰るよ。来週〆切のこのレポート、もう意味ないし」
「独りで死ぬつもりか?」
「おれと一緒に死にたいの? やめろよ。即興で選んだ相手と寄り添って死ぬぐらいなら独りでいい」
「そうじゃなくて、」
電話が鳴った。
この状況で回線トラブルに巻き込まれずまっすぐ繋がるなんて相当な奇跡だ。みればおれの携帯だった。奇跡が手の中で鳴いている。
美月。
表示された文字に息を飲んだ。
この瞬間、おれの脳内にはありとあらゆる惨事が脳裏を過ぎった。
そうだ、美月は女だ。
どうしてそんな事に気づかなかったのか。
「美月…」
人々は今、荒れ狂う波のように混乱してるだろう。魔が差す奴がいてもおかしくない。おれの体を恐怖が包む。レイプすればと笑顔で提案したあの言葉が心臓に突き刺さる。おれたち男は襲う側だ。人を殴れば眼球を破裂させ、腕力ひとつで人の尊厳を奪う行為もできる。
全神経が冴え渡り、気づけば通話ボタンを押していた。
「はい」
『あやみちゃん!』
弾むような声。周囲に雑音はなく、美月の呼吸は乱れていない。全身の力が抜ける。
遠くのほうで悲鳴が聴こえた。電話の向こう側ではなく大学内からだ。女が襲われたのかもしれない。
「アーヤ」
背を向けていた谷口から声が掛かった。舌打ち混じりに振り向く。谷口の話なんて聞いてる暇はない。いまは美月が優先だ。
「谷口、いま電話し」
唇に何かが押し当てられた。
それが谷口の唇である事に気づいたときには、手から携帯が滑り落ちていた。身体が離れる。
「長いことは言わない。ずっと好きだったんだ。15の春からずっと、おれはおまえに夢中だった」
ソファの下に落ちた携帯を拾い、谷口は微笑んだ。
赤い携帯を手渡される。谷口の指が通話口を覆うように被さった。
「さよなら。アーヤと、アーヤの大切な人の最期が穏やかでありますように」
歪みのないまっすぐな言葉だった。同性とキスした事実より、谷口がおれのことを好きだったということに衝撃を受けた。
背を向けてラウンジを後にした谷口を茫然と眺めた後、おれは通話中である携帯を耳に押し当てた。
「…美月」
『あ、あやみちゃん、いま携帯落と』
「なんの用?」
息を詰める気配が伝わってきた。携帯を握り締めて立ち上がる。美月には悪いが、今とりとめのない言葉を重ねるほど余裕はない。
「用がないなら切るぞ」
大学のラウンジを見渡して目を閉じた。
点々と置かれた丸いテーブル。囲むように並ぶたくさんの椅子。すぐ近くには自動販売機があり、その脇には薄型のテレビがある。正面に巨大ソファ。小さいクッション。学部生の休憩と交流のために作られたこのエリアがお気に入りだった。いま気がついた。たくさんの時間をここで過ごした事に。
明日世界が終わるなら、いちばんに私の傍に来てくれる?
かつて椿に言われた言葉だ。
女は柔らかくて冷たいから好きだ。からっぽの優しさしか与えられないから温かいものは貰えなかったけど、肌を重ねる瞬間はいつも気が紛れた。
おれは過去を思い出し懐かしむ趣味はない。なので小学生の頃に仲が良かった奴の名前さえ覚えてない。だけどあの時期、美月に思いを寄せていた年下の男のなまえはフルネームで覚えてる。
そういう、ことなのだろう。
もう認めてしまおう。
最期だからと自ら動いてキスを奪った谷口のように。
「美月。おまえもニュースみただろう。今夜が人類最期の夜だ。それを踏まえて答えろ。なんの用があって掛けてきた?」
傍にいたい。
怖いほど澄みきった心がそう願う。
願わくば、選んでほしい。
自分と共にある最後を。
『花火する?』
美月が言う。
賭けに勝った気分で目を細め、笑声を押し殺した。
「外は危ないから屋上でやるか」
ここから最短ルートで美月と合流するには、車で出勤してる教授の車をパクるのが早い。待ち伏せしよう。頭で計算しながら階段を二段飛ばしで降りていく。羽が生えたように身が軽い。
通話を終えた携帯をゴミ箱に捨てた。課題は階段に落とし、財布は1階の募金箱に突っ込み、家の鍵を強く握りこみ、大きく振りかぶって窓を割った。爽快な気持ちで外に出る。
「おっ」
窓から身を投げた生徒の死体を見つけて立ち止まり、子犬を眺めるように微笑んだ。
「派手に逝ったね」
応答のない体を跨いでしゃがみ込んだ。開いたままの瞼を降ろしてやる。
「誰だか知らないけどご愁傷様。来世では自殺なんて考えつかない動物になれるといいな」
本当はいつも、何をしてるときも空虚だった。
家が全焼して母が死んだあの日、火を放った犯人が父であることを知っていた。
家庭はずいぶん早くに崩壊していて、父は他所に女を飼っていた。キィキィと小動物のように高い声で父を罵倒する母が哀れだった。どんなに喚いても一度離れた心は戻ってこない。
母の癇癪に疲弊した結果の父の行為を、おれは黙認することを選んだ。
父も、おそらく殺すか殺されるかというところまで追い詰められ、殺すことを選択した。なにも家族全員で奈落に落ちることはない。警察や世間を欺いてでも結ばれたいと願う人間に出会ったと言うのならおれは何も言わない。好きに生きればいい。
たとえ存在を廃棄されたって恨まない。
そう思いながら生きてきた。
そう思いながら生きるおれの、最初で最後の拠り所が、美月だった。
口笛を吹きながら駐車市場に向かう。3台の自動車と2台の高級車。人生最後に乗るなら高級車が良い。
小さく両手を広げてみる。月明かりを救うように手のひらに指の影が落ちて、まるで光を両手に収めたようだった。神の祝福を受けている。錯覚なんかじゃない。だってこんなに気分が良い。
冷たい風が道路脇の草を揺らした。そこには小さい子供がいた。ツインテールに結った小さい頭。ひらひらと揺れるピンクのスカート。
「美月」
その背中に声をかけると、小さい身体は跳ね上って立ち上がる。右手に菜の花を持った美月が、おれを見つけて目を丸くした。瞳孔が伸縮する。狙いを定めるような猫眼が堪らなく可愛い。
『あやみちゃん』
幼い美月の幻が微笑んだ。
美月がいたから生きてこられた。美月はおれの居場所で、精神の支柱で、最愛だった。
世界が崩壊するというのに、夜空に浮かんだ月はまあるく、まるで宇宙にひとつだけ残された球体のようだった。
これからおれは幸福を迎えにゆく。
Fin.
斜めアングルからの自撮りをことごとく犬に邪魔される私。
邪魔だよ
ぜんぜん自分が写りませんでしたが可愛かったので(※犬が)保存しました。
GWですね。みなさんいかがお過ごしですか。私はこうして孤独な自撮り撮影会をしております。新しい職場という過度なストレスに押し潰され心が瀕死。外に出たくない病に侵される毎日です。(深刻)
なのでTwitterにて、突発的に思いついた【#140文字リレー小説】にフォロワーさんを巻き込みました。その節は大変お世話になりました。
以下、一部転載。
※文章&呟きの一部を転載させて頂きました。もし差支えがございましたら早急に削除させていただきますので、大変お手数ですがご一報下さいませ…!
ラギから始まるリレーに合わせて☆
◇二番手、凪さん。
(その場にいたので捕獲)
ラギ @ikebukuro_ragi
リレー小説やりたい
凪さん @nagisan
(突然…)
ラギ @ikebukuro_ragi
どどどどどどど(((((((((( っ◉ω◉ )っ②
凪さん @nagisan
wwww 分かりましたやってきます!
朝っぱらから、とんだ被爆を受ける凪さん。
◇3番手、櫻井さん
(小説に「いいね!」がついたので捕獲)
ラギ @ikebukuro_ragi
尚、迂闊にふぁぼを飛ばすと全力で捕まえに行きます。(事後報告)
櫻井さん @sakuraisan
先に言ってwwwwww
強制的に巻き込まれた櫻井さん
◇4番手、ちょりそーさん
(浮上のタイミングが重なったので引きずり込む)
ラギ @ikebukuro_ragi
今後の捕獲対象としてイスカさん、ユキさん、ちょりそーさんといった豪華メンバーが予測されます
ちょりそーさん @choriso-san
断髪中
ラギ @ikebukuro_ragi
ちょりそーさん♥
ちょりそーさん @choriso-san
こんなにも名前の後の❤️がこわいと感じたのは初めてです…!
出先でありながら構ってくれたちょりそーさん
◇4番手、なつめさん
(TL張ってたら30秒差で浮上→取っ捕まえる)
ラギ @ikebukuro_ragi
なつめさん
なつめさん @natumesan
お呼びですか!
ラギ @ikebukuro_ragi
5番手は頼みました!!!!!(巻き込んでいくスタイル)
╰( ^o^)╮-=ニ=一=三【#140文字リレー小説】
なつめさん @natumesan
ものすごく困惑の後三ヶ月ぶりにお話を考えるというこの無茶振り素敵
高校生にたかる24歳の私。
◇6番手、宇山さん
(トラップを張る)
ラギ @ikebukuro_ragi
----ここから先呟いた人を捕獲----
(宇山さんが浮上される)
ラギ @ikebukuro_ragi
宇山さんお疲れさまです。ゴールデンウィークはいかがお過ごしですか?いまフォロワーさんに協力してもらう形のリレー小説を回していて、もしお時間があればサラッとで構わないので、宇山さんにも書いて頂きたいなと…!なにとぞ…!
ひれ伏す勢いでお願いしまくる(対絵師様)←完全なる無礼
◇7番手、ユキさん
(ここまで怒涛の捕縛だったので、小説にふぁぼをくれた方から選抜して控えめに声をかける)
ユキさん @yukisan
(ぶくぶく.。o○)
ラギ @ikebukuro_ragi
(聞こえますか…きこえますかユキさん…)
ユキさん @yukisan
ラギさんいないと思ったのにwwwwww
ラギ @ikebukuro_ragi
やっと捕まえました!!!!
╰( ^o^)╮-=ニ= =͟͟͞͞=͟͟͞͞=͟͟͞͞─=≡Σ((( っ''∀'')っ7番手さまお願いいたしまーーーーーーす!!!!
ユキさん @yukisan
潜伏してるとは…wwwwww行ってきますwww
優しさにつけ込まれるユキさん
◇8番手、RUIさん
(忙しくてTLに浮上できなかったRUIさんがご帰還)
RUIさん @ruisan
140文字リレー小説混ざりたいなーと思って呟いた後、リアルでチビの相手と親戚と遊ぶことになりやっと落ち着いたので浮上したら140文字リレー小説がうわー!
ラギ @ikebukuro_ragi
8話目をお願いしてもいいでしょうか…!
RUIさん @ruisan
オチに繋げる大事なとこじゃないですかこれ…!!な、なんかうまいボケどっかに落ちてませんか!!8番手了解です!
円満に解決。
◇9番手、有紗さん
(ありがたくも相互フォローなのですが今までお話しするタイミングを逃しまくっていて創作リレーにふぁぼを貰ったことで思いきってリプを送る)
ラギ @ikebukuro_ragi
夜分遅くに失礼します…!創作リレーにいいね頂きありがとうございました;かなり自由な創作リレーなのですが、もしよろしければ9番手をお願いできますでしょうか…!
有紗さん @arisasan
わわ、気づくのが遅くなり申し訳ないです…!!参加させていただきますありがとうございます、楽しそうだと思っておりました…!力不足感が否めないですが投稿失礼します(*´ω`*)
お優しい方でした。
◇10番手、イスカさん
(説明はいらぬと判断)
ラギ @ikebukuro_ragi
頼みますよ!!!!!
╰( ^o^)╮-=ニ=一=三【終わり】
突然投げる。
そして完成した小説がこちらです。
ちょっと気が病んだとき出来心で壁に話しかけたんです。そしたら意外に気持ちが落ちついて。言葉で気持ちを整えたんでしょうね。
気がつけばどんどん独り言が増えてって。
自分の言葉に煽られて泣いたり怒ったり。
そしたらある日、壁が返事したんです。
「涙でわいをしなしなにするのは好い加減やめてクレメンス」
最初は幻聴かと思いました。
ああ、ついに私は頭がおかしくなったんだと。しかしそれは日を追うごとに増えていきました。
そしてある日、家に帰った私に壁の方から声を掛けてきたのです。
「おかえりなさい。今日はどんなことがあったんですか。いつもは悲しい話ばかりだから、たまにはあなたの楽しい話が聞きたい。」
楽しい話、そう言われても思いつくことがなかなか見当たらなかった。
悲しい話や愚痴を聞いてくれた壁。
一呼吸の後、すとんと落ちてきた楽しい話は、
「貴方とお喋りできたこと。」
「それはとても嬉しい。なんて幸せなことでしょう」
壁の声はどこか照れた様に聞こえて思わず笑った。
けれどその日を堺に壁は何も言わなくなった。悲しかった話をしても、辛かった話をしても、壁に当たって自分の声が跳ね返ってくるだけだ。
部屋には以前と変わらぬのっぺりとした壁があります。
壁との会話はちょっと不気味だけれど、お風呂の心地好さにも似た、穏やかな時間でした。
返事がないと分かっていても、今日も私は壁に話しかけます。
「今日ね、面白いことがあったんです。あのね…」
「コンビニの店員さんが焼きそばパン片手に『ポイントカードあたためますか?』って聞いてくるのよ」
しかも真顔で。
言われたこっちも真顔になったわ。
と、微かに壁が震えたのがわかりました。はっとして、慌てて手のひらを当てました。「…壁さん…?」もしかしたら、という期待が胸のなかで大きくなりました。
「うひゃっひゃっひゃ!それはなんだいクレメンス!」
待ち焦がれた声に浮かれた次の瞬間でした。ピリピリと壁に裂け目が走ったのは。
彼の口だ、そう信じた僕の前で散々に涙を吸い込んでいた壁紙が、どんどんと剥がれ落ち。
後にはもう、ただの壁が遺ったのです。
終
クレメンス!!!
楽しかったです。ありがとうございました!
出版社の鬼社長から連絡を受けたのは、出会ってから数日が経った頃でした。
「うちの会社、人手不足だからバイトしない?やる気があるなら正社員雇用もするよ」
Yと決別しようと考えていた時期です。
なにも言わないYが怖くて、いままで気にも留めなかった不在の連続さえ『捨てられるんじゃないか』と思うようになった、そういうときでした。
誰かに頼りっきりの生活は未来が見えない。
「ありがとうございます。ぜひ、働かせてください」
門出だと思いました。誰かに甘えるのはもうやめよう。自分の足で歩いて生きていこう。決意する前に返答した気がします。
私は長らく、心のどこかでずっと転機を待っていた。
◇
「じゃあ、うちくれば?」
家探し手伝って。
ラクに告げたら同居を提案されました。
「いや私、自立したいんだけど」
「どうやって家借りるんだよ。保証人は?金は?」
「…でも私がここに住んだら、Y管理人からラクの家に住居変えるだけじゃん。なんにも変わってないよ」
「だれがタダで住まわせてやるって言った?」
そこから先は早かった。
Y管理人からラクの元へ移るまで3日もかかってない。家を出て行くといったときYは私にカードを手渡しました。いらない。断ると、長財布に入っていた札束をすべて抜き取って私に押しつけました。
「餞別」
「受け取れない」
「アホ。うちをペットに逃げられたアホな飼い主にする気か。うちがおまえを金で切ったと思ったほうが気が楽なんや」
10枚の1万円札を千円で留めた札束。
13枚。
130万円。
家族でも恋人でもない人から、こんな多額な金を受け取るのは気が引ける。
「10万でいい」
「あかん。ぜんぶ受け取れ」
「無理だよ。こんなお金、こわい」
「好意や」
「重いよ」
「それだけのことすんねん、おまえは。全部背負いや」
金で縁を切る。
わたしとY管理人の生活環境はもはや境界線など曖昧なほどに混ざり合っていて、共通の知人も遊び場も住みかもすべてを捨てるという私に、Yは「手切れ金」という名目でお金を渡しました。
「ちゃんと使え。金使うたび、うちのこと思い出すやろ。おまえはそういう奴や。罪悪感に駆られろ。苦しめ。潰れたら死ね」
Yの言葉が重かった。
◇
バイトで入った出版社では、雑用が主でした。
半年間は簡単な事務作業。校正にテキスト入力。うちの社員はみんなコミュ力が高く、作家さんとの交渉・兼ね合いもとれていて、土日はきちんと休めている人が多かったです。職場の雰囲気はとても良かった気がします。
ここで「桜木」という上司に出会いしました。桜木上司は何度も私を『正社員に』と押してくれました。
「バイトじゃもったいないよ。うちの会社、海外旅行も経費で落ちるわよ!」
「取材ですか?」
「娯楽で」
それはもう経費ではないんじゃないか?
桜木上司は言いました。
「この世は稼いだもん勝ちよ。わたしは一生、結婚はしないの。子供もいらないわ。欲しいものは全部お金で買えるから」
桜木上司は少しだけ、Y管理人に似てました。
道徳や倫理観を疑うようなことを平気で言ってのける桜木上司が好きでした。
馬が合うというのか、とにかく彼女はわたしの扱いが上手かった。効率よくわたしを動かし、効率のいい仕事の手順を教えてくれました。
とある作家の握手会。
指定した時刻に花が届かず、企画者に散々頭を下げ、泣きながら近くの花屋に花を買いに行ったことがありました。めかして来いと言われたので高いヒールを履いていたのですが、走り回ってるうちに靴擦れして、靴を脱いで往来を走りました。
もう仕事辞めたい。
初めて心が折れたその日、桜木上司は銀座で服とスニーカーを買ってくれました。
「前々から思っていたのだけどアナタ、いちばん美しかった頃の工藤静香に似てるわ」
「工藤静香って誰ですか?」
「キムタクの奥さんよ。いやねぇ、平成生まれは怖いわ」
彼女の怒り方が好きだ。
キレると叱るの違いを理解して、相手のためになる怒り方をする。失敗したときはその場で一喝して、あとに引き摺らない。何度も掘り返して責めることをしない。仕事が終わった後は一切持ち出さない。話のネタにもしない。
「今日は十五夜だから、月をみて帰りなさい」
彼女は季節を大切にする人でした。
仕事だから季節を意識するというより、心から日本の四季を愛していたように見えました。
しんどいことは沢山ありました。
そのたび支えてくれたのは桜木上司でした。
わたしは沢山のことを学び、一年が経つ頃にはだいたいの仕事を回せるようになりました。
ドラマで見たような仕事内容から、「こんなことまでするの?」と思うようなことまで、とにかく幅広い仕事内容だったように思います。
なかでも驚いたのが、とある作家の注文です。
「家の周辺をス/ト/リ/ー/ト/ビ/ュ/ーに映さないよう掛け合ってくれ」
そんなことできるのか。そう思いつつ、その容貌はうちの会社を支える大御所作家さんからであったため無碍にもできず、桜木上司に相談。
「できるわよ」
「えっ、できるんですか!?」
「あたりまえよ。できるに決まってるじゃない」
企業秘密のため詳細は省きますが、とにかく金持ちはプライバシーすら買えるのだなと感心しました。
◇
ラクとの同居は気楽でした。
まず育ちが似通っているので行動も似てる。
スーパーで買った惣菜をいちいち皿に移すとこも、柔軟剤は少し値が張るものを選ぶところも。小さい頃からお食事会に参加していた癖なのか、皿とグラスを左手で持ち運ぶ仕草さえ一緒。
ラクとの生活を一言で表すなら「穏やか」だった。
同世代のライフステージが変わり始める。会社で同い年の子が飛躍する。院を目指す友達に見下されているような気分になる。ぼんやりとした不安を口にするたびラクは笑う。
「あんま煮詰めなくていいんじゃね。同世代とか同期とか気にしすぎ。おまえドジだから、他人のスピードに追いつこうとして急ぎ足になると転ぶぞ」
私を呼ぶラクの声が好きだった。
押さえつけるような母親の呼び方でもなく、試すように呼ぶゆいの呼び方でもなく、そこにある記号を読みあげるような、席を立ち教科書を読む、遠い日の彼と同じその声で。
過干渉。
ラクと生活するようになり気づいたもの。
わたしの周りの人は皆、自分以外の存在に過干渉だった。
母も、ゆいも、花も、義母も、Yも。べっとりと密着して離れない状態に安堵していた。わたしが愛と呼んでいたものをラクに教えたら「依存」と言われた。
依存。
春。
決め事をした。ゲーム好きのラクとネットサーフィンが趣味のわたしが一緒に暮らすと、電気代の請求額が恐ろしいことになった。心地よい居場所を作るためにひとつひとつを改善した。
ラクがわたしの帰る場所になった。
夏。
目的もなく夜の道を散歩する。窓に風鈴をぶら下げた。冷房の温度で喧嘩した。腹が立ったので黒烏龍茶を「コーヒーだよ」と言って出した。ラクは黒烏龍茶に砂糖とミルクを入れて飲み、「ふざけんな!」と一喝した。また喧嘩した。
しばらく別々のベットで寝て、どちらからともなく寄り添いあった。
秋。
徒歩5分のコンビニに行くときすら化粧をするわたしをラクは置いていく。そんなラクの行動を熟知してるわたしは先回りしてラクの靴を隠す。ラクは呆れて、それでも笑って探し始める。
コンビニまで手を繋いだ。
冬。
抱き枕を買った。ふとっちょのねこのぬいぐるみ。「たむたむ」という名づけた。たむたむは悪意なき洗濯機の遠心力で痩せこけ、抱き心地が悪くなった頃に捨てた。ラクは少し寂しそうに最後の記念写真を撮っていた。馬鹿だと思った。
しょうがないから私も一緒に写ってあげた。
眠っているラクをみると心が癒される。
感情に荒波が立たない。風のない穏やかな海のように心は凪いで、周りの人の動きがみえる。これがきっと、恋をしていないわたしの、元来の性格なんだ。
「結婚しない?」
2人分のマグカップを持つ手が止まりました。
「…驚いた。ラク、結婚願望なんてあったんだ」
「いやぁ、べつに無かったけど」
テーブルにカップを置く。
ラクが愛情に満ちた瞳でわたしをみて、微笑んだ。断られることなど微塵も疑わない澄んだ瞳だった。
「おまえと家族になりたい」
家族を持ちなさい。
とおく、遠くに行ってしまった先生の声が頭を過ぎる。母を求めるばかりに周囲を大切にできず孤独に生きた幼少期のわたしが、新しく持つもの。
家族。
姿勢を正した。
「わたしも、結婚するならラクがいい」
共に一緒に生きていくには、これ以上ないほど「適切」な人だった。
◇
「ほい」
「え。指輪?」
「うん、指輪」
「形から入るひとだ」
「うっせ」
幸せだった。
生活は満ち足りていた。
「こちらが婚姻届です」
「わ~。初めて書くわ」
「当たり前だばか」
週3以上のセックス。
週末デート。国内旅行。ケーキ屋巡り。お揃いの部屋着。共通の友達。安定した仕事。人より多めな収入。贅沢な毎日。変わらない日常。
「おれが本屋でゼクシィを買ったときの心境を答えなさい」
「ドキドキ?」
「ちなみに男友達と一緒に買った」
「店員もドッキドキだな」
ウエディングドレスの試着。新婚旅行のプラン。大きい部屋へのお引越し。友達からの祝福。
「明日さ、ここの薔薇風呂があるホテルいってみねぇ?」
「薔薇風呂…なにするの」
「入ろうよ。美容に良さそう」
「女子力高すぎ」
「嫁よりな」
「ラクが旦那かぁ~」
利口でユニークな旦那。将来もしっかり見据えてくれるわたしの伴侶。残りの人生を一緒に生きていく人。
満ち足りていた。なにもかも。美しい景色のなかで移りゆく季節を眺めているような、暖かい時間だった。
ここがわたしの、最後の岐路だった。
◇
娯楽施設が高々と立ちそびえる繁華街。
終電を逃した大学生の集団が群れを成すように広がって歩き、道路の真ん中では夜遊びに不慣れなOLがホストのキャッチに引っ掛かり、キャバクラ帰りのサラリーマンが空車のタクシーを捜し、路地裏では酔った男女が絡み合うようにキスをしてる。
そんな夜。
いつもの夜だった。
声が、似てる。
最初にそう思った。
振り返りはしなかった。
隣にはラクがいた。
お互いほどよく酔っていて、薔薇風呂でなにしようかなんて、悪戯っぽく笑って、しあわせな恋人みたいなにじゃれ合いながら。
声がする。
彼女の声に似た、あのこえが。
ラクも、心の中では同じ声を追ってたのでしょう。
自然な素振りできょろっ…と視線を動かした、
そのときでした。
「…えっ、まってまって、うそー!?」
ちょっと高めの甘い声が聞こえて、全身が凍りついた。
数歩あるくだけで10人以上とすれ違うだろう大きな道路の、ちょうど向かい側から歩いてきた女性が、こちらに向かって声をあげた。
背の高いラクが、そちらを向いたままビシリと固まって息を呑んだ。
その途端、急に心臓がドッと狂ったように暴れだして、繋いでいた手を無意識に振りほどきました。
「う、わ…」
こちらに近づいてくる足音を聞きながら、ああこれは因果なのだと思いました。
驚愕は一瞬だけでした。
心の奥底で、何かが息を吹き返したような感覚がありました。ずっと止まっていたものが、もう二度と動かないと諦めたものが。
たったひとりに捧げた心が。
恋が。
「すごーい。これ奇跡の再会じゃん!」
性別を問わず人を魅了する笑顔。
その、表情の作り方。きれいな身体のライン。すらりとした足。白い肌。おおきな瞳。かわいい声。センスの良い衣服。
この世界のなにもかもが彼女を祝福しているような、あたたかい風が吹く、春の夜。
かつて私が、心から愛した人。
心臓が止まったかと錯覚するほどの衝撃でした。
もう二度と会わないと思ってた。もう二度と会えないと思ったから、だから私は、ラクと。
心臓が痛いほど高鳴って、だけど頭の冷静な部分がとっさに彼女の左手の薬指を確認して、マーキングされていない指に安堵して、それからまた、苦しくなる。
寂しさを分け合ったあの指先が、頬を撫でるときの幸福を覚えてる。
懐かしい。千本の針で心臓を囲い、突き立ててゆっくりと伸縮をくりかえすような。死ねない、のに、死ぬほど痛い。そうだ、こういう痛みだった。
怖い。その声を聞くだけで、すべてが昔に巻き戻る。強制的に。この感覚が。とてもこわい。
ゆいはラクに向かって、にこにこと愛想よく笑った後、ゆっくりと視線を流すように私をみました。
「久しぶり。私のこと、わかる?」
彼女だけがいつも世界でただひとりだけ違う色をしている。彼女はどうしてこんなにも、こんなにも美しいのだろう。
◇
彼女と再会した夜はまるで脳に録画してあるのかと疑うくらい、鮮明に鮮明に、覚えてる。
上京して3年目の月日が流れた夜でした。
夜のネオンがきらきらひかるその街を、拠点としていた22歳の春。
どばっと。突然泣き出した私を、ゆいは声をあげて笑い飛ばしました。
「どんだけ酔ってんの?ウケる」
声がでなかった。
どの言葉も適切じゃないと思った。感動のような、懺悔のような、悲鳴のような、祈りのような、そんな泣き声しか出てこなかった。
彼女のなかで私はいま、どんな存在なのだろう。
私はまだ、あなたを過去だと割り切れない。
ゆいも酔ってたのでしょう。
ゆいの連れが「この子どうしたの?」と笑って近づいてきました。ラクは困惑したままゆいと私を交互に見たあと、私を庇うように肩を抱きました。
「ごめん、コイツいますげー酔ってて」
「付き合ってるの?」
無邪気な風を装って、その目には探るような色が垣間見えました。ラクは怯むことなくゆいを見下ろしました。
「入籍した」
「…え?」
「結婚したの、おれら。邪魔しないでね」
押し飛ばすようにゆいにぶつかり、私の腕を引いて早足で歩くラクの顔は真っ青でした。
ラクの気持ちは痛いほどわかってる。
あれだけ好きだと、大切だと伝え合った私が、繋いでいた手を振り解いた。
ゆいに、一瞬で心を奪われた私をみて、どう思ったか。
「ねーーー!!!!」
その場にいた全員が振り返るほどの大声に、私もラクも足を止めて振り返りました。
なにを言うのかと息を呑み、ラクはそんな私をみて強引に腕を掴んで歩かせました。
「私の携帯番号、まだあのままだよー!!」
ゆいの言葉が背中にぶつかる。
わたしに向けての言葉だ。ゆいが、ゆいが言ってる。わたしに。
電話番号は暗記してる。
一生消えない傷のように、脳に擦り込まれてる。
言葉を耳にした瞬間、未来がみえた気がした。いまある幸せをすべて手放してゆいに服従する。仄暗い幸せが。
「…っはやく歩けよ!!!!」
ラクが大きく舌打ちして、大声で私を叱りつけました。
すぅーっと冷めていく心でラクを見上げて、掴まれた腕をただただ「痛いな」と思いました。痛いのは苦手だから放してほしい。私からすれば急激な変化ともとれる感情が、心を支配していきました。
もうだめだ。
理性の利かない部分が、動いた。
心のすべてが、ゆいに向いた。
◇
「おれを選ぶべきだね」
ホテルのベットで、ラクは言いました。
今までに無いくらい長い時間をかけた前戯で、衣服を脱がない彼が全然気乗りしてないことは薄々気がついてた。とにかくそれは男女のセックスだった。あれだけ自由が利かないセックスは初めてだった。玄関で、鏡の前で、ベットの上で。
「ゆいはダメだ。お前たちは一緒にいても傷つけあうよ。ふたりなのに、違う。たぶん、ふたりだから。お前たちは一緒になるとお互いしか見えなくなる。もう忘れろ。義務で通った学校はもうない。距離があれば忘れられる」
わたしにとってラクは、この世界で誰よりも距離の近い理解者でした。
唯一、望めば手に入る存在。
とにかく強引に、一方的に、私がなにかしようと動くたび「気が散るからやめて」と制して、ラクは作業のように私に触りました。
「賭けようよ」
もう終わるというときに、ラクが言いました。最近また痩せこけてきた私の下腹部をそっと撫でるラクの指先に、ぞっと悪寒が走りました。
殺されるのかも。
一瞬だけ、思いました。
「いま何考えてる?」
「おまえのことだよ」
愁いを帯びた瞳で私を見下ろしたラクに、得体の知れない恐怖を感じました。
「最近はいつも、おまえのことだけ考えてる。どうしたら、おれだけのものになるかなーって」
私はセックスの最中、ほとんど声を出さない。
いぬねこが発情したような高い喘ぎ声が少し苦手で、これはきれいな行為じゃないと、戒めのように思ってた。いま思えば、私はセックスが好きじゃないのだろう。
「簡単だね」
大声で抵抗したのは本能でした。
この行為をたくさんの人とするようになってから、セックスは私にとって、コミュニケーションの一種だった。セックスは子を成す行為だという認識が薄かった。
「子供作ろう」
一度も許したことのないそれを、初めて経験しました。
最悪だ。
自分の生理周期と排卵日をとっさに計算して、いちばんリスクの高い日だと割り出したとき、頭が真っ白になりました。
「最っ低!!!!」
大きな声で怒鳴れば、ラクは「そうだねー」と無関心な声で言いながら「もう寝よ」と背中を抱きしめてきました。
「おまえの恋愛がどうしてうまくいかないか、考えたことある?」
同じ布団で寝られない。
隣で眠る体温すら気持ち悪くて、わたしは身体を捩ってラクの腕から抜け出しました。
ラクは構わず続けました。
「なんでもかんでもゆいを基準にしてるんだよ。だから誰とも合わないし、おまえのほうも、合わない相手に必死になれない。誰かに振り回されたり、傷つけられるのが我慢できないんだよな。ゆい相手なら、傷ついてもいいって思えるくせに」
電気を落とす。なにも見えない。明日は朝一でアフターピルをもらいにいこう。
「いままでおまえが選んできたのは黒髪の美人系ばっかりだったけど、おれと別れたら次は茶髪の女と付き合うよ」
「……。」
「さっきみたゆいが茶髪だったから。選べる範囲が広がってよかったなあ。ほんと犬みたい、おまえ。いつまで待ってんの?ゆいは帰ってこないよ。そういうやつじゃん。何度だって捨てられるよ」
話し合いすら億劫でした。
ラクが何を考えているのかわからない。わかりたいとも思わない。失恋じゃない。元々私たちを繋いでいたのは恋じゃない。
わたしたちは、たぶん。
「子供ができたら『ゆい』って名前にしていいよ」
思考が止まりました。
いまこの瞬間、もはや愛情の一欠けらすらない与えられない心が、少しだけざわつきました。
振り向くと、ラクは泣いていました。
「それでも愛せなかったら、血の通った人形を育てると思えばいい。おまえが愛せないぶん、おれが愛情込めて育てるから」
わたしがこの人を捨てたら、彼は一人になる。
「そばにいて」
ごめん。
理解していたのに、次の日わたしは、泣き喚くラクを一人残して産婦人科にいき、アフターピルをもらい、当日入居可能なウィークリーマンションを探し出し、そのまま引っ越しました。
愛よりも恋を求める心を「若かった」と、そう笑い飛ばすことは、まだできない。
◇
電話番号を変えてない、というゆいの言葉の真偽は、正直なところ五分五分だと思ってました。
高校時代の一件を考えるなら弄ばれた可能性も否めない。
どっちだろう。
どうだろう。
昼に一度、携帯から電話をかけました。
コール音は鳴りました。使われてる番号だ。
1コール、2コール…
期待が膨らんで、同時に、嘘だったときの覚悟を固めました。死ぬほどきついだろう。1分にもみたない再会で、言われるがままにすべてを捨てた私はとても滑稽だ。もうラクの元には戻れない。
4,5,6…
ぴた、とコール音が途切れました。全神経を研ぎ澄ましながら、相手の出方を伺いました。
「もしもし?」
ゆい、でした。
聞き間違えるはずもなく、それは正真正銘彼女の声です。わたしがもし犬なら、ぶんぶんと大きく尻尾を振っていたでしょう。それくらい大きな喜びでした。
声がでなくて、第一声なんか頭から吹っ飛んでると
「どうしたの、また泣いてるの?」
と声がして、それをきいた瞬間に泣き出しました。
「ゆいに会いたい」
ぼろぼろと泣きながら必死に懇願しました。
平日の昼間だ。
大学生ならキャンパスにいるし、社会人なら会社にいる。あの高校を卒業した人間は、結婚でも考えない限りほとんどは院まで進む。あるいは起業してる可能性も否めない。
ゆいはどれだろう。どんな未来を歩いてるのだろう。いまどこにいるんだろう。会いたいと望んで会える距離なら、わたしはどこにだって飛んでいく。
「んー。いーよぉ」
メモを取る暇もなく伝えられた住所を刻み込むように暗記して、化粧もせず財布と携帯だけをもって、ゆいのもとへと向かいました。
◇
すごいな。
純粋にそう思った。
この感覚はなんなのだろう。
黒を白と呼ぶゆいの言葉を聞けば、色彩は覆る。
ゆいが歩いた道が輝く。ゆいが笑うと光が満ちる。ゆいが厭うものを消してあげよう。ゆいが欲しがるものを捧げよう。
ゆいが。
ゆいが、ゆいが、ゆいが。
アナタに捧げる気持ちを恋と呼ぶ。
それがときどき、なんだか、とてもこわくて。
愛は芽生えるものだけど、恋はきっと、他人から学ぶものなのだ。だから定義が曖昧で不確かで危うい。教える相手によって学び方も異なるから。
恋を私に教えたのはゆいだ。彼女の為に発生した感情を、彼女以外のだれかに注ごうとしたところで適合するわけがない。
だいすき。心から。
こんなにも深く、深く。
「相変わらず馬鹿だねぇ。こんなに簡単に信じたら、いつか騙されるよ」
そんなの構わない。
人間としての尊厳も、権利も、あなたが欲しいというならいくらだって捧げる。
操って。昔みたいに。必要として。騙されてもいい。本当か嘘かなんでどうでもいい。
あなたの言葉をすべて肯定してあげたい。それであなたが満足するなら。あなたの声が聞けるなら。
顔を覆って泣く私を、先に抱きしめたのはゆいでした。
「あれ、ちょっと太った?食べることに興味無さそうだったのに、やっぱ人って変わるんだねぇ」
背中に回された腕に、声が出ないほど歓喜しました。
なにひとつ、だれひとり、許せなかった、心の柔らかい部分が、ゆいの鼓動を聞いて悦んでる。
ここが私のあるべき場所だと、この人だけが欲しいのだと、必死で、必死で叫んでる。
怖かった。
愛と呼んでる今はまだいい。膨大なこの気持ちが、いつか何かに変わってしまったら。
彼女を傷つけるなにかに。
ゆいとの再会は、また少しずつわたしを、ゆっくりと変えていきました。
ユキさん「16さんがらぎさんの名前を叫ぶ発作を起こしてました」
ラギ「そうだ、ツイッターしよう」
そんなわけでtwitterを始めることにしました。※昨晩の出来事
@ikebukuro_ragi
そういえば浅倉さんは私がいなくても呟きやRTをしてるのだろうか。思想系の呟きを投下すると光の速さでRTされて遠回しに絡まれた日々が懐かしい。元気にお過ごしだろうか。
と、思ったので久々に連絡してみました。
ラインは便利ですね!
コミュニケーションツールを挟まない今、私の会話力がどれほど通用するでしょうか。一抹の不安を抱えつつ、とりあえず無難な雑談から。
ラギ「花粉症がひどいです。浅倉さんは花粉症とか大丈夫ですか?」
浅倉さん「むしろ沖縄に杉が生えているのかどうか怪しいです」
話題のチョイスしくったー
ラギ「沖縄ってヤシの木しかないんですよね!ごめんなさい!私が住んでる日本国には四季というものがありまして!これ、このあいだ山に登ったときの写真です」
ラギ「あっ。この白いの『雪』って言うんですけど」
浅倉さん「ええ~!すごーい!!白いお花じゃなぃんですかぁ~???^^」
いつか琉球王国にお住まいの浅倉さんに会いに行きたいです。
沖縄の入国審査はどれくらい厳しいのでしょうか。オーバーステイにうるさいイメージなのですが実際のところはどうなのでしょう。教えてください浅倉さん。(not沖縄アンチ)
twitter断ちすると今まで絡んでいた人の近状がみえなくて不便です。というか寂しい。twitterを退会してから「16さん今何してるんだろう」と10回は思いました。のち5回はアカウントに飛びました。そして鍵付きに阻まれて絶望するスパイラル。※学ばない
私はSNSに依存する傾向は無いのですが、どうにも情報に疎くなりトレンドの話題に喰いつけないことしばしば。乙/武さんが5股かけてたってマジですか。googleで「乙武さん」って検索すると、関連で「どうやって」とか「性行為」とか出てくるんですけど国民自重。
芸能人の不倫。政治家の不倫。タレントの不倫。
不祥事に食いつく国民性は嫌いです。己が受けた誹謗中傷には過剰なほど敏感で、人に投げつけた石を「みんなもやってる事だから」と笑い流すのはいかがなものか。
落ちたものを一斉に突くのはやめなさい。
カラスじゃないんだから。
そもそも「人間」をトレンド扱いする重さをもっと深く考えるべきです。
蛇足さん美人女子高生と付き合ってんの羨ましすぎる!!!!台無し
年齢差を際立たせるためか、メディアが異様に『蛇足(38)』をプッシュするのが目に付きますが、私的に美少女(18)のほうが羨ましいです。私が38歳になっても18歳の子と戯れたい。あわよくばちやほやしたい。18歳をちやほやしたい。
そういえば退院した直後にノリで登山したら傷口が開いて大変でした。
でも景色は綺麗でした。
ドクター「しばらく運動は禁止するように言いましたよね?」
ラギ「まさか登山が運動に含まれるとは思ってなくて…」
厳重注意されました。
Y管理人「スポーツも登山もセックスも禁止とか、おまえ何のために無職なん?」
まさか存在意義を問われるとは。
Y管理人「仕方ないし海外旅行するか」
ラギ「そーですねぇ」
そんな流れでベトナム行きました。
ベトナムでバックをスられ化粧品一式が無くなり、一日中マスクつけっぱなしで行動したのはいい思い出です。もう二度と行かない。
そのあと『グアムかハワイどっちかに別荘買おう』という話になり、じゃあ下見しに行くかということで両方行って来ました。
私はグアムの雰囲気が好きなのでグアムに別荘が欲しかったのですが、Y管理人はハワイ押しでした。こういうところに金銭感覚の違いが出るのですよ!このブルジョアめ!
Y管理人「グアムなんて沖縄と似たり寄ったりやんか。高校生の文化祭で拵えた飯みたいなんがホテルで出てくるのがありえん。ハワイにしよや」
ラギ「ワイハーは高すぎ論外」
Y管理人「1000万カンパしたる」
ラギ「えっマジ??やったー!!!」
ということでワイハーに別荘買うことにしました。(※ただしコンドニアム)
生活費を削る勢いで貯金が消えますが、共同資産ですから万が一に私が傾いてもY管理人が立て直してくれるって信じてます。本当に信じてる。本当に。
途中まで海外旅行をエンジョイしてたのですが、そういえば今年も花見したいなと突然思い立ったので、日本にいる方々へ「桜咲いてますかー?」と聞いてみました。
なつめさん「咲き始めですよー!」
魚春さん「まだそんなに咲いてませんが桜が綺麗な時期って一瞬なんで早めに帰国されたほうがよろしいかと」
陸さん「東京は来週くらいでしょうか…」
ひつじさん「もうちょっとで咲くかなってくらいです」
ユキさん「ようやく桜が咲き始めたくらいです」
もちゃ「今年は桜見てない」
もちゃだけ発言がおかしい
とりあえず満開期を逃すのは避けたかったので緊急帰国。日本の桜をみにいきました。
咲いてるっちゃ咲いてる程度でした。
花見でY管理人と別々になり(Yは外資の人たちと花見に行った)、再度合流したら妙にテンションがあがってしまい、そのまま徳島に行ってきました。
渦潮~。
就職前にめいっぱい遊ぶことができて良かったです。
4月から新入社員として新しい一歩を踏み出すのでしばらく行方を眩ましますが、
5月19日が誕生日なので祝ってやってください。
4月からY管理人は海外で働き、後輩ちゃんも新人研修で忙しくなり、友人達は結婚し始めて、今年の誕生日は独りきりなんです!祝って!ください!おめでとうと!言ってくださ…!(切実)
それはそうと、忍者ブログに写真をアップロードすると記事が重くなりタイピングと文字にズレが生じるのは果たして私のPCが悪いのか忍者ブログの性能の問題なのか。
とりあえず古い記事から写真を収納します~。
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暇なので手術する以前の話を思いついた順に書きます。
深夜0時。
高校時代の友達から着信がありました。
男友達『久しぶり!いきなりだけど明日スノボー行くよ!』
ラギ「ちょっと意味がわからないです」
以上、2年振りの会話です。
電話の第一声がおかしい。スノボーってなんだ。雪の上滑るやつか。あれ私スノボー好きとか言ったっけ?言ってないよね?てか明日って急すぎないか?私おまえとそんな親密な関係だったっけ?
男友達『休日だし空いてるだろ?空いてるよな?空いてなくても空けるよな?じゃあ、4時間後に家まで迎えに行くから住所送っといて』
ラギ「ちょっと待って。おかしいおかしい。明日って明日じゃないの?4時間後ってもはや今日じゃん」
男友達『あははははっ、話の呑みこみ悪ィな。オレいま飲んでるから眠いんだわ。明日の運転で事故りたくなければ寝かせろ』
…と、いう流れで
スノボー行って来ましたぁぁぁぁぁ
早朝4時。
くそねみ。
男友達曰く『まさか来るとは思わなかった(※後日談)』らしいです。
自由レベルがカンストしたY管理人と共に暮らしてる私のバイタリティは凄いぞ。
そして後輩のおんぷも強制召還。
ラインにて↓
ラギ:でんわ でろ 【既読】
おんぷ:ちょwwwこわwwww
起きていることを確認。
即電話。
ラギ「なんかさ、私の友達で頭おかしいやついるんだけどさぁ」
おんぷ『だいたい把握してますwww』
ラギ「そいつがスノボ行こうって。今日」
おんぷ『ふぁぁあwwwいってらっしゃいませwww』
ラギ「ワタシ、イク。オマエ、クル。」
おんぷ『二次災害wwwwww』
ちなみに今日の早朝4時だよって言ったら爆笑されました。
ラギ「とりあえず何も持たないでいいわ。現地で借りると思う。金も連れが出す(たぶん)」
おんぷ『ひぇwww了解wwwしましたwwww』
物分りの良い後輩です。
ちなみに、おんぷと男友達は初対面です。
(いわゆる友達の友達というやつ)
4時間後↓
男友達「あ、おはようございます?…え、だれ……まあいいか。荷物後ろ入れて~」
おんぷ「はーいwww」
難なく合流。
現状をさらりと流す友達も友達なら、早くも場に適応してるおんぷもおんぷです。そして運転手は知らない人でした。え、だれこのひと。
お互い自己紹介もしないまま車は発進。それでいいのか。
ラギ「てかどこいくの?」
運転手「え、なに。おまえ行き先も言ってないの?」
男友達「おー」
おんぷ「わたしも聞いてないです~」
運転手「新潟だよ」
ラギ「え???」
運転手「新潟」
まじかよ
東京から新潟?
4時間はかかるじゃん。
案の定、暇になる車内。そりゃそうだよ。寄せ集めだもん。共通の話題がないもの。というか名前すら知らないもの。
ひまだー
ひまひまひまー
まーひー!まーーーひーーー!!!
ラギ「おんぷ~」
おんぷ「はーい」
ラギ「こっち向け~」
おんぷ「? はーい?」
写メ大会
ほかにすること無いしね。しばらく写真を撮りながら遊び、10時を越えたところで新潟に到着。雪だー!
ラギ「みてごらんおんぷ。あれがエベレストだよ」
おんぷ「わぁぁ~、初めてみましたぁ!」
男友達「この子アホの子なの?」
スノボー用品は一式レンタルしました。(※男友達持ち)
ラギ「おんぷ、なに作ってんの?」
おんぷ「ベイマックスです」
おんぷ作のベイマックスは、池袋ラギの好奇心と悪意によって惨殺されました。
そんな楽しい日常を過ごした後、夜は後輩ちゃんとお食事。
後輩ちゃん「ラギさん足に青タンできてますけど恋人からDV受けてます?」
ほんと信用無いね私。
私の恋人は後輩ちゃんただ一人だよ!
オンリーワン!オンリーユー!
ラギ「だから一緒に住もうって」
後輩ちゃん「だから嫌ですって」
最近この攻防戦ばかりです。
まぁいいや。いつか素直になるでしょう。気長に待ちます。
この話とは別に、岡山からナガトさんが遊びに来てくれましたー!
パレットタウンの大観覧車と、フジテレビ25階の暗殺教室フェアと、世界一に認定されたという多摩六都科学館のプラネタリウムです。
夜は銀座の串揚げで優雅にディナー。
1年前くらいにハマッた行きつけの店だったのですが、そこにいたボーイ君がいなくなってて時間の流れを感じました。まぁ、顔覚えられたから行かなくなったんですけど。
色んな彼女を連れていくたび悪意の無い笑顔で「いつもありがとうございます」と言われ彼女から「普段は誰と来るの?」って聞かれるこの一連の流れが超絶面倒でした。
女の子はパンドラの箱を開けたがる生き物ですね。
かわいいね。
ナガトさんに会う前日に鳥取にいた私は、ほぼ寝ない状態のままナガトさんと合流。
電車でうとうと。
ラギ「東京テレポート…で、降りたい…」
ナガトさん「おう…」←長旅でうとうと
目が覚めたら横浜でした。
そのあとまた臨海線に乗り大崎まで戻ってまた寝過ごすという、なんだか良く分からない負のジレンマに陥り、「これが大崎ダンジョンか」と2人して大崎を怖がりました。
全部楽しかったです。
ノシ
暇なので手術する以前の話を思いついた順に書きます。
深夜0時。
高校時代の友達から着信がありました。
男友達『久しぶり!いきなりだけど明日スノボー行くよ!』
ラギ「ちょっと意味がわからないです」
以上、2年振りの会話です。
電話の第一声がおかしい。スノボーってなんだ。雪の上滑るやつか。あれ私スノボー好きとか言ったっけ?言ってないよね?てか明日って急すぎないか?私おまえとそんな親密な関係だったっけ?
男友達『休日だし空いてるだろ?空いてるよな?空いてなくても空けるよな?じゃあ、4時間後に家まで迎えに行くから住所送っといて』
ラギ「ちょっと待って。おかしいおかしい。明日って明日じゃないの?4時間後ってもはや今日じゃん」
男友達『あははははっ、話の呑みこみ悪ィな。オレいま飲んでるから眠いんだわ。明日の運転で事故りたくなければ寝かせろ』
…と、いう流れで
スノボー行って来ましたぁぁぁぁぁ
早朝4時。
くそねみ。
男友達曰く『まさか来るとは思わなかった(※後日談)』らしいです。
自由レベルがカンストしたY管理人と共に暮らしてる私のバイタリティは凄いぞ。
そして後輩のおんぷも強制召還。
ラインにて↓
ラギ:でんわ でろ 【既読】
おんぷ:ちょwwwこわwwww
起きていることを確認。
即電話。
ラギ「なんかさ、私の友達で頭おかしいやついるんだけどさぁ」
おんぷ『だいたい把握してますwww』
ラギ「そいつがスノボ行こうって。今日」
おんぷ『ふぁぁあwwwいってらっしゃいませwww』
ラギ「ワタシ、イク。オマエ、クル。」
おんぷ『二次災害wwwwww』
ちなみに今日の早朝4時だよって言ったら爆笑されました。
ラギ「とりあえず何も持たないでいいわ。現地で借りると思う。金も連れが出す(たぶん)」
おんぷ『ひぇwww了解wwwしましたwwww』
物分りの良い後輩です。
ちなみに、おんぷと男友達は初対面です。
(いわゆる友達の友達というやつ)
4時間後↓
男友達「あ、おはようございます?…え、だれ……まあいいか。荷物後ろ入れて~」
おんぷ「はーいwww」
難なく合流。
現状をさらりと流す友達も友達なら、早くも場に適応してるおんぷもおんぷです。そして運転手は知らない人でした。え、だれこのひと。
お互い自己紹介もしないまま車は発進。それでいいのか。
ラギ「てかどこいくの?」
運転手「え、なに。おまえ行き先も言ってないの?」
男友達「おー」
おんぷ「わたしも聞いてないです~」
運転手「新潟だよ」
ラギ「え???」
運転手「新潟」
まじかよ
東京から新潟?
4時間はかかるじゃん。
案の定、暇になる車内。そりゃそうだよ。寄せ集めだもん。共通の話題がないもの。というか名前すら知らないもの。
ひまだー
ひまひまひまー
まーひー!まーーーひーーー!!!
ラギ「おんぷ~」
おんぷ「はーい」
ラギ「こっち向け~」
おんぷ「? はーい?」
写メ大会
ほかにすること無いしね。しばらく写真を撮りながら遊び、10時を越えたところで新潟に到着。雪だー!
ラギ「みてごらんおんぷ。あれがエベレストだよ」
おんぷ「わぁぁ~、初めてみましたぁ!」
男友達「この子アホの子なの?」
スノボー用品は一式レンタルしました。(※男友達持ち)
ラギ「おんぷ、なに作ってんの?」
おんぷ「ベイマックスです」
おんぷ作のベイマックスは、池袋ラギの好奇心と悪意によって惨殺されました。
そんな楽しい日常を過ごした後、夜は後輩ちゃんとお食事。
後輩ちゃん「ラギさん足に青タンできてますけど恋人からDV受けてます?」
ほんと信用無いね私。
私の恋人は後輩ちゃんただ一人だよ!
オンリーワン!オンリーユー!
ラギ「だから一緒に住もうって」
後輩ちゃん「だから嫌ですって」
最近この攻防戦ばかりです。
まぁいいや。いつか素直になるでしょう。気長に待ちます。
この話とは別に、岡山からナガトさんが遊びに来てくれましたー!
パレットタウンの大観覧車と、フジテレビ25階の暗殺教室フェアと、世界一に認定されたという多摩六都科学館のプラネタリウムです。
夜は銀座の串揚げで優雅にディナー。
1年前くらいにハマッた行きつけの店だったのですが、そこにいたボーイ君がいなくなってて時間の流れを感じました。まぁ、顔覚えられたから行かなくなったんですけど。
色んな彼女を連れていくたび悪意の無い笑顔で「いつもありがとうございます」と言われ彼女から「普段は誰と来るの?」って聞かれるこの一連の流れが超絶面倒でした。
女の子はパンドラの箱を開けたがる生き物ですね。
かわいいね。
ナガトさんに会う前日に鳥取にいた私は、ほぼ寝ない状態のままナガトさんと合流。
電車でうとうと。
ラギ「東京テレポート…で、降りたい…」
ナガトさん「おう…」←長旅でうとうと
目が覚めたら横浜でした。
そのあとまた臨海線に乗り大崎まで戻ってまた寝過ごすという、なんだか良く分からない負のジレンマに陥り、「これが大崎ダンジョンか」と2人して大崎を怖がりました。
全部楽しかったです。
ノシ
実は某広告会社に再就職が決まりました。
私が再就職を決めたのは、癌と診断された翌日です。手術の前で、まだどういう結果になるかもわからない常態での決断でした。
短い命だから人生を全うすることができなかったと、そんな愚痴を言う人間にはなりたくない。誰よりも長く生きることより、誰よりも質の高い人生を歩むこと。
それが私の「生きるという選択」です。
つまり金ですよ。
私は誰よりも贅沢して、誰よりもストレスなく、誰よりも自由に、誰よりも楽しく、誰もが羨む人生を送りたいのです。送るのです。
『分相応』って言葉が何より好き。
私は上に立ちたい。
Y管理人の『いずれ出すならしまわない』スタイルがいまだに受け入れられません。
「おまえが帰ってこないから部屋が汚い」という可愛いメッセージと写真を受けて微笑ましく思っていたのですが、いい加減こたつをしまええええええ
ラギ「まだしまってないの!?」
Y管理人「だってまた冬が来るし」
冬終わったばっかりだよ!
せっかく日本には四季折々の楽しみ方があるというのに、涼しげに鳴る風鈴の真下にこたつがあったら台無しでしょう!粉雪舞う白銀の世界を眺めながら扇風機が視界に入ったら目障りでしょう!
ラギ「出せばいいってもんじゃないの!セックスだってそうでしょう!しごいて出すだけなら一人でやればいいんです!雰囲気やムードが大切なんです!惚れて誉めて口説いて落とす!すべての過程がセックスなんです!」
Y管理人「はいはい」
ラギ「あなたっていつもそう!スーパーで買った惣菜は皿に移さないし、ラックスの詰め替えボトルにTSUBAKI入れるし、私のスリッパ平気で履くし!!」
Y管理人「なにが悪いねん」
ラギ「全部悪いの!!!」
私は元気です。
ただ、咳き込んだり大声だしたりすると風穴がおっぴらきそうになります。
\ご開帳!!/
いたいよぉ。
やっぱり人体を切って弄って縫ってをしただけあります。くっそ痛いです。まずかがめない。屈伸運動キツイです。痛いので動かないという暴挙にでた私は立派な運動不足です。股関節がギシギシいいます。いたいよぉ。
ブログへのコメント・pixivからのメッセージ、本当にありがとうございます。
小説更新が遅いため『執筆再開の目処はありますか~?』というご連絡を頂くことがしばしあり、生存確認できる場になればと思い勢いで立ち上げた日記ですが、実際に読んで下さる方がいらっしゃるとドキドキします。
とくに忍者ブログではコメントが届くと携帯にお知らせメールが届くので、毎回、ほぼコメントがつくと同時に読んでいました。
生きてるって素晴らしい!
あたもんさん、櫻井さん、露香さん、イスカさん、うめさん、ゆららさん、小春さん、水城さん、Lightさん、跳さん、ひととととさん、秋月さん、Kitaさん
また、応援してくださった皆様、本当に本当にありがとうございました。
とりあえず《オペ~手術終わり》という人生の最大の山場を5分で読める程度に書きます。
闘病ブログにはしたくないので、ちゃちゃっとね。
ちゃちゃちゃ~。
オペ室に入り全身麻酔を投与されたとき医者に「あなたを応援してくれる人の名前を声に出してください」と言われました。
あのときは直前までみていたpixivのメールとラインを思い出しながら「…櫻井さん……ユキさん…浅倉さ……いや浅倉さんは…どうだろう……」とぼそぼそ呟き、我ながらリア友ひとりもいないわと感慨深い気持ちになりました。
医者が笑いながら「浅倉さんも応援してくれてますよ」と言ってきたのが面白かったです。
最後は「16さん……ぅぁ…」と言って意識を飛ばしたことを鮮明に覚えています。どんだけ16さん好きなんだろう。
手術が終わり、HCUに移されました。
最初は寝て起きてのくり返し。次に歩行訓練をするも痛すぎて歩けない。どこが痛いか聞かれたのですが、もう全部痛いよって気分でした。そのあとの検査で切り口が化膿してることが判明。なのに実施される歩行訓練。鬼か。
ナース「あと一周!頑張りましょう!」
ラギ「うう……ナースさん…」
専属(?)らしきナースさんが可愛かったので頑張りました。
数日後。
手術を担当してくれた年配のドクターが異様なほど見舞いに来てくれるので、つい心配になって「なんでそんなに見舞いに来るんだ私死ぬのか」と本気で心配になりましたが、ドクター曰く、自分が担当した癌患者のなかで私がいちばん最年少らしい。
ドクター「池袋さんは腸が長くてびっくりしましたよぉ。女性で腸が長い人って珍しいんだよぉ~」
わりと会話力もコミュ力もあるほうだと自負してるのですが、ここまでマニアックな会話はしたことないので怯みました。
なんて返答すればいいんだよ…
腸だけに超長いデショ☆とか?
タスケテ
しばらく雑談らしき話をした後、たぶんここからが本題なのであろう話を持ち出してきました。
ドクター「お父さんは忙しい人?」
ラギ「どうでしょう。まぁ暇でも来ないと思います。再婚したらしいので。新しい妻に夢中で私なんか見えないんじゃないですかね」
ドクター「そう…」
どうやら、父が健在にも関わらず、病院に一度も顔をださなかったことが気がかりだったようです。手術の立会い人も、病状を聞きに来る親族もいない私をどう思ってるか、雰囲気で伝わってきました。
ラギ「父には癌になったことを話してます。墓が必要なら自分で買っとけと言われました。私は祖母に絶縁されていて、池袋家の墓には入れませんから。いつ死ぬにしてもどのみち墓は自分で買うつもりだったので、これを機に考えてみようかと」
言えば言うほど、父が酷い人のように聞こえてきてムズムズしました。
情は無いけど金はかけてもらったし、『娘が死ぬかもしれない病気に罹っても会いに来ない父』っていうだけで、別に悪い人じゃない。
父としては微妙だけど人としては成功してるひとだし、自分の病状くらい自分で受け止めろ、という父の言うことは間違ってない。
という事を一言で説明できる言葉がほしい。
家族というコミュニティは金=愛ですよ。
下手にヒステリックな親をもったり日常生活もままならないほど貧乏だったりするより、よっぽど恵まれていると思ってます。情も欲しい金も欲しいなんて我侭はいいません。実家が金持ちだったので愛は諦めてます。
なのにこのドクターはそういうことがいまいちピンとこないらしく、私に道徳を説いてくるので少し苦手です。
他人は切ったり繋がったりする世の中なのに、なんで家族の縁を諦めてるって話になると人格疑われるんだろう。産まれてすぐの、いちばん最初のコミュニティ(家族)を守れなかったとしても、二番三番に作った自分が生きやすいコミュニティ(友達)で成功すれば、それでいいんじゃないか。
人が定めた基準って苦手だ。
ラインからはみ出すと攻撃される日本が苦手。
Y管理人「やろ?世間の常識なんて面倒なだけやねん。だから四季に合わせてコタツしまおうなんて野暮なこと言うなや」
ラギ「そこは譲れない」
なんでやねんって言われました。
こっちこそなんでやねんだよ!はよしまえ!!
ノシ
わたしにはいわゆる『三大不信』というものがあります。読んで字の如く「絶対に信じない3つの言葉」です。
1、おまえだけ
2、先っちょだけ
3、倍にして返す
特に3番は要注意です。
最近では医者の「ストレスですねぇ」も、このランキングに喰いこむ勢いで不信度爆上げ中です。不信か過信かの二択でしか生きられない私に、だれかベストな生き方を教えてください。
手術、無事成功しましたー!
ちなみに…
転移も無し!
いや~、実はこれが一番不安だったんですけど、異常が無くてよかったです。
お騒がせ致しました。
もとより死ぬ気はなかったので、ルーズリーフに『わたしが死んだら池袋に古墳を立ててください。希望は前方後円墳です』と書いた遺書をY管理人に渡して
「わたしが死んだら後輩ちゃんにこれを…」
と託したら、なんとも神妙な顔で「任せろ」と言われたのがいちばん面白かったです。
手術当日はY管理人から電話をもらいました。
Y管理人『よぅ。死んだか?』
ラギ「気が早い、気が早いww」
なんて不謹慎な人なんだろう。
とりあえず、だらだらと意味もなく話して通話を終えました。わりと面白い話もあった気がするのですが、緊張していたのか全然覚えていません。
いつもはブログのネタにしようと必死に書き留めるのに、もったいないことをしました。意識しないで喋ると右から左へ筒抜けるので怖いです。
そんなこんなで腸内洗浄からの麻酔。
数日前から、どうにも胃が痛かったため「胃も痛いんですけど~」と事前に医者に話したところ「転移してる可能性がありますね」と言われてダブルショックでした。
でも、なんともなかったです。
ちょっと赤いところがあったらしいけど。
軽度発赤らしいです。
それはなにより。
長年の付き合いがあるナガトさんとY管理人は「手術に立ち会う」と言ってくれたのですが、もしも心が折れたとき、自分がどうなるか予測がつかなかったので、丁重にお断りさせて頂きました。
そして、結果の成功。
腫瘍は全部、摘出できました。
わたしが知らぬところで、同居人のYに向かって医者が「玄米食うといいよ」と軽率に助言したらしく、それを鵜呑みにしたYが農薬と化学肥料を使っていないクッソ高級な玄米を買っぽいです。当分は玄米縛りの生活になりそうです。
以下、不思議な出来事の話。
術中、先生の夢をみました。
塾の教室にいました。わたしがいつもの場所に着席して、先生が教卓の前の椅子に腰かけて。
色んな事を話した気がするのですが、なにを話したか覚えてません。でも沢山の話をした気がする。座っていたのにいつの間にか立ってたり、飲んでいた水からコーヒーの匂いを感じたり、自分が着ている服がみえたり。とにかくぶつ切りの夢、って感じでした。
手術する直前まで、先生の手紙を読んでいたから、先生の夢をみたのかもしれません。
たくさん話した気がするのですが、内容をあまり覚えていなくて、唯一ぼんやりと覚えてる会話を書き起こしておきます。
先生「死にたいくらいの痛みなら、いっそ迎えにきてあげます」
ラギ「でも、みんな私に『生きろ』って」
先生「死を悲しんでくれる人は必ずいます。でも、あなたの人生を背負ってくれる人は、どこにもいません。あなたが本当に疲れたときは私が殺してあげます」
こんな感じの会話をしました。
ほんとうにほぼ覚えてなくて、雰囲気とニュアンスを思い出して想像しながら書いてるので、8割半わたしの妄想ですが。
夢は願望って言いますね。
先生に言わせたあの言葉は、もしかしたら私の願望なのかもしれません。
起きたらY管理人がいて、『なんて言うた?』と聞いてきました。
ラギ「…うお…びびった」
Y管理人「なんか言うたでおまえ。結構はっきりした声で」
わたしも、自分の声で起きました。
確かに言った。
そのあと、先生と夢で会ったことをYにベラベラと語って、またすぐに寝て、次起きたときYからこの話を聞きました。
Yが語る先生の喋り口調は、完全に先生のものでした。
一人称とか。
私に敬語使うところとか。
Y管理人「これ終わったら、精神科いこな」
わりとガチなトーンで、私が頷くまでYはしつこく食い下がりました。
彼女は私の情緒不安定さを『過去のトラウマ』だと思い、精神科にいけと強く押してきますが、正直気乗りはしません。ですがまぁ、それで彼女が安心するなら行ってみようと思います。金はYが全負担してくれるらしい。かっこいいね。
Y管理人「うちが殺したる」
ラギ「はぁ?」
Y管理人「死にたくなったらうちに言え。殺したる。つかおまえ、人生背負ってもらわな生きていけんほど弱ないやろ。先生が知ってんのは、うちと出会う前のおまえや」
ここで怒るYは、優しい人なんだと思います。
確かに、この人に出会って強くなった気がする。世界の楽しみ方を覚えたというか、生き方一つで人が変われることを知ったというか。
携帯をみるとラインが届いてました。
十都さん:テスト中で貫徹したJKが通ります
私のラインにえらいかわいい生き物が通りかかった件について。
続き↓
十都さん:16さんがラギさんのことを呟いてました!!
おおおお…と思い、とりあえず、まともに思考回路が回るようになったら返信しようと保留。
そしてもう一件。ユキさんから。
ユキさん:16さんがラギさんのことを呟いてました!!
同じ内容でした。
ツイッターをやっていたとき、私が異様なまでに16さんに執着していたことから『ラギさんに16さんの話題を振ると喜ぶ!』みたいな暗黙の了解ができています。否めない。
あと、ナガトさんからメッセージが届いてて胸が熱くなりました。
浅倉さん:手術成功、おめでとうございます。まかり間違っても傷口開けるようなことしちゃだめですよ。スノボ納めとか。アトランティス探しとか
ラギ:ありがとうございます。やだな、アトランティス探しなんて古いですよ。時代はラピュタです
みんな色んな形で祝ってくれました。
pixivからもメッセージを頂いたりして、本当に本当に嬉しかったです。
とりあえず、近況報告までに。
というか、いままで知らなかったのですが、病室ってウェブサイト開くのもラインするのもOKなんですね。小型のPCも使えるらしいです。忍者ブログを携帯で更新すると赤文字や大文字がいちいち面倒なので、できればPCで更新したい所存。
もし記事から赤文字や大文字が消えたら、「諦めたのだな」と察してください。(小声)
ただいまです。
なんだかんだしぶとく生きてます。
ノシ
体が慣れたのか、比較的らくに腸内洗浄を終えました。
万が一だけど、余命宣告とか受けたらショック大きいだろうな。
確率は低いですが、の前置きは、2年前の手術でも聞いた。確率は低いですが再発の恐れがありますって。1度目で見事に引き当てたので、今回は遠慮したいところです。
美人薄命など不公平です。
それならわたしよりY管理人のほうが綺麗なので、もし死神がわたしの真後ろにいるのなら、どうぞあちらの首から落としてください。
あっちの水は甘いぞ~。
でもアイツなら死神すら従えそう。
ちょっとおもしろい。
やりたいことがたくさんあるな。
会いたい人がたくさんいる。
まだ死ねない。
先生からもらった手紙を持っていきます。
いつも、しんどいときばかり読み返してすみません。今度は楽しいときにも読みます。
見守っていてください。
今年は大切な人たちを連れて、岩手に帰ろう。
わたしが生まれた町に連れていきたい。わたしが過ごした季節を、先生という存在を、伝えたい。
岩手で「じぇじぇじぇ」は使わないよと冗談混じりに話したい。
手術の予定時刻は10時30分です。
頑張ってきます。
後輩ちゃんが男に告白されたってよ!!
なんてこったい!
しかも本人からはまったくそんな話聞いてないからね!元上司の萩原からきいたよ!
萩原「そういえば最近、おまえの後輩ちゃんモテモテよ~」
ラギ「え”???」
話を聞けば管理部の男だとか。
高給取りじゃないですか。
ふぅん。あっそー。へぇ。
ラギ「さすがわたしの後輩ちゃん」
萩原「おっ、余裕だねぇ~」
このときはまだ余裕でした。なんせ管理部は8割おっさんで構成された、いわばおっさんWORLDなのです。いくら金持ってるからって、後輩ちゃんがおっさんになびくわけがない。
ラギ「ちなみにどのおっさんですか?管理部はなんとなくわかります」
萩原「いや、てかおっさんじぇねぇーぞ」
ラギ「え”???」
萩原「おまえも知ってるだろ、あの背ぇ高いの。前にTCGにいたやつ」
普通に若手社員でした。(打撃)
うちの事業局はレーベルごとに編集部が異なるのですが、そのなかでも『何系でもない編集部』と呼ばれるごみ処理部隊 精鋭なチームがありまして、そこの編集が親睦会と称した飲み会で、その男が後輩ちゃんに接触を図ったのだとかなんだとか。
なんで編集の飲み会に管理部が顔だすんだよッ!(おこ)
萩原「つかおまえも飲み会参加したじゃん」
ラギ「え、まさか」
萩原「いや、してたしてた。おまえかなり酔ってて、おれが話しかけたら『陸さんにリプなう~』とか言ってツイッター開いてたぞ」
あ の と き か
うわああああすげー記憶ある…。
陸さんと納豆ごはんの話をした記憶ある…。
あのときかああああ
わたしあのときはもう退職決めてたから、周囲にも全然気遣いせずに黙々と食ってたわああああチキンうまかったわああああ
ラギ「てか萩原さんなんで後輩ちゃんがソイツに告白されたって知ってるの…」
萩原「うちの部署に噂好きなヤツいるだろ?」
ラギ「あ…(察し)」
うちは数年前に大規模な合併をしていて、それに応じてセカンドキャリアのための選抜試験があったのですが(要するに足切り)、そのとき見事生き残った若手だそうです。年齢も手頃でした。結婚向けという意味で。
萩原「しかも、直接聞いたら認めたし」
ラギ「は!!!???」
萩原「超絶冷めた目で『セクハラですよ』って言われたわ~」
ただの噂話じゃないの!?
えっ、後輩ちゃん認めたの!?
は!?
ラギ「若くて大手勤務の高給取りで後輩ちゃんより学歴が高い男前…は…?漫画でいうところの主人公じゃん…ヒロインとくっつくやつじゃん…」
萩原「そんなヒロインの恋人が、無職で、他の女と暮らしてて、浮気性で自由奔放の、ヒモ気質な年下…」
わたし当て馬じゃん!!
なんでだ。後輩ちゃんの正妻であるはずの私が、なぜモブキャラみたいなポジションにいるのか。なぜモブである管理部の男はそんなにもハイスペックなのか。
萩原はケラケラ笑ってました。この野郎ひとごとだと思いやがって…!
萩原にとってはなんて事はない噂話ですが、わたしにとっちゃ修羅場一歩手前の大惨事です。
こういう言い方すると超絶最低人間に聞こえるかもしれませんが、自分がフラれる可能性なんて考えたこともなかった。(真顔)
だって後輩ちゃんこの間も
後輩ちゃん「そういえば、職場でうっかりアナタの写真を待ち受けにしてるのを見られて、『それグラビア?』って聞かれました。くっそ笑いました」
ってノロケてたのに!
遠まわしに「職場でもアナタのこと考えてますよ」ってアピールしてたじゃん!あの愛の言葉はなんだったの!
※ちなみにこの写真
ラギちょっと意味がわからない!!!
恋人の心が見えない!!!
そんな疑心暗鬼を抱えて帰宅。もやもやしながら風呂に入り、もやもやしながら明日のバレエのシューズを用意して、もやもやしながら目覚ましをセットして、もやもやしたまま就寝の支度をする。もやもやしててもやるべき事はやる。
しかし、もやもやした気持ちを次の日に持ち越したくないので、後輩ちゃんにラインを送る。
ラギ:聞いてアロエリーナ【既読】
ラギ:ちょっと言いにくいんだーけど【既読】
後輩:送り先間違えてます
あってるよばか!
アロエリーナなんて女友達いないよ!
とか思ってるうちに追撃ライン。
後輩:寝れないの?
ああああああ
ときたまタメ口挟んでくる後輩ちゃんぎゃんかわ!深夜ほど気が抜けるのか言葉が柔らかくなるところマジ好き!←ちょろい
なんでこんなに好きになったんだろうなあ~と思いつつtwitterに心情を投下する。
池袋ラギ@ikeragi
理由があるから手に入れるときと、手に入れたあとで理由を考えるときと、2パターンのうち後者のほうが依存度が高い。
16さん@16san
そういう不健全な執着、急に失いそうな不安定さと相まってとても滾ります
16さんの思想ほんとすき!!
(ちょろry)
と浮気心満載で16さんに絡もうとしたところで、待ったをかけるように後輩ちゃんから電話が。おうふ。浮気心を悟ったかのようなタイミングの良さにひやりとしました。
大丈夫、バレてない。
とりあえず応答しました。
ラギ「もしもし」
後輩ちゃん『暇だったんですか?それとも本当にアロエリーナとかいう女と間違えて送ってきたんですか?』
ラギ「誤爆じゃないよ!?」
まさか電話がくるとは思わず、聞こうかな~やめようかな~と思案していると『そういえば萩原さんと飲み行かれたんですよね』と、後輩ちゃんから話題を振ってきたので、もういいかと思い勢いで聞いてみました。
ラギ「実はとあるツテから、後輩ちゃんが管理部の人間に告白されたという知らせを受けまして」
後輩ちゃん『個人情報の漏洩ですね。萩原さん本気で始末したい』
ラギ「わたしそんなこと聞いてないなーと」
後輩ちゃん『言う必要ないかなーと』
ですよねー
まぁ、後輩ちゃんはそういう子だよねー。フッた人間の話を、わざわざ付き合ってる相手に話すほど悪趣味じゃないし、トラブルの元なんてひとりで自己処理できるほどには大人だよねー。
わかってるー。
わかってるけどー。
わかってるけどー!!!
ラギ「私こんなに後輩ちゃんのこと好きなのに」
後輩ちゃん「はぁ…。知ってますけど」
ラギ「後輩ちゃんはわかってない」
後輩ちゃん「わかってますよ。実際、この間も友達にこの待ち受けをみせて『この人、私のこと大好き過ぎるんだよね』って言ったら『なんでそんなに自信あるの!?』って爆笑されましたもん。本当のことなのに」
うちの後輩ちゃん可愛すぎませんか…。
ビビるんだけど…。そんな話初めて聞いたんですけど。なにこのシークレット・デレ。犯罪急に可愛いんだけど。後輩ちゃんなに目指してるの?
後輩ちゃん「あと、あなたに誘われた同居の話を断ったときラギさん『私がぜんぶ金出すから一緒に暮らしてよ』って言ったじゃないですか。その話も友達にしたらドン引きされました」
ラギ「それくらい好きなんだって!!」
後輩ちゃん「だから知ってますって」
そうだね知ってるね!!!
いまなんの話してたんだっけ…
もういいや。よくわからないけど、一通りの会話で心が満たされた気がする。よくわからない幸福感でいっぱいです。ありがとう後輩ちゃん、好きだよ。
ラギ「もう…なんていうか、おやすみ」
後輩ちゃん「はい。今度はアロエリーナと間違えないでくださいね」
ラギ「だからアロエリ『ピ。ツーツーツー』
颯爽と通話をブチるところも好きだよ!!!!(おこ)
ぜんぜん喧嘩に発展しない後輩ちゃんとの痴話喧嘩話でした~。
ノシ
---
「家鳴り」を「いえなり」と読むアナウンサーが気になる無職です。
\やなりだよー/
私が就職活動をしていた時代、アナウンサーは憧れの職業でした。数千倍の競争率を勝ち抜き『花形』である職に就いたアナウンサーの方々が、こうした読み間違いをするとがっかりします。
誤用された読み方が浸透して定着する現象を『変化』と呼ぶのでしょうか。どうか衰退と恥じてください。変革をもたらすべきものは時代であり言葉ではありません。
最近は、「大衆の意見」を「常識」と呼ぶ若者が増えたように思います。
若い子は悪くありません。
国がそうした教育方針を目指しているのです。
若者の没個性、同質化、特徴のない意見、大衆の意見に逆らわないマニュアル行動。ツイッターでも、叩きや晒しを恐れ、嫌々と繋がり、無意味に同調して流される、そういう傾向を多くみてきました。
悲しいですね。
同じ言葉、同じ意見、同じ感想、同じ思想。
それしか通らないんですよね。
寂しいですね。
卑屈とは、自分の意見を押し殺したときに生まれる『ゆがみ』の部分であると、私は考えます。
自己否定は醜い。
己の質を、己の価値を、誇ってください。
自分が好きな自分でいる人間が、誰よりもうつくしく魅力的です。
あなたらしいあなたで、私と接してください。
無理だと思ったら拒否します。
考えて行動する人が好きですよ。
本心がどこにあるのか、見える人が好きなのです。
偉そうなことを言ってますが、私は俗語をばんばん使います。
ニュースにユーモアは必要ないけど、ブログにテンポは必須だよね☆
■以下、無職な私の過密スケジュール@1月~2月がお送りします
・Yが禁酒生活を始める
Y管理人「酒が飲めない」
ラギ「ふむ」
Y管理人「車に乗れる!」
ラギ「遠出できるな!」
そして安易に山梨を目指す。
雪山で遭難する。
Y管理人「あかん、終わりや詰んだわ。車動かん」
ラギ「諦めないで!?!?!」
なんやかんやで助かり事無きを得る。
■以下、無職な私の過密スケジュール@1月~2月がお送りします
翌日、怒涛の快晴。
\ぺかー/
Y管理人「富士山がみえる」
ラギ「うむ」
Y管理人「河口湖いきたい」
ラギ「え?あ、お、おう…」
ラギ「寒すぎる。東京帰ろう」
Y管理人「せやな」
旅館泊まって温泉行ってスキーしてから帰宅。
■以下、無職な私の過密スケジュール@1月~2月がお送りします
東京@まさかの雪。
電車がとまる。
Y管理人「嘘やろ…」
ラギ「うぉぉい!!山梨のほうが豪雪だったけど電車バンバン走ってたぞ!?東京わずか5センチで電車止まるって何事だよ!」
誰にともなく文句を言う。
この日予定していたバレエを休む。
■以下、無職な私の過密スケジュール@1月~2月がお送りします
急に予定が無くなったため、時間を持て余したわたしは後輩ちゃんに愛の電話をかける。4コールくらいで出る。
ラギ「あ、後輩ちゃん久しぶり~。後輩ちゃん私がいなくて寂しかった~?」
後輩ちゃん「〆切前のくっそ忙しいときに連絡してくんな」
4秒で通話を終える。切ない。
■以下、無職な私の過密スケジュール@1月~2月がお送りします
家でテレビをみてたら大阪の番組を発見。
ラギ「そうだ、大阪にいこう」
翌日、大阪へ向かう。
フォロワーさんがざわめく。
宇山さん @uyamasan
行動力すごい…
イスカさん @isukasan
え、ラギさん本当に大阪いくんです?
魚春さん @uoharusan
ラギさんいまどこ
ラギ @ikeragi
いま名古屋通過したとこ
魚春さん @uoharusan
ワロタ
■以下、無職な私の過密スケジュール@1月~2月がお送りします
大阪到着。
ラギ @ikeragi
いまここ
魚春さん @uoharusan
テラご近所
このまま魚春さんに会いに行こうかと思いましたが、さすがに昨日の今日はダメだろと考えて断腸の思いで自重。
■以下、無職な私の過密スケジュール@1月~2月がお送りします
大阪に飽きたので京都へ行く。
ついでに物件探しをする。
京都に住みたい。
不動産の人「観光兼ねてるならついでに平安神宮寄りますねぇ~」
ラギ「えっ」
なぜかめちゃくちゃ京都の見所を推してくる不動産に連れられ観光をする。
不動産の人「あ、おねーさん交通安全のお守り持ってるから同じの買っちゃダメですよ~。神様は同担拒否の過激派ですから~」
神様に同担拒否ってあるのか。
■以下、無職な私の過密スケジュール@1月~2月がお送りします
料理教室に行くため東京に帰宅。
十都さん @todusan
ラギさんまだ大阪いらっしゃいますか会いたいです…!
ラギ @ikeragi
ッアー!!!!!!!!
三時間前まではそっちにいました…!!!
■以下、無職な私の過密スケジュール@1月~2月がお送りします
料理教室・バレエ・歯医者・病院・ダンス・脱毛・エステ・美容院・整体等、いままで合間に行っていたものを中心に生活する。
歯医者「お久しぶりです。3年ぶりですね」
お久しぶりです。
いやぁ、月日が経つのは早いですね。
歯医者「大臼歯×4本、合計20万かかりますけど、以前と同様セラミックで直しますか?」
ラギ「え。あ、はい」
歯医者「頑張りましょうね」
突然の出費
どーでもいい話ですが、私は池袋の大○歯科に通ってまして、担当の先生は藤木直人似のイケメンです。先生を見るたびナースのお仕事を思い出します。仮に歯科の先生を「藤木」としましょう。そんな藤木先生はとてもお優しく、幼稚園の先生みたいな対応をしてきます。
藤木先生「池袋さんは『うえっ』ってなりやすいですから、ゆっくり治療しますね。おくちのなかゆすぎたいときは手をあげてくださいね」
ラギ「(うなずく)」
藤木先生「痛くないようにしますからね」
ラギ「(うなずく)」
歯医者に「痛かったら手をあげてくださいね」と言われて本当にあげたことある人いますか?
建前でしょ?『横断歩道を渡るときは手をあげましょう』的な気休めでしょう?という無駄な疑心暗鬼に駆られる私は結局いつも手をあげられない。
ラギ「(親指を思い切り握りこむ)」←気持ち悪さを紛らわせようと必死
藤木先生「あ。はい、そろそろ休憩しましょうか」←察し
優秀な藤木先生は患者の変化に目敏く、私が「あ、無理」と根をあげる前に雰囲気で察して休憩を挟んでくれます。
なんて素敵な先生だろう
これでHPに出身大学を記載していたらパーフェクトなのに!
全面的な信頼のもと5万という決して安くは無い値段のセラミックを委ねることができるのに!なぜ書かないんだ!あなたは一般歯科・小児歯科・矯正歯科・口腔外科のどれなんだ!いったいどのエキスパートなんだ!得意分野を明記してくれ!
藤木先生「はい、えらいですね。削るのはあと一回ですよ、もうちょっとです、頑張ってくださいね」
私の予測は小児歯科です。
泣く寸前のこどもをあやすような声と言葉で励ましてくる藤木直人似の先生に、24歳の私はいったいどうしたら…(困惑)
■以下、無職な私の過密スケジュール@1月~2月がお送りします
横須賀までドライブ。
不思議な信号を発見。
Y管理人「なんやあれ」
ラギ「さぁ…」
謎のまま解決せず。
結局なんだったのだろう。
■以下、無職な私の過密スケジュール@1月~2月がお送りします
ラギ「蟹が食べたい。(訳:寿司屋いきたい)」
Y管理人「蟹食べようか。(超訳:北海道いくか)」
意見の食い違いって怖いですね。
わたしとY管理人の間で話が食い違うと、明日どの都道府県にいるか変わってきます。
Y管理人「当日券はネットで落としましたドヤァ…」
ラギ「あれ、株主優待使わないんですか?」
YはJALの被害者なのでエアライン株の話をすると、かなり凹みます。
Y管理人「や、やめろ…その話はするな…」
ラギ「株主としてご支援くださった皆様へ…」←JALが破産したときに届いた通知の書き出し
Y管理人「あああぁ”ぁぁあ”ああぁ”ぁぁああ”あぁぁぁ”ああああ(断末魔)」
ちょっと面白い。
北海道ではたくさんの蟹を食べてきました。
■以下、無職な私の過密スケジュール@1月~2月がお送りします
知り合いから「クラブにやばい女がいる」との連絡を受け、面白かったので私も参戦。
ラギ「アト○?ア○ハ?」
知り合い「レッ○ス」
やばい女↓
\♥ほわぁぁぁお♥/
大胆ですね!
日本でこういうのは久しぶりに見ました。
■以下、無職な私の過密スケジュール@1月~2月がお送りします
最近ではもっぱらY管理人のテリトリー内でしか遊ばなくなったので(有楽町)、こっち方面にくるのが懐かしくてつい羽目をはずして遊んでしまう。
これからの運試しにと3年訪れなくなっていた某所に立ち寄る。
一般人が入れないようエレベーターロックが掛かっているため、スタッフに電話して解錠してもらう。そのままロビーへ。1時間ほどで帰る予定だった、が。
静かに近づいてきた××がしゃがみ込み、こそっと耳打ち。
××「池袋さま」
ラギ「ん?」
××「裏口の階段から降りて2階のバーにお逃げ下さい。話は通してあります」
ラギ「うっそ…。わたし3年ぶりなんですけど」
××「すみません」
言われた通り足早に避難する。しかしなんやかんや駄目で、なんやかんやるるるるるるな状態になる。50万以下の罰金。かなしい。
そんなこんなの無職な新年でした。
ロクなことしてねぇ…。
時間があればあるほど無意味に使ってる気がします。
あ、でも最近通い始めた英会話教室は楽しいです。生徒さんの半分が高校生です。ごっさ楽しいです。高校生大好き。
◆以下、私信
京さん
こんばんわ!わあああ!こちらでは初めまして!
ええと、まずは、いつもpixivにてご丁寧なコメントを頂いていること、そこからお礼申し上げます。
定期的な更新があるわけでもなく、これといった特徴のないテキストオンリーのpixivにも関わらず、いつも感想を添えてくださる京さんからコメントが本当に本当に嬉しくて、小説を更新する励みになっています。
頂いた感想はすべて嬉しく拝見しているのですが、作者の性格を前面に押しだすのは控えようと、返信欄ではいつも、定型文のような言葉ばかりが並んでしまいます。
そういった意味でも『pixivでの池袋ラギ』と『ブログでの池袋ラギ』はかなりのギャップがあるかと思いますが、そういう作者サイドの一面にも興味を持っていただき、肯定してくれる京さんのお言葉がとても嬉しく、私にはもったいないほど恐れ多いです。
京さんはこれから大学受験とのこと…わわわ、頑張ってください…としか言えませんが、本当に、心から応援しています。
受験に向かって趣味を断ち切る決断と姿勢、とても立派です。
今後たくさんのストレスやつらいことがあるかと思いますが、落ち込んだときには自分へのご褒美に趣味を解禁したり、美味しいものを食べたりして、息抜きしてくださいね。
持論ですが、人間として一番の不幸は『何者にもなれないこと』だと思います。
大人になるというのは、アイデンティティが確立するということです。等身大の自分を受け入れ、できること・できないことの分別が明確になり、身の丈にあった生活に収まる、ということです。
受験生の方にこんなことを言うのもあれですが、私にとって大学生活は、人生でいちばん無駄な時間でした。
目標がなかったからです。
なりたいものも。就きたい職も。
学生さんに対して大人たちは、前向きで明るくて厳しくてしんどい発言ばかりするかと思います。それは、自分探しができる時間は有限であることをと知っているからです。その期間内に活動しなかった子供の行く末を、将来を、見通せるからです。
どうか大志を抱いてください。
学生は『挑戦が実を結ぶ』時期ではなく『挑戦を実行できる』時期です。夢でも仕事でも可能性でも他人でもいいです。人生をかけて打ち込める何かを探してください。
押し付けがましいようですが、京さんの未来が明るいものになりますよう、本当に本当に応援しています。
また、完全に諸事情である病気へのご心配も、ありがとう…ございます…。
きっとこの為にブログへコメントくださったんですよね。うっ……京さんの優しさに心がじんわりします。
2月29日に手術なのですが、それが終わって気持ちも安定したら、またtwitterを始めようと考えています。フォロワーさんの大半が学生さんだったので、入学・卒業の門出には、間接的にでも立ち会いたいなあ…と。
手術結果によって二転三転するので、まだ決定ではありませんが、新しく作った際にはぜひ、構ってやってください。
コメントありがとうございました!
あたもんさん
あたもんさん…!ご心配をおかけしました元気です…私は元気です!(精神面)
2月中にすべてを終わらせたくて、最終日である29日に手術を予定していて、落ちついたらまたtwitterを始めます。今度は私からお迎えに参りますね…うっ…あたもんさんと御堂筋くんの良さについて語り明かした日々が懐かしいです。
ペダルファンであるY管理人の前で御堂筋くん大好き発言すると「いやいやいや東堂一択やろ☆」って晴れやかに否定されます。殺意わきます。
そして、ご報告が遅くなりましたが、手術が終わり、心身ともに回復するだろう4月上旬から、某広告会社への再就職が決まりました。
分野がまるで異なるのでいささか不安ですが、執行猶予期間であるため経由(入国)できない国があることで、ウユニ塩湖が先延ばしとなり、再就職を決意しました。
あたもんさんから頂いた数々のアドバイスを読んだとき、新しい仕事についてのヴィジョンといいますか、未来がこう、パァァっと拓けた感覚がありました。
本当にただ、その直感を信じての再就職です。
きっと、あらかじめ企業研究をしてきた大学生にも劣るだろう、全然使えないポンコツなので、いまのうちにできる下準備や、使い慣れておいたら便利なPCなど、ありましたらぜひ…ぜひ教えていただけるとありがたく…ありがたく…!!!(平伏)
わたしも大好きですよーあたもんさん!
ひょー!
ノシ
「家鳴り」を「いえなり」と読むアナウンサーが気になる無職です。
\やなりだよー/
私が就職活動をしていた時代、アナウンサーは憧れの職業でした。数千倍の競争率を勝ち抜き『花形』である職に就いたアナウンサーの方々が、こうした読み間違いをするとがっかりします。
誤用された読み方が浸透して定着する現象を『変化』と呼ぶのでしょうか。どうか衰退と恥じてください。変革をもたらすべきものは時代であり言葉ではありません。
最近は、「大衆の意見」を「常識」と呼ぶ若者が増えたように思います。
若い子は悪くありません。
国がそうした教育方針を目指しているのです。
若者の没個性、同質化、特徴のない意見、大衆の意見に逆らわないマニュアル行動。ツイッターでも、叩きや晒しを恐れ、嫌々と繋がり、無意味に同調して流される、そういう傾向を多くみてきました。
悲しいですね。
同じ言葉、同じ意見、同じ感想、同じ思想。
それしか通らないんですよね。
寂しいですね。
卑屈とは、自分の意見を押し殺したときに生まれる『ゆがみ』の部分であると、私は考えます。
自己否定は醜い。
己の質を、己の価値を、誇ってください。
自分が好きな自分でいる人間が、誰よりもうつくしく魅力的です。
あなたらしいあなたで、私と接してください。
無理だと思ったら拒否します。
考えて行動する人が好きですよ。
本心がどこにあるのか、見える人が好きなのです。
偉そうなことを言ってますが、私は俗語をばんばん使います。
ニュースにユーモアは必要ないけど、ブログにテンポは必須だよね☆
■以下、無職な私の過密スケジュール@1月~2月がお送りします
・Yが禁酒生活を始める
Y管理人「酒が飲めない」
ラギ「ふむ」
Y管理人「車に乗れる!」
ラギ「遠出できるな!」
そして安易に山梨を目指す。
雪山で遭難する。
Y管理人「あかん、終わりや詰んだわ。車動かん」
ラギ「諦めないで!?!?!」
なんやかんやで助かり事無きを得る。
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翌日、怒涛の快晴。
\ぺかー/
Y管理人「富士山がみえる」
ラギ「うむ」
Y管理人「河口湖いきたい」
ラギ「え?あ、お、おう…」
ラギ「寒すぎる。東京帰ろう」
Y管理人「せやな」
旅館泊まって温泉行ってスキーしてから帰宅。
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東京@まさかの雪。
電車がとまる。
Y管理人「嘘やろ…」
ラギ「うぉぉい!!山梨のほうが豪雪だったけど電車バンバン走ってたぞ!?東京わずか5センチで電車止まるって何事だよ!」
誰にともなく文句を言う。
この日予定していたバレエを休む。
■以下、無職な私の過密スケジュール@1月~2月がお送りします
急に予定が無くなったため、時間を持て余したわたしは後輩ちゃんに愛の電話をかける。4コールくらいで出る。
ラギ「あ、後輩ちゃん久しぶり~。後輩ちゃん私がいなくて寂しかった~?」
後輩ちゃん「〆切前のくっそ忙しいときに連絡してくんな」
4秒で通話を終える。切ない。
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家でテレビをみてたら大阪の番組を発見。
ラギ「そうだ、大阪にいこう」
翌日、大阪へ向かう。
フォロワーさんがざわめく。
宇山さん @uyamasan
行動力すごい…
イスカさん @isukasan
え、ラギさん本当に大阪いくんです?
魚春さん @uoharusan
ラギさんいまどこ
ラギ @ikeragi
いま名古屋通過したとこ
魚春さん @uoharusan
ワロタ
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大阪到着。
ラギ @ikeragi
いまここ
魚春さん @uoharusan
テラご近所
このまま魚春さんに会いに行こうかと思いましたが、さすがに昨日の今日はダメだろと考えて断腸の思いで自重。
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大阪に飽きたので京都へ行く。
ついでに物件探しをする。
京都に住みたい。
不動産の人「観光兼ねてるならついでに平安神宮寄りますねぇ~」
ラギ「えっ」
なぜかめちゃくちゃ京都の見所を推してくる不動産に連れられ観光をする。
不動産の人「あ、おねーさん交通安全のお守り持ってるから同じの買っちゃダメですよ~。神様は同担拒否の過激派ですから~」
神様に同担拒否ってあるのか。
■以下、無職な私の過密スケジュール@1月~2月がお送りします
料理教室に行くため東京に帰宅。
十都さん @todusan
ラギさんまだ大阪いらっしゃいますか会いたいです…!
ラギ @ikeragi
ッアー!!!!!!!!
三時間前まではそっちにいました…!!!
■以下、無職な私の過密スケジュール@1月~2月がお送りします
料理教室・バレエ・歯医者・病院・ダンス・脱毛・エステ・美容院・整体等、いままで合間に行っていたものを中心に生活する。
歯医者「お久しぶりです。3年ぶりですね」
お久しぶりです。
いやぁ、月日が経つのは早いですね。
歯医者「大臼歯×4本、合計20万かかりますけど、以前と同様セラミックで直しますか?」
ラギ「え。あ、はい」
歯医者「頑張りましょうね」
突然の出費
どーでもいい話ですが、私は池袋の大○歯科に通ってまして、担当の先生は藤木直人似のイケメンです。先生を見るたびナースのお仕事を思い出します。仮に歯科の先生を「藤木」としましょう。そんな藤木先生はとてもお優しく、幼稚園の先生みたいな対応をしてきます。
藤木先生「池袋さんは『うえっ』ってなりやすいですから、ゆっくり治療しますね。おくちのなかゆすぎたいときは手をあげてくださいね」
ラギ「(うなずく)」
藤木先生「痛くないようにしますからね」
ラギ「(うなずく)」
歯医者に「痛かったら手をあげてくださいね」と言われて本当にあげたことある人いますか?
建前でしょ?『横断歩道を渡るときは手をあげましょう』的な気休めでしょう?という無駄な疑心暗鬼に駆られる私は結局いつも手をあげられない。
ラギ「(親指を思い切り握りこむ)」←気持ち悪さを紛らわせようと必死
藤木先生「あ。はい、そろそろ休憩しましょうか」←察し
優秀な藤木先生は患者の変化に目敏く、私が「あ、無理」と根をあげる前に雰囲気で察して休憩を挟んでくれます。
なんて素敵な先生だろう
これでHPに出身大学を記載していたらパーフェクトなのに!
全面的な信頼のもと5万という決して安くは無い値段のセラミックを委ねることができるのに!なぜ書かないんだ!あなたは一般歯科・小児歯科・矯正歯科・口腔外科のどれなんだ!いったいどのエキスパートなんだ!得意分野を明記してくれ!
藤木先生「はい、えらいですね。削るのはあと一回ですよ、もうちょっとです、頑張ってくださいね」
私の予測は小児歯科です。
泣く寸前のこどもをあやすような声と言葉で励ましてくる藤木直人似の先生に、24歳の私はいったいどうしたら…(困惑)
■以下、無職な私の過密スケジュール@1月~2月がお送りします
横須賀までドライブ。
不思議な信号を発見。
Y管理人「なんやあれ」
ラギ「さぁ…」
謎のまま解決せず。
結局なんだったのだろう。
■以下、無職な私の過密スケジュール@1月~2月がお送りします
ラギ「蟹が食べたい。(訳:寿司屋いきたい)」
Y管理人「蟹食べようか。(超訳:北海道いくか)」
意見の食い違いって怖いですね。
わたしとY管理人の間で話が食い違うと、明日どの都道府県にいるか変わってきます。
Y管理人「当日券はネットで落としましたドヤァ…」
ラギ「あれ、株主優待使わないんですか?」
YはJALの被害者なのでエアライン株の話をすると、かなり凹みます。
Y管理人「や、やめろ…その話はするな…」
ラギ「株主としてご支援くださった皆様へ…」←JALが破産したときに届いた通知の書き出し
Y管理人「あああぁ”ぁぁあ”ああぁ”ぁぁああ”あぁぁぁ”ああああ(断末魔)」
ちょっと面白い。
北海道ではたくさんの蟹を食べてきました。
■以下、無職な私の過密スケジュール@1月~2月がお送りします
知り合いから「クラブにやばい女がいる」との連絡を受け、面白かったので私も参戦。
ラギ「アト○?ア○ハ?」
知り合い「レッ○ス」
やばい女↓
\♥ほわぁぁぁお♥/
大胆ですね!
日本でこういうのは久しぶりに見ました。
■以下、無職な私の過密スケジュール@1月~2月がお送りします
最近ではもっぱらY管理人のテリトリー内でしか遊ばなくなったので(有楽町)、こっち方面にくるのが懐かしくてつい羽目をはずして遊んでしまう。
これからの運試しにと3年訪れなくなっていた某所に立ち寄る。
一般人が入れないようエレベーターロックが掛かっているため、スタッフに電話して解錠してもらう。そのままロビーへ。1時間ほどで帰る予定だった、が。
静かに近づいてきた××がしゃがみ込み、こそっと耳打ち。
××「池袋さま」
ラギ「ん?」
××「裏口の階段から降りて2階のバーにお逃げ下さい。話は通してあります」
ラギ「うっそ…。わたし3年ぶりなんですけど」
××「すみません」
言われた通り足早に避難する。しかしなんやかんや駄目で、なんやかんやるるるるるるな状態になる。50万以下の罰金。かなしい。
そんなこんなの無職な新年でした。
ロクなことしてねぇ…。
時間があればあるほど無意味に使ってる気がします。
あ、でも最近通い始めた英会話教室は楽しいです。生徒さんの半分が高校生です。ごっさ楽しいです。高校生大好き。
◆以下、私信
京さん
こんばんわ!わあああ!こちらでは初めまして!
ええと、まずは、いつもpixivにてご丁寧なコメントを頂いていること、そこからお礼申し上げます。
定期的な更新があるわけでもなく、これといった特徴のないテキストオンリーのpixivにも関わらず、いつも感想を添えてくださる京さんからコメントが本当に本当に嬉しくて、小説を更新する励みになっています。
頂いた感想はすべて嬉しく拝見しているのですが、作者の性格を前面に押しだすのは控えようと、返信欄ではいつも、定型文のような言葉ばかりが並んでしまいます。
そういった意味でも『pixivでの池袋ラギ』と『ブログでの池袋ラギ』はかなりのギャップがあるかと思いますが、そういう作者サイドの一面にも興味を持っていただき、肯定してくれる京さんのお言葉がとても嬉しく、私にはもったいないほど恐れ多いです。
京さんはこれから大学受験とのこと…わわわ、頑張ってください…としか言えませんが、本当に、心から応援しています。
受験に向かって趣味を断ち切る決断と姿勢、とても立派です。
今後たくさんのストレスやつらいことがあるかと思いますが、落ち込んだときには自分へのご褒美に趣味を解禁したり、美味しいものを食べたりして、息抜きしてくださいね。
持論ですが、人間として一番の不幸は『何者にもなれないこと』だと思います。
大人になるというのは、アイデンティティが確立するということです。等身大の自分を受け入れ、できること・できないことの分別が明確になり、身の丈にあった生活に収まる、ということです。
受験生の方にこんなことを言うのもあれですが、私にとって大学生活は、人生でいちばん無駄な時間でした。
目標がなかったからです。
なりたいものも。就きたい職も。
学生さんに対して大人たちは、前向きで明るくて厳しくてしんどい発言ばかりするかと思います。それは、自分探しができる時間は有限であることをと知っているからです。その期間内に活動しなかった子供の行く末を、将来を、見通せるからです。
どうか大志を抱いてください。
学生は『挑戦が実を結ぶ』時期ではなく『挑戦を実行できる』時期です。夢でも仕事でも可能性でも他人でもいいです。人生をかけて打ち込める何かを探してください。
押し付けがましいようですが、京さんの未来が明るいものになりますよう、本当に本当に応援しています。
また、完全に諸事情である病気へのご心配も、ありがとう…ございます…。
きっとこの為にブログへコメントくださったんですよね。うっ……京さんの優しさに心がじんわりします。
2月29日に手術なのですが、それが終わって気持ちも安定したら、またtwitterを始めようと考えています。フォロワーさんの大半が学生さんだったので、入学・卒業の門出には、間接的にでも立ち会いたいなあ…と。
手術結果によって二転三転するので、まだ決定ではありませんが、新しく作った際にはぜひ、構ってやってください。
コメントありがとうございました!
あたもんさん
あたもんさん…!ご心配をおかけしました元気です…私は元気です!(精神面)
2月中にすべてを終わらせたくて、最終日である29日に手術を予定していて、落ちついたらまたtwitterを始めます。今度は私からお迎えに参りますね…うっ…あたもんさんと御堂筋くんの良さについて語り明かした日々が懐かしいです。
ペダルファンであるY管理人の前で御堂筋くん大好き発言すると「いやいやいや東堂一択やろ☆」って晴れやかに否定されます。殺意わきます。
そして、ご報告が遅くなりましたが、手術が終わり、心身ともに回復するだろう4月上旬から、某広告会社への再就職が決まりました。
分野がまるで異なるのでいささか不安ですが、執行猶予期間であるため経由(入国)できない国があることで、ウユニ塩湖が先延ばしとなり、再就職を決意しました。
あたもんさんから頂いた数々のアドバイスを読んだとき、新しい仕事についてのヴィジョンといいますか、未来がこう、パァァっと拓けた感覚がありました。
本当にただ、その直感を信じての再就職です。
きっと、あらかじめ企業研究をしてきた大学生にも劣るだろう、全然使えないポンコツなので、いまのうちにできる下準備や、使い慣れておいたら便利なPCなど、ありましたらぜひ…ぜひ教えていただけるとありがたく…ありがたく…!!!(平伏)
わたしも大好きですよーあたもんさん!
ひょー!
ノシ
最近、Y管理人と一緒にyoutubeで【笑点】の過去動画をみるのがブームです。
歌丸師匠「ばんざーーーーい!楽太郎が死んだーーーーい!」
楽太郎「!?」
円楽「なんですか?」
歌丸師匠「くす玉」
↓くす玉
楽太郎「(即座に挙手)」
円楽「はい、楽太郎さん」
楽太郎「歌丸師匠のお通夜に持っていきます」
円楽「なんですか?」
楽太郎「数珠球」
Y管理人「やばい。歌丸と楽太郎の絡みたのしい」
ラギ「年齢や立場を超えた罵倒合戦は萌える」
Y管理人「わかる…」
木久翁さんのネタを先読みしてボケ潰しする歌丸師匠がすきです。でも、歌丸師匠と円楽さんの掛け合いはもーっと好きです。
要するに歌丸さんが大好きです。
こんにちは無職です!
2016年の2月6日、諸事情でいきなりツイッターを退会しましたが私は元気です。精神的には。肉体的には大腸がんです。
でも心は元気。
いやぁ、やっぱ再発しました。
癌怖いですね。
2年前はステージⅡで医師から「再発する可能性がありますので定期健診は欠かさずに」と念を押されていたのですが、ちょうどその頃に出版社への再就職が決まりまして、検診を怠っていたらこれです。自業自得ですね。残念です。
祖父も遠隔転移で肺に飛び火したらしいです。父から聞きました。たぶん家系的な問題でしょうと医師にも言われました。とんだ業です。しょうがない事だけど。
フォロワーさんのなかに「内視鏡やってみたいけど怖い」って人がいらっしゃったので、さっくり説明しますね。まずこういうものを渡されます。
前日に食べるご飯と、当日に飲む下剤です。
私は腹全体が痛かったため、腸か胃かわからず両方の検査をしましたが、どの部分が悪いか感覚でわかってる人は片方だけで大丈夫です。
内視鏡は普通に痛いです。麻酔しましたが超痛かった。でも出産のほうが痛そうな気がするので、いずれ愛する男性の子を産みたいと望んでる女性なら、ここはガッツで乗り切りましょう。
上手くいけば気を失えます。
私は痛みで覚醒しましたが。
癌だと検査したその日に言われます。
癌でしたーって。
わたしまだ24なので病気とは無縁だと高を括っていたのですが、病に年齢は関係ないのだと痛感しました。みなさまもお気をつけ下さい。早期発見が大切です。
twitterを退会するとき、沢山の人に惜しんでもらえて嬉しかったですー。
私は私に興味を示してくれる人間が大好きなので「さようなら!明日には忘れていいから今日このときこの瞬間はめいいっぱい悲しんでね!」という気持ちでした。
なかでもあたもんさんの『ラギさんと繋がりなくなるのやだぁ…;』がグッときました。
16さんの呟きも読んでてドキドキしたなあ。
これは私宛かな…?と感じるスレスレの感じ。
ひとりごとをつらつら呟いていた2014年春~冬のtwitterより、2015年春~冬でやってた二度目のtwitterのほうが楽しかったです。みんなで話してる感が好きでした。
みなさまが様々な形で萌語りをしてたTLに突然「癌が発覚しまして」と重たい話をブッ込み、空気を読んだフォロワーさんが一斉に黙り込んでしまったのは本当に申し訳なく思っています。
松萌え語りをしていた皆様、その節はどうもすみませんでした。
TLが完全に通夜でした。
ごめんなさい。
病気の事は一部の人間にしか話していません。
父と、Y管理人と、学生時代の友人。
話せる人がいないというより、話したところで、と思うのが本音です。
身に降りかかった不幸を誰かと共有したがる甘えは後々に痛い目をみる。だれも私の身代わりにはなってくれないし、一生患うこの病気と一生戦うのも私だけです。私の不幸は私だけのもので、私の不幸に振り回されるのも私だけでいい。
末期がんではないけど一応、という風にメンタルケアも紹介してもらいましたが、丁重にお断りしました。
持論ですが、『早く死ぬ人間』というのは、この世界じゃない、どこか別の、とおいところに『役目』を持っている気がします。だから呼ばれるのではないかと。
人間なんて生き物はとても曖昧です。
学生の頃、人間よりトマトの遺伝子のほうが多いと知ったとき、気が軽くなったことを覚えてます。
不幸だけに振り回されず、明るく楽しく生きていけたらと祈ってます。
後輩ちゃんと仲直りしましたー!!!
\ぱらっぽー/ \ぱらっぽー/
さすがに20代前半で「癌再発です」「そうですか」とすんなり受け入れるだけの肝っ玉は無く、『腹に風穴開く前に遊んどこう!』と遊びまくりました。
そしたら、後輩ちゃんに『最ッッッ低』と着信拒否されてしばらく音信不通だったので、私的には別れた気分だったのですが、どうやら別れてなかったらしい。
数日後に突然
後輩ちゃん『反省しましたか?』
と電話がかかってきて、そのとき渋谷のハプバで体力使い果たした直後だった私は
ヤッッッベーーこれ別れてないヤツだわ!執行猶予期間だったのか!まじかよ知らなかったよ再犯なうだよ実刑が下るよ うわああああ ごっめーーーーん
と思いつつ
ラギ『はい…(これから反省します)』
と返事をしました。
なにも言わないで下さい。
私が悪い。もう二度と浮気はしません。たぶん。とりあえずバレる浮気はしません。この日記を読んでくださった誰かさまに誓います。もう二度とバレる浮気はしません。
以降、あのときの浮気騒動に欠片も触れてこない後輩ちゃんの懐の広さに感服しつつ、愛する後輩ちゃんのためにバレンタインチョコを作りました///
お料理教室にて!
お菓子系は一切作らないのですが、今回は愛する人のために頑張りました。
かわいくラッピングしていざ、後輩ちゃんへ!
ラギ「ラギより愛を込めて…///」
後輩ちゃん「アナタ本当にこういうの好きですよね」
わりとクールに受け取ってもらいました。
ちなみに後輩ちゃんからのバレンタインはゴディバでした。えっ、手作りじゃないの!?
後輩ちゃん「無職のアナタと違って私は忙しいんです。気持ちより質で」
清々しいね!
ありがとう後輩ちゃん!ホワイトデー期待しててね!大好きだよ!
ノシ
1月~3月
4月~6月
7月~9月
10月~12月
髪の長さ変化が激しいな。
新年、あけましておめでとうございます。
去年の始めに「今年は遊ぶ!」と宣言したとおり、とにかく四季を満喫した年でした。
upできる写真や人が限られているため全部は貼れませんが、それでもこんなにあることに驚きました。
とくに5月。
ちょっと気張って誕生日会を開いた結果、こんなにもたくさんのプレゼントを頂いてしまいました…ひぇ…。ありがとうございます。
誕生日会は、キャバメン、職場の同僚、Y管理人一派、ネット仲間、ダンス仲間、旧友がそれぞれ企画してくれて、毎日プレゼントとお花とケーキに囲まれ、約一週間の間ずっとお姫さま気分でした。
ホールケーキを6つも頂いたのは人生初でした。
最初はこんな感じで余裕かましてたのですが、だんだん頑張れなくなってくる。
ぐでん…。
誕生日会の日にち、もっと日にちにゆとりを持てばよかった…
去年は考えなくてはいけないこと、向き合わなければいけないこと、たくさんの現実から目を背けて遊び狂っていたように思います。
昔のことを振り返るたび、得る感情が違います。
彼女の結婚を機にようやく、かつての恋を過去として人に話せるようになってきました。
純粋な頃にする恋は、人が予備知識もなく寄り添おうとするから特別なのだろうなと思います。一度通った道を再び「初めて」歩くことはできなくて、そういう、思春期独特の透明感や孤独は、大きくなってもずっと鮮明に覚えてる。秘密に彩られた恋に翻弄されて、認め合うことと支配し合うことの区別がついていなかった。
人が行く道をふたりで踏み外したあの頃は、誰にも裁かれない国へいきたかった。
お互いを唯一と呼び合える情熱こそが愛だと信じてました。
愛は身近にあるものです。子供さえ持っている何気ないものです。
私は、愛とは、その人に手間暇を惜しまないことなのだと思います。色んな人の愛の哲学を聞いてきて、だから要は「大切にする」ってことなのかと、シンプルなところに辿りつきました。
私と関わったすべての人にとって、素敵な一年になりますように。
退学したいと申し出たとき、2人の教授から休学を提案されました。
震災で母と弟を亡くした私の現状を考慮したのでしょう。加えて自殺未遂です。私は冷静だと訴えましたが、こういう状態を世間は「情緒不安定」と判断するらしい。
手を変え品を変え、私がどんなに説得しても、大人はかたくなに認めなかった。
キミのためだからと言う。いつかの日のキミが後悔しないため。いまこの瞬間の願いすら届かない世界で、将来の私に後悔がないなど、どうして思えるのだろう。
説得に説得を重ねてる状態が気味悪くて、顔面の筋肉が引き攣り始めて、なぜか笑ってしまいました。心臓がばっくんばっくんしていて冷や汗が止まらないまま笑う私を、教授たちは引いた顔で見ていました。
「とにかく、時間を置いてゆっくり考えてみなさい」
笑顔は三秒と持たなかった。
時間が経てば、震災が起こる前の日本に戻るのか?
死ぬことは叶わなかった。
本当に自殺したいのなら死ぬまで試せばいいのに、私にはできなかった。
三階から飛び降りたときにみた景色が忘れられない。空が落ちてきたような、地面が急速に迫ってきたような、あの光景が何度も頭を過ぎる。ベランダの前に立つだけで手足が震えた。
首吊りは論外でした。きっと何年ものあいだ、ずっと死にたかったであろう先生の死に方を真似るのは冒涜に思えました。刃物での自害は母と被る。私が死んだ後、だれがどんな暴言を吐くかわかったもんじゃない。
ああ、でももう、
私に関心を向ける人はいないのか。
みんな死んだ。
たった一日を生きるだけで、気が遠くなる。
本格的にネットにのめり込んだのは、この時期でした。
朝昼は小説とブログを更新して、夜はキャバかクラブで華やかに過ごし、流れる時間を勉強にあてることはなく、空っぽの毎日を潰すように消費して生きました。
大学は中退しました。
しかし大学側の配慮で『付属の短大へ編入して卒業した』ということになりました。編入試験は受けていません。特別待遇です。親の力でしょう。世の中にはこういう、世間の常識を捻じ曲げるほどの、生まれ持った権力というものがあります。
正社員で就職した会社も、すぐに辞めました。
家も服もご飯も、私を好きになる人たちが全部恵んでくれる。誘ってくれる人は絶えなかった。
私は狂ったように遊び出しました。
ネットのなかに閉じこもり、現実から目を背け、私の本名すら知らない男と肌を重ねる。これだけの災害に見舞われ、多くの知人を亡くしても、楽しいときは普通に笑える自分をクズだと思いました。
◇
ゆき、という偽名を持ちました。
なまえの音だとか意味だとかはどうでもよかった。岩手に帰って最初に実感した故郷の特徴を名に据えました。あのとき最初に感じたのが海のおとなら渚だったし、潮の香りなら風だった。
世界が死んだあの朝に、新しい名前が欲しかった。
なのに、すぐこうやって私は、ゆいが好きだったものになぞらえる。もういないものにばかり囚われる。
なまえを変えるだけで、違う人間になれた気がしました。実名が負担だったことを知りました。
「ぎゃ/る/る」という出会い系アプリで、とある演出家と出会いました。
そのアプリは、GPSを使ってユーザーの顔写真や住所を閲覧することができ、チャットを使って会話ができるというものです。その演出家は『近所に住んでいるので話しませんか』とメッセージをくれた人で、住所と顔写真以外のすべてを非公開にしているところが、逆に安心できました。
近くのバーで何度か飲み、そのとき彼が持っていた資料に某有名声優のなまえが載っていました。
「なにそれ。台本?」
「んーまぁ」
「声優なの?」
「んー…それに近い仕事」
たじろぐ雰囲気を察して、私は好きな漫画や声優の話をふっかけてみました。最初は警戒していた彼も、時間の経過と共に素性を喋ってくれました。
「実はオレ舞台の演出しててさ。○○ってアニメ、こんど幕張メッセで舞台やるんだけど、観にくる?」
関係者席のチケットを貰い、私は当日遊びに行きました。
好きな声優に会いたいとねだれば「知り合いの女優って言って会わせてあげるよ」と舞台裏に連れてってもらい、某声優と知り合いになりました。話したのは3分程度でしたが、そのとき連絡先を交換して、気軽に遊びに行く仲になりました。
私はその声優から業界のノウハウを学び、私は声優に夜の遊び方を教えました。軽く誘えば軽く乗ってくれる人でした。歳が15以上離れた相手でしたが、彼は私を軽視することはなく、おもしろがるようについてきました。
「おまえ女優って嘘だろ」
出会って4回目で、嘘がバレました。
私は笑って聞きました。
「なんでわかったの?」
「あの事務所に、そんなやついねーって」
「調べたの?」
「まぁね」
飄々としているようで、抜け目のない人でした。
バレるだろうなとは思っていたので、あらかじめ打ち合わせておいた嘘をつきました。
「キャバクラで知り合ったから言いづらかったんだ。ごめんね?」
「そうだと思ったよ。おまえ派手だもん」
私がキャバ嬢なのは事実なので、店の場所や名前を聞かれてもすらすらと返答できました。
演出家は既婚者のため、出会い系で知り合ったことがバレるとまずいのです。
演出家から派生した交友は、声優、俳優、AD、作家と広がりました。
時間に余裕のある私は、不規則な生活をおくる彼らにとって都合の良かったのでしょう。散歩に誘われた犬のようについてくる私を、たくさん可愛がり、優遇してくれました。
もちろん、中には良心的な人もいて、誘われれば軽く応じる歳の若い私を心配するひともいました。
そういう人は獲物です。
裕福な家庭事情は伏せ、不幸自慢にならないよう控えめに、針の穴に糸を通すような気持ちで相手の様子をうかがいながら、身の上話をしました。
「大変だったんだね」
でも、だけど、いまは楽しいよ。こんなにたのしい経験をしたのははじめてだから、あなたと出会えてすごくうれしい。あなたといっしょに過ごすじかんが、いちばんたのしい。
甘い言葉を使うたび、人はたくさんのものを分け与えてくれました。傷を抱えた人間が健気に生きる様は美しくみえるのでしょう。創作ブログで出会ったアキラくんは、私の事を「自分の可愛い角度を知ってる小賢い犬」だと例えました。その通りです。
だって、みんなそうでしょう?
私は生まれもった性と容姿に愛嬌を装備して生きているけど、そんなの全世界の女がやってることでしょう。狡賢さのない天使のような人間なんて、どこか壊れてる気がしませんか。私に好きだと言う人は、私の不幸に魅せられたんじゃないですか。
「欲しいものがあったら頼ってね。キミみたいな子を助けてあげたい」
きれいに飾った健気なことばに感化される偽善者どもに反吐がでる。平等を信じるなら博愛になれ。自らの持つ富みを分配しろ。
「ありがとうございます」
置かれた場所で咲きなさいって、言うでしょう?
ひどい言葉だと思いませんか。コンクリートや砂漠で花が咲きますか。健全な心が宿ると思いますか。
時間の使い方は、そのまま、命の使い方なのです。
私はあんなひどい環境で命を浪費したくはなかった。生まれ育った町も家族も友人も捨てて、なのにすべてに縛られて、私は生きている。
30万のワインも、全額無料の海外旅行も、ディズニーランドのVIPルームチケットも、私が普通に生きていたら経験できないような毎日を過ごしました。
感謝する気持ちが微塵もないといえば嘘ですが、それでも自分の都合の良いように状況を転がしていると、妙な慣れが生まれてきます。私もこの莫大な時間を消費する暇潰しとして、彼らを使いました。
◇
ラクのことは、よくわからない。
ラクは家族全員を亡くしました。彼の家は海の傍だった。
一緒に岩手に帰って以来、ラクは平静を取り戻したように大学に通うようになりました。私が辞めると告げたときも、彼だけが「そう」と言ったことを覚えています。
付き合いが途切れては繋がり、長い間会わなかったと思えば学食でフラりと隣に座る。ゴムのように伸びては一気に縮むラクとの距離を、なんと例えるべきか。
「今日ひま?」
セックスする夜もあれば、テレビを観ながら眠る日もある。
暇な日もあれば暇じゃない日もある。
私たちという2人がいかに扱いづらい存在か、周囲の目をみればわかる。
哀れんで手を伸ばすべきか、そっと触らないでおくべきか、邪魔に思うことはないけど、いろんなことを自重してしまう。なにを言っても気休めにならない遺族を目の前に、彼らが戸惑う姿は雰囲気に滲んでいました。
20歳。
大人と呼ばれる年齢に達した直後、すべてを失くした私たちは、言葉もなく寄り添いました。
恋でもない、愛でもない。業の深い絶対的ななにかで結ばれている。
「人に依存したの初めてかもしんねぇ」
情は、だんだんと形を変えていくものなのかもしれない。
世界を遮断するように深く毛布を被りながら、ラクは私を抱きしめて泣く。
「おまえとゆいの関係が気持ち悪かった。おまえらが寝てるの知ったとき、心底軽蔑した。同性の癖になにやってんだって。なんであんな依存しあうんだろうって」
ラクは私の胸元に顔を埋めて小さく喋った。ラクと寝た女の子たちは、ラクの与える快楽に酔って自慢するようにその行為の内容について語ったけど、私とラクの行為はいつもあっさりしてた。声も出さない短いセックスだった。
私はラクに、ゆいを重ねてる。
「おれ、ひとりになったことなかったから、わかんなかったんだわ」
この人も死ぬのかな。
腕に抱きながら、いつも思いました。
もう、正気に戻ることはないだろう。
昔のように、純粋だった頃には戻れない。いつだって人の死は業の深い爪痕を残してく。
私たちは欠落を抱えながら生きていかなければいけない。
◇
朝も昼も夜も、遊んで過ごしました。
勉強漬けで、やれ習字だ塾だダンスだと通わされていた頃の、隙間にできた余り時間とはちがう、完璧な自由でした。訪れなかった子供時代を楽しむかのように自由を満喫しました。
心がこんなにもハシャいでいるのに、体に異変が生じました。
「なにこれ、味おかしいんだけど」
ラブホのアメニティにあったインスタントのコーヒーを淹れ、飲んだときでした。色や香りはあるのに、味がほとんどしませんでした。しかも苦味ではなく塩味を感じました。
不審に思って一緒にいた男にそれを渡せば、男は一口飲んで「そうか?」と首を傾げました。
「いいもんばっか食ってるから、インスタントが口に合わなねーんだろ?」
彼は皮肉に笑って、コーヒーを飲みました。
「げっ、みゆき来てんじゃん。ハコ変えよ」
人が溢れかえるクラブのなかで、一緒にいた女の子が気遣うように私の手を引いて、場所を移動しました。彼女の言う「みゆき」が誰だかわからず、私は彼女に聞きました。
「みゆきって人と仲悪いの?」
「は?何言ってんの?」
セフレ関係でゴタゴタ喧嘩してたじゃん。
どうやら『みゆき』と仲が悪いのは、私でした。すっとぼけて「いつの話だっけ?」と聞けば「先週だよ」と返されて「もう仲直りしたの?」と呆れられる始末でした。
たぶん和解はしてないのだろう。
私が『みゆき』を忘れているから。
深夜に、人が壁を這いずり回る音がしました。
ぺたぺたぺたぺた。
当時、私が住んでいたマンションは、人が登ってこれるような高さではありません。最初は驚いて悲鳴をあげたり警察に通報しましたが、ベランダに人はいませんでした。
やがて私は、それが『幻聴』であることを理解しました。
小さい頃、母が死んだときに書いた『イチョウの木』を思い出しました。
ストレス耐性が低くなってきてる。しかも、よくわからないところで発症する。先生や弟のことは忘れてないのに、母が死んだ日の前後の記憶は消えた。ゆいとの思い出は深く根づいているのに、『みゆき』という子の接点はすべて忘れた。
自分の身に起こった症状をまとめて、ネットで調べてみました。
若年性健忘症
味覚障害
統合失調症
欝
さまざまな病名がヒットしましたが、医者には行きませんでした。診断書も病名もいらない。体の不具合や病気という名の肩書きを、自分を誰かに語りたいわけじゃない。
生活に問題のない程度の人格障害なら構わない。人に危害を加えなければ。私のこれはせいぜい、思い込むと火傷をするプラシボや、腹が膨らむ想像妊娠とおなじ部類だろう。
メンテナンスする必要はない。
ひとはみんな死のキャリアだ。
生まれた瞬間から死に向かって歩んでる。
歩く人もいれば走る人もいる。
どの症状にどんな名前があってどう体を蝕むのか知らないけど、自殺以外で死ねるなら本望でした。
◇
半年程度でしょうか。散々遊びました。
睡眠をあまり必要としない私の体は、無理をすれば無理をするほど馬車馬のように動きました。
本は何冊読んだだろう。一日で読破する量が5を越え10を越え15を越える。目が悪くなるからと自制できていた頃の私はいない。数時間後の予定さえ気分で決める堕落した日々だ。視力という代償は大きかったけど、狂ったように本を漁る日々は充実してました。
ある日、知り合いのADからこう言われました。
「出版社いけば?」
出版社。私はすぐに否定しました。
「無理ですよ。もう新卒じゃありませんし、四大出じゃないと採用してもらえないです」
「繋いであげようか?」
体の肥えたADでした。体積が大きくて、風船みたいに顔が膨らんでいて、なのに話す内容がおもしろくて、はっきり喋る。毒舌気味で学歴ばかりを気にする小さい人。中卒と言った私の嘘を信じてるくせに、私に本気で就職を勧めるひと。変な人。
「オレ、コネ多いんだよね」
ADは、身内が出版社の社長であることを話しました。
そこは『鬼社長』といわれる、有名な出版社でした。
◇
第一印象で「ダメだ」と思う相手がいます。
社長はそういう人でした。
「おまえ猫背?」
ADが取り持ってくれた食事会の、第一声がこれでした。
運悪く生理が始まった当日で、食前なのでロキソニンも飲めず、お腹を庇うように目を伏せていたとき、不意に言われました。私は背筋を伸ばしました。
「姿勢が悪くてすみません」
するとそこで、社長が私をじっとみました。
「いいね。いまここで『そんなことないです』とか的外れなこと言い始めたら、もう帰ろうと思ってた」
ああ、この人は苦手だ。
人の中身をしっかり見る人だ。
出会い系やクラブで出会った人間には総じて「中卒」と嘘をついていたため、何から何までを包み隠さず話したのは、久しぶりでした。名目上は「顔合わせのお食事」でしたが、社長から飛んでくる様々な質疑応答はほとんど面接でした。
若者の浅知恵だと、げんなりするような返答しかできなかった自分を悔やみました。
落ちたな、と何の感慨もなく思いました。
もう二度と、この人に会うことはないだろう。
◇
「やほ」
Y管理人はハリケーンみたいな人だ。
突然やってきて、突然消える。
彼女は約1年放浪した後、近所のスーパーから帰宅したみたいな軽さで帰ってきました。
私がY管理人の家に人を連れ込むことは一度だってなかったけど、寝室の扉をいきなり開けるのは本当にやめてほしい。
「おかえり、なさい」
「震災ごめんな。なんかしてほしいことあるか?」
人に何かを与える力がある人だから、こういう発想に行き着くのだろう。意外に優しく口の端を持ち上げたかと思うと、ベットの上で、ぎゅうっと抱きしめられました。
肉体的なコミュニケーションが嫌いな彼女が、こうして抱きついてきたのは初めてだったので、まずそっちに驚きました。
「おとうとが」
「うん?」
「しにました」
読んでいた雑誌を手放して、Y管理人の背中に手を回そうとすれば、彼女はさっと離れていきました。
「泣いた?」
泣いたっけ。
どうだったっけ。
新宿に別宅をもつY管理人は手ぶらで、髪からはシャンプーの香りがして、長い爪がキラキラしていて、一見ギャルみたいな人なのに、このひと東大から編入して海外行ったんだよなとか、どーでもいいことを考えて。
「Y管理人」
「んー?」
「舌がおかしい」
「はぁ?」
なんでそんなことを彼女に伝えたのか。
「甘いの食べると、苦くなるし、コーヒー飲むとすごいすっぱい。夜になると窓からぺたぺたおとがするし、なんか、記憶がおかしいの。わたし、むかしから、怖いことがあると、へんになっちゃって」
支離滅裂なその言葉を、Y管理人は黙って聞いてくれました。
人が与えてくれるもので生活しておきながら、いい大人の癖に社会にも出ず、大学も辞めて、失くしたものの大きさに精神を病んで、死にたい死にたいって願うだけのクズが、なにを言ってるんだろう。
一人前に稼いで、自分のお金で自由に生きて、私みたいな野良を養って、こんな立派な人間を目の前に、なんて浅はかな愚痴をこぼしているんだろう。捨ててくれと言ってるようなものだ。
ぼろぼろと喋りだした私の言葉を、最後まで聞いたY管理人は私をしっかり見つめました。
「終わりか?」
頷けば、腕をひかれました。
「病院いくで」
ああ、そうか。
Y管理人は先生じゃない。先生みたいに私のゆがみを自ら解析するような人じゃない。病院。
あたまがおかしいとおもわれた。
「おふろにはいりたい」
短く告げると、Y管理人は私を静かに見つめて、あかん、と否定しました。なんでよ、と笑って立ち上がれば、突き飛ばすように腹を押されてベットに倒れました。
「いま、財布と携帯みたやろ?どこいくつもりやねん、おまえ」
聡い人の、こういうところを苦手に思う。
【ボクと一条教授】
ボクは天才が嫌いだ。
◇
350年、誰にも解くことができなかったフェルマーの最終定理を、ボクはわずか10歳で習得した。
「今日はフェルマーの最終定理を教えます」
xn + yn = zn
黒板に書かれた文字を、ボクは手元のノートに書き写した。
「イコールで結ばれたxn + yn とzn は等しくなければいけません。それが、方程式の解をみつけるということです」
肉付きの薄い指がチョークを握る。一条教授は黒板の前に立っていた。図書館ほど広い部屋には、40を越える本棚と、3つの長机と、黒板がある。
「nが2である場合、フェルマーの定理には含まれません。それはなぜか」
「nが2の場合だと、x²+y²=z²になるからです」
「もう少し詳しく」
「直角三角形の、三平方の定理です」
「正解です。nが2の場合はフェルマーの最終定理には含まれません」
一条教授が黒板に向き直る。
x、y、zに3,4,5が代入されて、すべてが二乗される。
「3の二乗+4の二乗=5の二乗」
3×3+4×4=5×5
9+16=25
25=25
一条教授はn=2である場合を証明する。
「さて、ではnが2以外の数である場合を考えてみましょう。nは固定された整数です。たとえば3,4,5」
n=3,4,5
x、y、z=anknowns
ボクは、突如現れた英語に首をかしげた。
「きょうじゅ、英語が読めません」
「アンノウン。未知という意味です。数学では未知数として使用されます」
アンノウン。そういえばポケモンにアンノーンというキャラがいる。あれは未知という意味だったのか。ボクは隣の席のミキちゃんに教えてあげようとこっそり思った。ミキちゃんはいつもボクを「頭いいね」と褒めてくれるから好きだ。
「ではここで、ある数学の概念を紹介します。時計算術です」
「時計算術?」
「午前8時に会社が始まります。7時間働くと何時になりますか?」
「15時です」
8+7=15
黒板に簡単な数式が書かれる。
「時計で言うと?」
「3時です」
「どうして3時なのですか?」
「時計は1時から12時までしかないからです」
「そうですね」
8+7=15
On the clock↓
8+7=3
クロックは時計という意味だ。ボクは頭がいいから、身近なものなら英語でいえる。
「短針が12を越えると0になります。つまり13は1になる」
13→1 =13-12
14→2 =14-12
「これが時計算術です。数学ではモジュロ演算といいます」
「もじゅろ…」
「余り、という意味です」
13=1 modulo12
モジュロ、とはそう書くのか。またひとつお利口さんになってしまった。
「13は、12を法として1に等しいと表現します。原理さえわかれば、数は12である必要はありません」
教授は黒板に『素数』と書いた。
「覚えてますか」
「2,3,5,7,11です」
「言葉で説明すると?」
「1と自分以外で割り切れない正の整数です」
「1は素数に含めますか?」
「含めません。慣例として、1はすべての数の基準、単位のようなものです。だから最初の素数は2から始まります。偶数の素数は2だけです。それ以外はすべて奇数になります」
「パーフェクト。ちなみに素数はpで表します。覚えておきましょう」
p=2,3,5,7…と書き加えられた。ボクはノートにメモを取る。
「さて、フェルマーの最終定理での条件は、正の整数という条件で解を見つけることです。だけど、正の整数では解は…」
・
・
・
夢はそこで覚めた。
ボクは鈍器で後頭部を殴られ、気を失っていた。
「いててて…あれ?」
大変だ。財産の6割を投資して買った車が盗まれた。しかもうちの生徒に。
「あちゃー…」
あれは萩原彩未だった。
彼は理科Ⅲ類の生徒で、稀にみる天才だ。教授が書いた論文の矛盾を指摘しては嬲るようにニヤニヤしていた横顔を覚えてる。性格が悪いのだろう。医学部は楽しくないと言っていた。たぶん彼は医学ではなく人に興味がないのだと思う。
そういうところも一条教授にそっくりだ。
「…うーん。どうしよう」
車がない。ということは家に帰れない。世界が終わるまで、あと3時間。
交通機関が機能しているとも思えない。
ボクはしばらく駐車場に立ち竦んだあと、自転車置き場に並べられた自転車の鍵を確認した。
◇
その塾は山のてっぺんにあった。
一番高いところにそびえる屋敷を、個人塾だと知ったのは小学生にあがってからだ。肝試しと称して忍び込んだボクたちに、「いまは開講時間外です」と声をかけてきたのが一条教授だった。お化けだとおもったボクは、あのとき死ぬほど驚いた。
この寒空のした、自転車を走らせて教授の家を訪ねると、彼は目を丸くした。
「これは大変だ」
「すみません大変なとき」
「客用のコーヒーを切らしてるのですが、ダージリンでも構いませんか?」
3年ぶりに会う一条教授は、相変わらずの天然だった。
◇
この世には、天才という言葉でしか説明できない存在がいる。それが一条教授だ。
彼は大学で研究室に入り、学士を取得し、大学院前期・後期課程を終えて博士号を手に入れた。
助手時代は人生で一番過酷だったらしい。時間外労働が100時間にも及び、実験機材の修理や実習指導に忙殺されたという。人間が苦手な一条教授は、好きな分野で嫌いな人間と関わらなければいけないラボの仕組みを恨んだと語る。
教授という職業は、おおよそ60歳なかごろで定年を迎える。20年に1回のペースでポストが空くのだ。
一条教授は優秀な論文を発表し、数学という分野にしてはかなりの最短距離で、教授の座についた。彼は生まれながらにして学術に秀でていた。教授は数学を愛していたし数学もまた教授を愛していた。
彼は天才だ。
客室ではなく、なぜか教室へと通された。
あのころと変わらない位置にある黒板、机、本棚。ボクが塾生として通っていた頃から、一秒たりとも時を刻んでいないような教室は物静かで、世界の終わりなんて来ないんじゃないかと思うほどだった。
「教授は、死ぬのは怖いですか?」
「それは肉体が滅びることについての質問ですか?」
教授との会話はいつもこうだ。質問の質が悪いと質問返しを喰らう。ボクはあの頃と同じ席に着席した。机を挟んで、教授が正面に回りこむ。
「そういえばミレニアム懸賞問題のあれ」
机の上にマグカップを置いた一条教授は、おもむろに言った。
「全問解きましたよ」
ボクは椅子をひっくり返して立ち上がった。
「本当ですか」
「本当です」
「アナタは数学界の神だ」
「キミは昔から私を神聖視するきらいがありますけど、直したほうがいいですよ」
「肝に銘じておきます、来世で」
あと数時間しか持たない地球を、このとき初めて恨んだ。ミレニアム問題とは、アメリカのクレイ数学研究所が100万ドルの懸賞金をかけている、7つの未解決問題である。すべての説明を聞きたいのに時間がない。
一条教授は優雅に足を組んでボクをみた。
「どの証明がみたいですか?」
聞けるのはひとつだけ。
ボクは悩まずリーマン予想を選択した。
リーマン予想を砕いていえば、規則性のない素数の並びに意味をみつけることである。『数とはなにか』という根源的な問いだ。
素数とは、この大宇宙が従う自然法則にかかわる、人間の知性を超えた数字である。これはボクと教授の共通する考えだ。
素数は単体でみると美しくない。2,3,5,7,11,13…。みるからに無秩序である。しかし、この無秩序な素数の存在が集まると、宇宙の究極の美、円を作りあげる。この事実は、素数が自然界の構成要素であることを示唆している。
リーマンはゼータ関数によって、素数の並びに意味はあるか?という漠然とした問いを、すべての0点は一直線上にあるか?という数学の問題に焼きなおした。
黒板に書かれた文字を、ボクは手元のノートに書き写した。
「イコールで結ばれたxn + yn とzn は等しくなければいけません。それが、方程式の解をみつけるということです」
肉付きの薄い指がチョークを握る。一条教授は黒板の前に立っていた。図書館ほど広い部屋には、40を越える本棚と、3つの長机と、黒板がある。
「nが2である場合、フェルマーの定理には含まれません。それはなぜか」
「nが2の場合だと、x²+y²=z²になるからです」
「もう少し詳しく」
「直角三角形の、三平方の定理です」
「正解です。nが2の場合はフェルマーの最終定理には含まれません」
一条教授が黒板に向き直る。
x、y、zに3,4,5が代入されて、すべてが二乗される。
「3の二乗+4の二乗=5の二乗」
3×3+4×4=5×5
9+16=25
25=25
一条教授はn=2である場合を証明する。
「さて、ではnが2以外の数である場合を考えてみましょう。nは固定された整数です。たとえば3,4,5」
n=3,4,5
x、y、z=anknowns
ボクは、突如現れた英語に首をかしげた。
「きょうじゅ、英語が読めません」
「アンノウン。未知という意味です。数学では未知数として使用されます」
アンノウン。そういえばポケモンにアンノーンというキャラがいる。あれは未知という意味だったのか。ボクは隣の席のミキちゃんに教えてあげようとこっそり思った。ミキちゃんはいつもボクを「頭いいね」と褒めてくれるから好きだ。
「ではここで、ある数学の概念を紹介します。時計算術です」
「時計算術?」
「午前8時に会社が始まります。7時間働くと何時になりますか?」
「15時です」
8+7=15
黒板に簡単な数式が書かれる。
「時計で言うと?」
「3時です」
「どうして3時なのですか?」
「時計は1時から12時までしかないからです」
「そうですね」
8+7=15
On the clock↓
8+7=3
クロックは時計という意味だ。ボクは頭がいいから、身近なものなら英語でいえる。
「短針が12を越えると0になります。つまり13は1になる」
13→1 =13-12
14→2 =14-12
「これが時計算術です。数学ではモジュロ演算といいます」
「もじゅろ…」
「余り、という意味です」
13=1 modulo12
モジュロ、とはそう書くのか。またひとつお利口さんになってしまった。
「13は、12を法として1に等しいと表現します。原理さえわかれば、数は12である必要はありません」
教授は黒板に『素数』と書いた。
「覚えてますか」
「2,3,5,7,11です」
「言葉で説明すると?」
「1と自分以外で割り切れない正の整数です」
「1は素数に含めますか?」
「含めません。慣例として、1はすべての数の基準、単位のようなものです。だから最初の素数は2から始まります。偶数の素数は2だけです。それ以外はすべて奇数になります」
「パーフェクト。ちなみに素数はpで表します。覚えておきましょう」
p=2,3,5,7…と書き加えられた。ボクはノートにメモを取る。
「さて、フェルマーの最終定理での条件は、正の整数という条件で解を見つけることです。だけど、正の整数では解は…」
・
・
・
夢はそこで覚めた。
ボクは鈍器で後頭部を殴られ、気を失っていた。
「いててて…あれ?」
大変だ。財産の6割を投資して買った車が盗まれた。しかもうちの生徒に。
「あちゃー…」
あれは萩原彩未だった。
彼は理科Ⅲ類の生徒で、稀にみる天才だ。教授が書いた論文の矛盾を指摘しては嬲るようにニヤニヤしていた横顔を覚えてる。性格が悪いのだろう。医学部は楽しくないと言っていた。たぶん彼は医学ではなく人に興味がないのだと思う。
そういうところも一条教授にそっくりだ。
「…うーん。どうしよう」
車がない。ということは家に帰れない。世界が終わるまで、あと3時間。
交通機関が機能しているとも思えない。
ボクはしばらく駐車場に立ち竦んだあと、自転車置き場に並べられた自転車の鍵を確認した。
◇
その塾は山のてっぺんにあった。
一番高いところにそびえる屋敷を、個人塾だと知ったのは小学生にあがってからだ。肝試しと称して忍び込んだボクたちに、「いまは開講時間外です」と声をかけてきたのが一条教授だった。お化けだとおもったボクは、あのとき死ぬほど驚いた。
この寒空のした、自転車を走らせて教授の家を訪ねると、彼は目を丸くした。
「これは大変だ」
「すみません大変なとき」
「客用のコーヒーを切らしてるのですが、ダージリンでも構いませんか?」
3年ぶりに会う一条教授は、相変わらずの天然だった。
◇
この世には、天才という言葉でしか説明できない存在がいる。それが一条教授だ。
彼は大学で研究室に入り、学士を取得し、大学院前期・後期課程を終えて博士号を手に入れた。
助手時代は人生で一番過酷だったらしい。時間外労働が100時間にも及び、実験機材の修理や実習指導に忙殺されたという。人間が苦手な一条教授は、好きな分野で嫌いな人間と関わらなければいけないラボの仕組みを恨んだと語る。
教授という職業は、おおよそ60歳なかごろで定年を迎える。20年に1回のペースでポストが空くのだ。
一条教授は優秀な論文を発表し、数学という分野にしてはかなりの最短距離で、教授の座についた。彼は生まれながらにして学術に秀でていた。教授は数学を愛していたし数学もまた教授を愛していた。
彼は天才だ。
客室ではなく、なぜか教室へと通された。
あのころと変わらない位置にある黒板、机、本棚。ボクが塾生として通っていた頃から、一秒たりとも時を刻んでいないような教室は物静かで、世界の終わりなんて来ないんじゃないかと思うほどだった。
「教授は、死ぬのは怖いですか?」
「それは肉体が滅びることについての質問ですか?」
教授との会話はいつもこうだ。質問の質が悪いと質問返しを喰らう。ボクはあの頃と同じ席に着席した。机を挟んで、教授が正面に回りこむ。
「そういえばミレニアム懸賞問題のあれ」
机の上にマグカップを置いた一条教授は、おもむろに言った。
「全問解きましたよ」
ボクは椅子をひっくり返して立ち上がった。
「本当ですか」
「本当です」
「アナタは数学界の神だ」
「キミは昔から私を神聖視するきらいがありますけど、直したほうがいいですよ」
「肝に銘じておきます、来世で」
あと数時間しか持たない地球を、このとき初めて恨んだ。ミレニアム問題とは、アメリカのクレイ数学研究所が100万ドルの懸賞金をかけている、7つの未解決問題である。すべての説明を聞きたいのに時間がない。
一条教授は優雅に足を組んでボクをみた。
「どの証明がみたいですか?」
聞けるのはひとつだけ。
ボクは悩まずリーマン予想を選択した。
リーマン予想を砕いていえば、規則性のない素数の並びに意味をみつけることである。『数とはなにか』という根源的な問いだ。
素数とは、この大宇宙が従う自然法則にかかわる、人間の知性を超えた数字である。これはボクと教授の共通する考えだ。
素数は単体でみると美しくない。2,3,5,7,11,13…。みるからに無秩序である。しかし、この無秩序な素数の存在が集まると、宇宙の究極の美、円を作りあげる。この事実は、素数が自然界の構成要素であることを示唆している。
リーマンはゼータ関数によって、素数の並びに意味はあるか?という漠然とした問いを、すべての0点は一直線上にあるか?という数学の問題に焼きなおした。
世界には必ず法則がある。その法則はすべて素数で証明することができる。素数を理解することは、宇宙を理解することである。
2時間半にも及ぶ証明だった。
ボクは手が痺れるほど紙に数字を書き並べ、一条教授はチョークの粉で手が真っ白になるほど丁寧に説明してくれた。
「…以上。リーマン予想の答えです」
数学的に厳密な証拠が解明された。
人類史上最大の数学の難問は、一条教授の手によって美しく解き明かされた。
かたつむりの渦巻き、台風、銀河など、自然界のあらゆるところでみられる螺旋の形が、一本の線で繋がった。素数には完璧な調和が存在した。
「なにか質問はありますか?」
「…あ、りま、せん」
「そうですか」
そう言って、教授はチョークを置いた。
地球最後の日、ボクは宇宙を支配する物理法則を理解した。
圧巻の一言だった。数学界に君臨する一条教授をぼんやり眺める。この男は神だ。彼の頭脳には宇宙を支配できる数学が広がっている。
どうして今日、世界は彼を讃えずに終わるというのだろう。ちっぽけな島国の、海が面する田舎の小さな塾に、宇宙の謎を解き明かした神がいるということを、誰も知らない。これは地球だけの問題じゃない。
もし地球外に生命体がいるとするなら、我々は彼らにこの証明を託す義務がある。ボクは手が痺れるほど紙に数字を書き並べ、一条教授はチョークの粉で手が真っ白になるほど丁寧に説明してくれた。
「…以上。リーマン予想の答えです」
数学的に厳密な証拠が解明された。
人類史上最大の数学の難問は、一条教授の手によって美しく解き明かされた。
かたつむりの渦巻き、台風、銀河など、自然界のあらゆるところでみられる螺旋の形が、一本の線で繋がった。素数には完璧な調和が存在した。
「なにか質問はありますか?」
「…あ、りま、せん」
「そうですか」
そう言って、教授はチョークを置いた。
地球最後の日、ボクは宇宙を支配する物理法則を理解した。
圧巻の一言だった。数学界に君臨する一条教授をぼんやり眺める。この男は神だ。彼の頭脳には宇宙を支配できる数学が広がっている。
どうして今日、世界は彼を讃えずに終わるというのだろう。ちっぽけな島国の、海が面する田舎の小さな塾に、宇宙の謎を解き明かした神がいるということを、誰も知らない。これは地球だけの問題じゃない。
「実は、私がリーマン予想を解いたのは、二年前なんです」
耳を疑った。
ボクは一瞬、燃えるような怒りを感じたが、すぐに考え直して感情を押さえ込んだ。
たとえばもし、宇宙のすべてを支配できる鍵をボクが握っていたとしたなら、想像を絶するほどに恐ろしいだろう。教授は世界の真理を解読した。眠れない夜もあっただろう。
複雑な感情が顔に出たのだろう。
一条教授はボクをみてにこりと笑った。
「頭の良し悪し、とは一体なんでしょう?」
「は?」
「キミが思う『頭が良い子供』とは?」
「…遺伝子、でしょうか」
「好奇心ですよ」
一条教授は言い切った。
「世界に不思議がなくなってしまったら、子供の楽しみがなくなってしまうでしょう?」
◇
昔、将来のゆめについて、教授に相談したことがある。
たしか高校生の頃だ。なれるものとなれないものが分別できるようになった年頃で、なりたいものの険しさを突き付けられた時期だった。
数学の教授になりたい。
ボクは教授にそう言った。
学校の進路相談では医者を目指すといったそのくちで、本音を吐いた。
博学で、頭が良くて、ボクが疑問に思うことすべてに答えをくれた、一条教授と同じものになりたかった。自分の探究心をとことん極めたかった。
『なりたいものが決まったなら、備えなさい』
教授は言った。
彼の言葉に、どれだけ支えられただろう。
小さい頃のボクは無敵だった。
一条教授という虎の威を借る子狐だった。
天に向かって燃え上がる炎を、ボクはじっと眺めていた。
図書室ほどの大きさの教室にガソリンを撒いたのはボクだ。足腰の弱い一条教授は「キミは健康だねえ」とボクをねぎらった。ボクは苦笑いしながら、だだっ広い教室の隅々にガソリンをぶっかけた。小学生のころに興味本位で眺めた本、受験のときお世話になった赤本、一条教授が大金をかけて手に入れた絶版書。
ありとあらゆる場所に、思い出が詰まってる。
複数のセミが一斉に鳴くのを聞きながらえんぴつを握り締めた夏期講習、雪の降る日に何度も往復した冬期講習。受験合格した春。気を抜いて進学クラスから外れた秋。
濡れていく紙をみて、少しだけ泣いた。
『本当に、いいんですか』
『はい。ありがとうございました』
数学と共に眠りたい。
それが一条教授の、望んだ最期だった。赤本を指先でなぞりうっそりと微笑む教授の瞳に、ボクは映っていない。
『数学は私の一番の友人ですから』
昔のボクなら言っただろう。どうしてそんなことをするんだと。子供は死が一番怖い。人生を歩むうえで、命より貴いものをみつけた大人の気持ちなんて、きっと微塵も理解できない。あの頃のボクは、命が有限であることの尊さを知らなかった。
一条教授と過ごした季節を思う。
肉親より親友よりボクの人生に影響を与えたただ一人の存在。
燃え盛る炎の先端を、瞳に焼きつける。
この世の英知が燃えている。
天才とは、なんて寂しい生き物なのだろう。己の死すら笑顔で受け入れてしまった一条教授の孤独を思う。彼は数学に愛され、彼もまた数学を愛していた。
一条教授は生涯、一度もボクの名を呼ばなかった。
「う…あ、…っ、……」
教授の死を悲しんで膝を折り、顔を覆うボクの涙を、彼は知らない。なんのためにここに来たのか、知ってる癖に知らないふりをした彼が憎くてたまらない。
ボクは天才が嫌いだ。
一緒に逝くことを許してくれなかった一条教授の、つめたい優しさが心底嫌いだ。死を弔えとボクに命じた教授が嫌いだ。
地球が終わるまで、あと1時間。
数学と共に先に逝った一条教授に、ボクは静かに黙祷を捧げた。
fin.
あなたはいきて
高校、卒業式。
私は花を呼びだして、式をサボりました。3年間通った思い出の学び舎です。
なんの感慨もない終わりでした。
卒業式という1日を欠席しただけなのに、ぼんやりとした、中途半端な終わりに感じました。入学式や卒業式といった門出を大事にする意味がわかりました。区切りが曖昧だと気持ちも曖昧になる。
一度決断すると高校なんて二度と足を踏み入れたくないトラウマの地でしたが、大学に卒業証明書を提出しなければなりません。
私は校舎から人が消える時間まで、花と時間を潰していました。
「大学に行っても遊んでくれる?」
花は言いました。私は都内の大学へ、花は地元の大学へと進学が決まっていました。
「いいよ」
私は軽い口調で同意しました。
「じゃあ、私が呼んだら必ず来てね。私が呼ぶまで連絡してこないでね、したら切るから。粘着質な人は嫌いだよ」
その言葉をきいて、諦めたように笑った花を覚えてます。
昼を少し過ぎた頃に、花と別れました。
花と会った最後の日でした。
◇
高校を受験するときに願書を提出したロビーで、私は卒業証書を受け取りました。
なんて呆気ない3年間だろう。校内に在校生は残っておらず、閑散とした光景が広がっていました。
思い残すことはない。帰ろう。
と、思った瞬間。
腕をガシッと掴まれました。
「ハァイ」
フレンドリーに片手をあげて私を見下ろす、生物学の教師に捕獲されました。
「うわ…」
「よお、なーに裏口から卒業証もらっちゃってんだぁ?コソコソしやがってこのやろう、一生もんだぞ」
教師は私の卒業証をまんまと奪い取って歩き始めました。
「ちょ、それ必要なんですけど!」
「はぁ~?何に?」
「大学の証明書に!」
「おまえ頭良いのに馬鹿だねぇ」
裏口から入った私は当然、校内シューズなど持参しておらず、教師はわざと校内を歩いていきました。在校生がいたらどうしよう。ためらう気持ちは強かったけど、まあ教師と一緒なら攻撃されることはないだろうと腹をくくって、教師のあとに続きました。
教師は真っ白でボサボサのきのこ頭をふわふわさせながら、校内を探索するように隅々まで歩きました。
「特進ってさあ、なんで学校の合鍵持ってんの?」
「…自分は、委員会の鍵閉め当番のとき、間違えたふりして持って帰りましたけど」
「いや、鍵当番が生徒の部屋はね、もう諦めてんのよ。おまえらの悪知恵に対策とっても無意味だし。問題はさ、空き部屋とか南京錠の鍵とかが出回ってることなのよ。なんで屋上入れるやついるわけ?」
「屋上の鍵は、なんか代々受け継がれてるとか」
「へぇ~。流派みたいだなぁ~」
校内には誰もいませんでした。
手足がひょろりと長い教師は、目的のない雑談をしながら体育館に移動しました。
椅子と椅子の間にできた通路をひょろひょろ進み、教師は体育館のど真ん中で、筒から卒業証書を取り出しました。
「卒業証書!授与!!!」
「……え~…」
「以下同文!!!」
「いや、前の人いないし」
笑いました。
なんて雑な授与なんだと思いながら、気遣われてるんだなあと思い、卒業証書を両手で受け取ろうとしたら
「……ん?」
教師が卒業証書を手放さない。よって私も受け取れない。
「先生、授与。授与して」
「………。」
「せーんせ?」
「高校は」
教師は証書から手を放して、私の頭をぐしゃぐしゃと撫でました。
「高校は、苦痛だったか?」
どうしてこんな言葉で、と、思いました。
ゆいが私を遠ざけても、クラスメートが私を死ねと罵っても、逃げる場所すべてに追いかけてくる過激な女子がいても、私は泣かなかった。弱音を吐けば崩れる。慰めなんてひとつもない孤独な場所で、一人で泣くほど虚しいことはない。
「さいあく…」
過呼吸にちかい、暴力的な苦しみでした。
痛いことは耐えられる。だけど不意に与えられるやさしさに脆い。ぼろぼろと壊れたように泣きました。
「学校じゃ、ぜったい泣かないように、してたのに。マジでさいあく。ありえない…」
「おー。泣け泣け。卒業っつーのは、そういうもんだ」
なにも知らないくせに。
私のことなんて何も知らない、他人なんかの言葉で。
◇
教室に教科書や荷物を置いて帰るな、という教師の言いつけを潔く聞き、私は自らの教室を訪れました。黒板には『卒業おめでとう』の文字と、生徒全員のなまえが書かれていました。
私の名前はだれが書いてくれたんだろう。クラスメイトとして名が記されていたことが、すこし嬉しかったです。
机を整理していると、机の中から四つ折の紙がでてきました。レポート用の便箋です。二枚重なって折り込まれていました。
『先輩へ』
手紙でした。一目で「ゆいの文字じゃない」と直感して、気持ちが萎えました。
手紙には良い印象がなかったので捨てようかとも迷いましたが、先輩へ、ということは後輩がくれたものでしょう。私は2年までテニス部に所属していたので、あのときの後輩のどれかかと思い、警戒心を解いて、畳まれた紙をひらきました。
そこにはぐちゃぐちゃな文字が並んでいました。相手の名前はありません。
内容も要点がまとまらず、初めて手紙を書いたのだろうと伝わる不器用さがありました。
それはラブレターでした。
テニス部に入部して一目ぼれしたこと、実は私と接点のある人間だということ、図書委員で私が書いたPOPの小説を読んだこと、部活の休憩時間に私が罰ゲームで踊った「くるみ割り人形」に感動したこと、私が苛められていたことを知ってること、なんども声をかけようと思って挫けたこと、やがて私に花やラクなどができて安心したこと、ずっと憧れていたこと。
たぶん男子からの手紙でした。
硬式テニス部は男女混合で仲が良かったことを覚えています。ゆいと出会い、部活は二年の夏で辞めてしまいましたが、あそこにも多くの記憶が詰まっていたことを思いだしました。
文章の終わりまで名は明かされず、好きです、ではなく、憧れでした、と書かれてました。
『がんばってください』
最後は励ましの言葉で締めくくられた手紙を静かに畳み、私はゆいの机を眺めました。
ゆいは優しい子だった。
母親との確執、どうしようもない憤り、日に日に疲弊していくゆいの力ない手を握り返してあげられるのは、私だけだと思ってた。
もう一度、必要とされたかった。
毎日一緒にいて、誰よりも優先して、あの子のためにすべてを捧げたかった。今まで盲目的に渇望していた愛情を、頭の先から爪先まで浸透させるような、彼女の深い執着が欲しかった。
私にとって、この高校は苦痛だっただろうか。
教師のことばを思い出しました。
私は苦痛だっただろうか。ゆいに「死ね」と言われたあのとき、死のうと決意できたのは、絶望に心折られたからだろうか。
答えなんて、考えなくても決まってました。
◇
「高校は楽しかったです」
職員室に行っても生物学室に行っても捕まらなかった教師をようやく見つけたのは、三階の廊下でした。教師は受け取ったことばを聞いて「ああそう」と流したあと、「屋上入りたい?」と私を誘いました。
「オレが担当したクラスがさ、最後にクラス全員の集合写真が欲しいっつって、屋上いきてぇって駄々こねたんだよね」
「はぁ」
「オレ学年主任だから権限あるし、許可しちゃったけどね」
◇
屋上は、一言でいうと普通でした。
あと金網が低かったです。胸元程度。危険防止というより「ここから先は足場がないよ」という区切りみたいなもんでした。あらかじめ人が立ち入ることを視野に入れてないつくりです。
「不登校の生徒を屋上に連れこむって、先生馬鹿でしょ。私が勢い余って飛び降りたらどうするんですか」
「なんで飛び降りんの?学校楽しかったんでしょ」
揚げ足を取る人だ。
「自分の持ってるもの10個言ってみ」
「はい?」
「10個いえたら帰って良い」
この教師は私がテニス部だったときの顧問でもあるんですけど、飄々としていて何を考えてるのかまるで理解できないことが多々ありました。
「…頭がいい、家がお金持ち、弟が優秀、友達が美男美女、尊敬できる恩師がいる…」
10個きっちり言い終えたところで、教師が言いました。
「難儀だなぁ」
教師は胸ポケットからペンを取り出すと、私の首元に人差し指をひっかけて、リボンを盗みました。突然のことにぎょっとした私の頭を軽く叩いて、教師はリボンにペンを滑らせました。
「人の制服に落書き!?」
「もう使わないでしょ。…あ、ついでにおまえのこと心配してた奴らの名前も書いとこ」
「ちょっとおおお!!」
返されたリボンには沢山の名前と、それから10個の数字が書いてありました。
「なにこれ」
「オレん家の番号。おまえが将来、いつかどこかでポキッと折れたら、電話しなさい」
「え、家電?」
「携帯は変わるけど固定電話は安全だろ?奥さん出ると思うから、ちゃんと『○○高校でお世話になった教え子です』って説明しろよ」
「電話なんかしないと思いますけど」
「それが一番なんだよ」
教師とは、それから少しだけ話して、グランドの風景をながめたあと別れました。
私はもう一度、自分のクラスに戻りました。
そして席に座り、手紙の返事を書きました。
届ける当てはありません。私は手紙の返事を書き終えると、それを破ってゴミ箱に撒きました。
自己満足です。
もらうばっかりは嫌でした。
そのとき、ゴミ箱のなかに、ゆいのシューズ袋を見つけました。
私は手紙を撒いたあと、シューズ袋を拾い、彼女が手書きした名前の部分をはさみで切り取って、財布の中にしまいました。
教師に言った言葉は嘘じゃない。
私は、この高校にきたからこそ、人を好きになった。
ゆいとの出会いを、不幸なんて呼びたくない。
私は不幸なんかじゃない。彼女がすきだ。とてもだいすきだ。こんなにもこんなにも人を好きになることができて、もしかしたら世界でいちばん幸せなのかもしれない。
私は生涯、彼女を誇ろう。
目覚めたくない朝は、彼女が歩むだろう輝かしい一日を祝福して、眠れない夜は、彼女が私に分け与えてくれた優しさを思い出そう。
がんばってください。
名前も知らない後輩の声が、聞こえた気がしました。
◇
高校からいちばん近い海に、携帯を投げました。
中学はソフトボール部だったので遠投は大得意です。二つ折りの携帯はポーンと半円を描いて、海のそこに沈んでいきました。
私の携帯に番号を登録しなかった先生は確かに正しい。
さよなら高校生活。
さよなら。
◇
義母はずっと、私の取り扱い方に悩んでいたような気がします。
義母には連れ子がいました。私にとって、父の血を引いた腹違いの男の子です。弟と同い年の弟でした。
父は、私たち兄弟が生まれた頃から、別のところに家庭があったんです。
崩壊していく家庭を再構築するより、よそで新しい居場所を作った父を責める気はありません。
ただ、父が死ねば財産が残る。これでもう父を殺せなくなりました。私が父を殺せば、相続権は弟に引き継がれず、義母や義弟に流れる可能性が強くなります。
新しい母について、どう思うかを弟に聞いたことがあります。
「悪い人じゃない」
そうだね、と同意しました。
私もそう思う。
会食に出かけるときは私に服をプレゼントして、以前猫を飼っていたのだと知れば猫を買ってくれた。クッキーの作り方も教えてくれたし、私が好きな小説家を自宅パーティーに招待してくれた。私の誕生石に、螺旋型の羽がついた光の粒を描く弟の絵を「きれい」と褒めた。
親切な人だった。私たち兄弟を家族として馴染ませようと必死だった。普通の女だった。本物の母になろうと必死だった。必死になればなるほど食い違った。
私はエメラルドの誕生石より弟のアクアマリンを好んで身につけていたし、弟がキャンパスに描いたそれは死をテーマにした儚いものであり母の評価はあまりにも的外れだ。理解の及ぶ範囲が狭い。
なるほど、と思いました。
父はこういう人が好きなんだ。
母が死んで以来、体の一部が崩れた女の絵ばかり描く弟も、破けた制服で帰ってくる放浪僻もちの長女も、ゆっくりと遠ざけていった父の気持ちを理解しました。
大学に行かなくていい。
そう言われたとき、父の愛情を感じました。
進む方向性が定まらないなら結婚しなさい。その言葉さえ、支えあえる人がいるなら寄り添えと、そういう、意味だと。
簡単でした。父は極めて自分本位なひとだ。変なものには関わりたくない。それが家族だったとしても。
実家をでよう。誰の力も借りずに生きていこう。
決意の夜、私は弟の部屋を訪ねました。
「実家にはもう帰らない。連絡も取れなくなる。たぶん、家族とは二度と会わない」
縁を断ち切りたかった。生きる上で、すべてのものが負担でしょうがなかった。
弟は静かに頷きました。
「オレも、大学は都内受ける。いつかどこかで会えたら、なんか奢ってよ」
翌日の早朝、私は家をでました。たった一人の、血の繋がった兄弟だけが、私の家族でした。岩手に弟を残して、私は東京に行きました。
◇
まず風呂です。風呂。私はどうしても風呂に入りたい。そのためには家が欲しい。大学が始まるまで、あと二週間。どうしよう。
携帯で書いていたブログに、自分の所在地を書きました。写真つきです。パシャー。うんとかわいく盛りました。
【家出しました。誰か拾ってくだしゃあし】
その頃の私には3つ、運営していたものがあります。それぞれリンクは繋がず、各々が独立したサイトでした。
1、ブログリの創作ブログ・管理人リアル
2、レイヤー活動を書いた日記
3、書き溜め小説置き場
私は「レイヤー日記」に書き込みしました。家出女子というレッテルの貼られた未成年に、馬鹿な中年がひっかかればラッキーです。私は心の底から風呂を渇望してました。24時間入らないのは無理。死んじゃう。
すぐさま返信がきました。
『いまなにしてるの』『どうして家出しちゃったんですか?><』『都内住んでるけど来る?』
『ウケる(笑)アクティブですね!』『レイヤー活動はやめちゃうんですか?』
【スタバでだーくもかちっぷなう】
『意外と優雅ww』『上京早々に都内満喫されてるwwさすがですww』『お金大丈夫ですか!』『無駄遣いの覇者かよ…』『飼ってあげるからうちおいでー!』
長期滞在させてくれそうな人間を選抜して、振るいにかけました。アイコンが萌えブタきもい、信者系女子アウト、50歳以上論外。
なかなかいない。
私を拾ってくれる玉木宏似イケメンも、心優しいボランティア系美女も。
「おー。まじでおった」
スタバで隣に座ったお姉さんが、ひょこっと私の顔を覗き込んで言いました。
びっくりして顔をあげれば、黒髪長髪の、スタイルの良いおねーさんがダーク・モカチップを持ってひらひらと私に手を振りました。
「一年ぶり~。ん?半年か?ようわからんけど久しぶり」
私の地方では耳にしない方言。驚くほどの美人。ゆいと張るほどのアイドル顔。人類女子平均を45点としたら、この人はぶっちぎりの95点台越え。上の上。
こんな美人知らない。
「…私こっちの人間じゃないんで、人違いですよぉ」
「スタバでだーくもかちっぷなう」
目の前に携帯画面をつきだされ、そこには私の日記と写真が表示されてました。
「ほれ、この記事消しーや。おまえどんだけ綱渡りすんねん。風呂入りたいんやろ?サンシャインにスパあるから、そこ行こか。とりあえず、これ飲んだら服と下着買うで」
「あ、えっと、購読者の方ですか…?」
「まあな。熱狂的ファンやで」
「コメントくれましたか?」
「そんなめんどいことしてない」
美人はケタケタ笑いながら、私の質問に答えていきました。
私は相手が購読者(受信側)だと決め付けて喋っていたのですが、彼女と話している間にだんだんと妙な確信がでてきました。この、人を弄ぶような会話の仕方、なんとなく覚えがある。
コメントや感想メールのような一方的なものではなくて、もっと身近で、もっと最近。
「…Y管理人さん?」
美人は豪快に笑いました。
「あんだけ熱心にメールくれたんに、うちのこと分からんとか切ないわ~」
これがY管理人との初対面でした。
◇
Y管理人は速やかに私を回収すると、一日で身の回りのものをすべて整えてくれました。服も携帯もご飯もパソコンも、Y管理人が与えてくれました。
「おまえ残金いくら?」
「30万ちょっとです」
「なら無駄遣いやめろ。うちがおまえの世話に飽きてポイ捨てしたとき用にとっとけ」
与えられたものに翻弄されながら、女が女を囲う理由について考えました。
「なんでこんなに買ってくれるんですか?」
「財力があるから」
「なんで優しくしてくれるんですか?」
「タイミングが合致したから」
Y管理人は言いました。
「仕事辞めてん。んで、おまえのブログ読んでたら、ちょうどおまえが徒歩圏内に来とるっちゅーから、じゃあ迎えに行かんとなあ思て」
優しくて冷めた人でした。自分が与えたものに見返りは求めず、だから余計に、手放すときにも一切の躊躇いもみせず切り離す、そういう人です。
「いいか。うちは超絶飽きっぽい。どんだけ執着されても邪魔なときは捨てる。情でなんとかできる人間やない。地雷踏まんよう気ぃつけや」
Y管理人は、ゆいが紹介してくれた創作サイトの作者です。
戦争、同性愛、尊厳死、宇宙、自然破壊。観察と考察の行き届いた筆で描かれる文章の数々は圧巻の一言で、言葉にはこれほどの破壊力があるのかと感銘を受けました。心の琴線がやわらかい学生時代に読んだ彼女の文章は、いまでも財産です。
彼女は某有名大学出身で、その後は外資の職について世界を転々としてました。
私の、創作物+日記というスタンスは彼女のやりかたを真似たものです。
交流期間は2年程度。週末にチャットを3時間・メールのやりとり数百回。
身柄を保護してやろうと献身的になれるほど親しいわけじゃありません。
◇
Y管理人はトップ企業の某検索サーチ社員でしたが、なんか突然クビになったから暇んなった、と簡潔に説明しました。
「つーことで自分探しの旅がしたくて」
「はあ」
「アゼルバイジャンいくで」
「ん?」
どこそれ。
こうして高校卒業から大学入学までの二ヶ月間、Y管理人と共に海外を飛んで回りました。
◇
私の身近にはぶっ飛んだ人間が多かったですが、彼女はその筆頭です。
「タヒチと言えば!」
「…ゴーギャン?」
「というわけで移動すんで~」
「タヒチに!?」
「海みたいねん」
「モルディブじゃだめなんです!?」
どうして地球を急降下してタヒチに行きたがるの!
「なんかダリが見たくなったわ」
「バルセロナ出るときに!行き残した場所はないかと!私さんざん聞きましたよね!?」
そしてサンツ駅に向かう途中、バルセロナからフィゲラス(ダリ美術館があるとこ)までの電車乗車時間が1時間と聞いた途端。
「ありえん。萎えた」
どうしてこう無計画なのか。
「次はフィレンツェ行きたいわ」
「どうして!フランスにいるとき!言わないの!!!」
inノルウェー。
Y管理人が破天荒極まりないという事実を、旅行三週間目くらいに確信しました。
◇
Y管理人がシアトルに行きたいと駄々を捏ねたので、私たちはロサンゼルスの空港で別れました。
「家は適当に使っていいから。もう半年したら帰るわ」
Y管理人は1年半帰ってきませんでした。連絡が途絶えたときは死んだかとさえ思いましたが、ときどき思い出したように自宅配送されるお土産の品々と口座に振り込まれる金をみて『彼女は連絡無精なのだな』と理解しました。
入学式には帰国が間に合わず、大学デビューは完全に出遅れました。
オリエンテーションを受けなかった私は、履修登録もさっぱり意味が分からず、かといって友達がいるわけでもなく、しょうがないので学生センターまで赴き、適度に説明を受けた後、自分のクラスへ向かいました。
大学はとにかく広い。図書館が大きいのは個人的に嬉しかったです。あと、学習部屋が夜遅くまで空いていること。緑がきれいなこと。
「おー!!!」
クラスに向かう途中、前方からピンク色の髪をした男がひらひらと手を振ってきたので、私は無視して素通りしたのですが、捕獲されました。
「おまえ探したわ~。入学式いねえんだもん~。つか卒業式もサボったろ?どんだけ不良っ子なんだよ」
「髪の毛がピンクの男に知り合いはいません」
「イメチェンしました。かわい?」
「腹立つ」
ラクです。彼が同じ大学に通っていることは知ってました。
この大学は準特進の子たちが多く受験している1つです。
◇
「痩せすぎ。食べろ」
ことあるごとに食べ物を勧めてくるラクの甲斐あって、私はみるみるうちに肥えていきました。
「ラクのせいで太った」
「ばっかおまえ、女は柔らかいくらいがちょうど良いんだよ。おまえ身長いくつ?」
「162」
「よし、53キロ目標」
ラクの履修登録を丸写しした結果、授業はすべてラクと同じサイクルで回り、必然的につるむようになりました。
ラクは愛想が良い奴です。
裏表がないオープンな性格と、ポジティブで行動力のある男の子。人に不快感を与えない言動に加えて、長身、細身、猫眼という三拍子が女子に人気だったような気がします。なんだか憎めない、無自覚に人を操る天性のタラシです。そうして人を魅了する天性の才があるラクの周りには、いつのまにか人が集い、気づけば20を越える大所帯になってました。
「たまり場ほしくね?サークル作るか!」
鶴の一声でした。ラクは自分が率いて動くというより、周りを動かすことに長けた男です。
署名運動も部長も別の人間にやらせて、自分は責任のないポジションで悠々と楽しんでました。
やがて半年という時間を経て、我々『天文サークル』が完成しました。
◇
ブログは趣味の範囲に達してました。
通学途中はずっと携帯を眺める日々。コメントに返信して記事を更新。拍手を設置。管理人リアルを創立。アキラくんの『相対性進化理論』と私の『小さい頃には神様がいて』は常にランキングの上位を張っていました。
創作ブログは、大学生の男の子を主人公が一人暮らしをはじめるところからスタートします。
普通の大学生が日常を過ごして、人と出会って、さまざまな思いを抱いて、恋をする。
起伏の少ない日常。仲の良い家族、傍にいてくれる幼馴染。私の理想でした。
読者も定着して、興味のある何人かには自分から声をかけました。
たのしかったです。とても。
ランキング1位のアキラくんと2位の私は、裏でひそかに交流を図ってました。
「馴れ合いとか言われんの嫌だから、ブログには書くなよ」
言いつけは守りました。私たちは飲みに行ったり、カラオケに遊びにいったり、交流を読者に公開することなく、密やかに楽しみました。
メールより電話、電話より対面。お互いの率先的な姿勢が合っていたのかもしれません。アキラくんは男性よりかっこいい女性でした。GADGET GROWのブランドが好きで、センスのあるシルバーアクセサリーを身に纏い、しっかりとした定職に就いていて、トークも切れる。
「ネットで知り合った人間に車の番号把握されていいんですか?私数字強いですよ」
「小娘になにができんだよ。おまえにだったら住所教えたって問題ないわ」
攻撃的な性格なのに引き際がうまい。知識が豊富で機械につよい。好奇心・向上心がある。会いたいと甘えればなんだかんだで時間を作ってくれるし、電話も自分からは切らない。話が弾む。居心地が良い。たのしい。すごくすきだ。
ああ、やばいな。
「私、アキラくんのこと好きですよ」
「あー。自分昔から女の子にモテんですよ。ガチなやつ断るけど」
依存先を失くした私には、アキラくんの存在はまぶしすぎました。
会うたびに、もう会わないほうがいいと思いました。車で送ってもらうたび、離れたくないと駄々をこねて、何度も何度もすきすき言っては困らせて。
恋愛対象というより、姉に甘えるような感覚でした。アキラくんは怒らない。なんだかんだ言うくせに甘やかしてくれる。
この人はぜったい、私には惹かれない。
そういう強さが好きでした。
私は徐々に、アキラくんから離れていきました。
◇
夜は毎晩クラブで遊びました。大学のメンバーともブログの人間とも違う、第三の居場所。
最初はデイイベに通い、場の雰囲気を知ったあとハコを移しました。まだ未成年でしたが、mixiで知り合ったDJにチケットを貰い、私はゲストとして割引券を提示することで簡単に入ることができました。
そこで出会った女の子が歌舞伎でキャバ嬢をしてると聞き、その時給の素晴らしさに、彼女と同じキャバクラで働き始めました。
体入の翌日に本入した私が初めて掴んだお客さんは、ヤクザの偉い人でした。彼は本当に飲み方が綺麗な人で、私に様々なことを教えてくれました。酒の飲み方、男ウケする話題、危険な薬の見分け方、インカジの引き際。
彼はお金を惜しみなく投資してくれる人で、二ヵ月後のバースデーではシャンパンタワー+カルティエの時計をプレゼントしてくれました。
「新人育てるんの好きなんだよね」
週3日6時間で働く私が一ヶ月に稼ぐ額が40万を越えたころ、彼は私から指名を外しました。
◇
人恋しさが募って、なんども人と肌を重ねました。
一晩のひともいれば、食事を交えてデートをする人もいるし、一時的な寂しさを埋めるために寄り添った人もいます。
昼は友達に囲まれながらサークル合宿の行き先を話し合い、休日は隣を歩く年上の恋人が赤坂ホテルのビュッフェに連れてってくれて、仕事は美しいドレスを纏い男の人にちやほやされて、夜は不定期に集まるグループと騒ぎ明かして、趣味で始めたブログは人気急上昇中。
どこにいても私は人から「好きだ」といわれる。
大学生活は「平和」の一言でした。
私はもう、あれだけ激しい感情に苛まれることは、二度とないだろう。
空気か水のように求め合い、思春期ならではの危うさに、どうしようもないほど魅せられ、身体も心も支配されえたまま、一生一緒にいたいと思い詰めた。
一過性の感情だ。
きっと。
もう大丈夫。
私はきっと大丈夫。
連続した災難に疲弊して心を閉ざしていた頃の自分を、「アダルトチルドレンだった」と客観的に思えるほど、心は回復していきました。
もう子供じゃない。
大切なものを次々と取り上げられても、我慢することしかできなかったときの、私じゃない。
ないものねだりだったのかもしれない。
母に愛されず、友に見捨てられ、恩師が突然他界した。
ただそれだけ。
ただそれだけ。
◇
三人目に死んだのは、弟でした。
弟だけじゃない。
義母も、花も、生物教師も。
私が関わった人のほとんどが死にました。
東日本大震災。
津波が、私の住んでいた地域を直撃しました。
◇
携帯を捨てたばかりに、家族との連絡が取れなかった私が、最初に知ったのは花の死でした。
「アイツ、死んだって」
ラクが教えてくれました。
どう返事をしていいかわからず、うん、とだけ答えました。
そうか。
あの子は死んだのか。
そうか。
そのあとも続々と届く知り合いの訃報に、私たちはどうすることもできないまま日々を過ごしました。最初は空元気をみせていたラクも、次第に痛々しいほど憔悴していき、ついに大学にこなくなりました。
目を離せば死ぬのではないか。共通した危うさが、私とラクの間にはあったのでしょう。
友達は定期的に連絡をくれました。たぶんラクにも同じ連絡がいっていたでしょう。
大学から、父から電話が来たと連絡が入ったとき、私は飛び出すように家をでました。
父は仕事で岩手を離れていて、義弟は旅行でパリに行っていたため、災害を免れたそうです。
義母は運悪く、海岸沿いの友達の家へ。
私の弟は家にいました。
ひとりで絵を描いていたそうです。
弟は、一人ぼっちで死んだ。
彼の最期を聞いたとき、あまりにも大きすぎる喪失感に、気が触れました。
私は三階から飛び降りました。
しかし死ぬことはなく、運悪く花壇に落下して、近くを通りかかった人に救急車を呼ばれました。3階程度じゃ死なない可能性のほうが高い。そんなことさえ考えつかなかったほど、突発的な行動でした。
左足の踵骨破裂したのと、頭を軽く縫っただけ。
入院中、だんだんと落ちつきを取り戻した私は、ラクと一緒に岩手に帰りました。
ラクは、私の入院理由を聞くと笑って
「オレも腕切ったけど死ねなかった」
腕をみせました。
そこには白い包帯が巻かれていました。
「静動脈切ったくらいじゃ、死ねないよ」
「…うん。だから頭骨動脈狙って切ったんだけど、骨が邪魔でだめだった。あとから首の頚動脈切ればよかったって気づいたけど、もう怖くてできなかった」
私たちは弱い。
死ぬ覚悟さえ、できやしない。
生きるって、どうしてこんなに苦しいんだろう。
◇
いろいろと迷った結果、花の実家は、ラクとふたりで訪れました。
花の実家は波に流されることはなく、友達と遊びに出かけていた花は、運悪く波に呑まれたそうです。
花の母親はラクを知っていました。夜遊びした日は必ず、男子の誰かが花を送ってました。花のお母さんはフィリピンの人で、私はそこで始めて、花がハーフだったことを知りました。
「あの子と仲良くしてくれてありがとう」
深々と頭を下げられました。
花のお母さんは、私の名前を知っていました。
「あの子、3年生のころずっと、アナタのことを自慢してたの。すごく可愛い女の子と親友になったって。ディズニーランドで、みんなでお揃いのキーホルダー買ったって」
ちがう。そんなんじゃない。
泣きながら話をする花の母をみて、私は死ぬほど苦しい後悔に苛まれました。
私は花なんてどうでもよかった。卒業するまでの時間潰しに選んだ相手だっただけで、あの子のことなんて全然大事にしなかった。花のことをブスと呼んで、気晴らしに連れまわして、私は花を一度だって「友達」として扱わなかった。
きれいごとでまとめられた花の思い出話を聞きながら、私は花との思い出を振り返りました。
花は、どんな子だっただろう。
なにが好きで、誰と仲良くて、どういう人が苦手で、何色を好んで、どんな性格だっただろう。あれだけ一緒にいたのに、なにも知らない。興味すら抱かなかった。
視界が滲み始めたとき、花の母親は穏やかに笑いました。
「ありがとうね。あの子も、今日アナタがきてくれたことを、喜んでるわ」
私は、きっと恨まれてる。
私が連絡するまで連絡してくるなと告げたあのあと、花は私に電話しただろうか。
もし電話をしたなら、接続されない通話に何を感じただろう。
もし辛抱強く私からの連絡を待っていたなら、鳴らない携帯に何を思っただろう。
私はどうして人の気持ちを理解できないんだ。
ゆいにばかり気をとられて、失くしたものだけを指折り数えて、傍にいてくれるひとを見ていなかった。私は被害者ぶった加害者だ。いつだって自分のことしか考えてなかった。
動物を殺してもなにも思わなかった頃の自分から、一歩も成長できてない。
何度繰り返すんだろう。
同じ失敗を、同じ後悔を、同じ痛みを。
たくさんの死に触れて東京に帰った私は、大学の退学届けを受け取りに行きました。
最初に死んだのは母でした。
母は、死ぬまで私たち兄弟と向き合わなかった。
私はたぶん、死に触れることの多い子供だったように思います。
◇
母は『家庭』に対する憧れが強く、我が子がほかの子供より秀でたときはすごく喜んでくれましたが、反面、怒ることの一切を放棄した人でした。私が友達の自転車を壊したときも、弟が友達の頭に石を投げて怪我を負わせたときも、すべて金で解決させました。
母の怒りの矛先は父でした。
浮気を繰り返す父を恨み、猜疑心に支配された心で父を監視する瞳を覚えてます。
「ねえ、妹が欲しい?」
欲しい、と返事をすれば抱きしめてもらえる。だから私はいつも同意しました。
今思えば、母にとって子供とは、父を繋ぎとめておく手段だったのかもしれない。
「いい子だね」
世界で一番好きな言葉でした。
◇
聡明な弟が家庭に見切りをつけるのは早かった。彼は趣味をみつけました。大人になった今でも続けている趣味です。彼はこんな家庭で育っておきながら、うまいこと逃げ道をみつけました。
私は逃げられませんでした。私は母の愛が欲しかった。
◇
小学校。ハウスキーパーが母に、子供を塾に通わせてはどうかと打診した。私が習字を辞めた翌月でした。母と過ごす時間が欲しくて習字を辞めたいと駄々をこねる私に「賞を取れば習い事を辞めていい」と条件をだされ、私は早々に成果をだしました。
やればできる子供。その自覚があった。要領が良い子供だとよく言われました。教師に評価されてもなんとも思わなかったけど、評価された私を誇る母が好きでした。
ハウスキーパーは、そうした私の挙動を見抜いていたんだと思う。目敏い女でした。
彼女がどうして私の歪みに気づいたかはわかりません。母が触れた猫を窓から落とした瞬間を見られたのかもしれないし、弟とセックスしたのがバレたのかもしれない。
理由は定かじゃありません。だけど彼女は確かに『母・私・その他』という箱庭で生きる私の排他的な思考を懸念していた。
私の身を案じてくれた最初の人間。
いまなら理解できます。
だけどあの頃の私には敵でした。
勉強なんて一人でできる。その気になれば一番なんて容易い。聞けば、父も子供の頃から優秀だったという。私はそんな父の遺伝子を継いでいた。人と同等の努力で人一倍をこなせる。私が一番になればなるほど母が頭を撫でてくれる。母が抱きしめてくれる。母が。
母が。
「おとうさんがえっちなことをするときにこれをつかってました。使い方を教えてください」
私にはセックスの知識があった。母の居ない日、女を連れ込んだ父がベットでしていたことを覗き見たし、弟とそれを実践した。
「おとながえっちするときは、これ使うんですよね?」
寝室に隠されていたコンドームを一枚持って、塾の先生に質問しました。強制的に塾に通わされるようになった私が、先生の異常性に気づくのは早かった。この人なら答えてくれる。
先生はコンドームの端を掴み、光に透かすようにひらひら振ると
「…はぁ」
と気が抜けたように答えました。ひょろっと長いからだでふらふら歩き、んー、と唸るのは先生の癖です。先生は部屋の中で短い距離を歩いた後、ふらふらと私の前まで戻ってきました。
「長年個人塾を営んでいますが、性教育をするのは初めてですよ。ちなみにアナタ、初潮は迎えましたか?見たところ色々と育ってない気がするんですけど。来てないならコレはつけなくても大丈夫ですよ」
先生は変な人だった。
子供と同じ目線に立ってくれる大人といえば聴こえはいいけど、たぶんあれはそうじゃない。単純に子供も大人も平等に『人間』として扱う人でした。大人に敬遠される大人です。
「ぼくがセックスを経験したのも学生時代でしたが、最近の子供は早いですね~。ぼくが子供の頃は小学生で性行為に耽っている子はいなかったなあ」
ダメとは言われませんでした。それどころか、いまの身体なら生物学的にリスクはないという説明さえされました。
「どこのだれからゴムをもらったか知りませんが、男性はエチケットとして自らが装着するものです。それでも使い方が知りたいですか?」
私が頷くと、先生は気だるそうにペットボトルを持ってきて、実地で説明してくれました。
小学校4年生にしてゴムの裏表を知り、感触を覚えた私は、きっと早熟な方でしょう。一通りの説明を終え、手を洗ってゴミ箱にゴムを捨てた先生は、嫌なものをみる目で私をみました。
「アナタはあれですね。前世の記憶を持ったまま子供に転生した女みたいな雰囲気がありますね」
「頭が良いからですか?」
「その歳で人を差別するからです」
家庭環境に問題がある子、というのを、先生は知っていたんだろう。塾は家から歩いて3分程度の近場にあり、派手で若い母のヒステリックな怒鳴り声は近所で有名でした。
「いやだなあ。ぼく、女ってきらいなんですよ。強欲でがめついくせに自立心がない。アナタの家の子がうちに通うと聞いたとき、てっきり弟さんが来ると思ってました。長女であるアナタを育てたところで、跡継ぎにはなりませんから」
嫌いなものを嫌いという私の性格は、この人の影響かもしれません。先生は「弟さんは勉強に興味はないんですか?」と、生徒である私より弟に興味を示す始末でした。
「弟は絵の先生のところに行きました。塾に通わなくても勉強できる子なので大丈夫です」
「アナタもできる子の部類ですよ。勉強は好きですか?」
「大好きです」
母が褒めてくれるから。
◇
私はその次の日、『ハウスキーパーが家に男を呼んでふしだらな行為をしていた』と嘘をつきました。
コンドームのなかには卵の白身を泡立たせたものを仕込み、くちを縛ってゴミ箱の奥に捨てました。保険として作っただけで、見つかるかどうかは賭けでしたが、大人はきちんとそれを発見してくれました。
大人はまんまと私を信じました。
証拠があったからです。
私が捏造した証拠です。
ハウスキーパーは、身に覚えの無い嘘に動揺して言い訳していました。しかしやがて出てきた証拠に、信じられないものをみるように私をみて、それから諦めたように謝りました。
「どうしてこんなことしたの?」
ハウスキーパーが家を出ていくとき、彼女は一度だけ私に聞きました。
私は何も答えませんでした。口は災いの元です。
◇
「アナタのお母さんは、馬鹿な女ですね」
長年雇っていたハウスキーパーが辞めさせた頃、先生は言いました。人の子供に「おまえの母は馬鹿だ」と告げられる大人は、この世に何人いるでしょう。憤るより反論するより、まず驚きました。ひとさまの家の内部事情に、これだけズガズガ踏み込んでくる大人も珍しい。
「ハウスキーパーの話聞きましたよ。ゴムの使用方法について聞いてきたのはそういうことだったんですね」
「………。」
「ぼくは心理学を学んだことはないので、発達心理についてはまったくわかりませんが、アナタがお母さんの影響を受けて歪んでることは、なんとなく理解できます。お母さん以外に信頼できる大人はいませんか?」
学校の先生、という子供らしい答えに騙されてくれるほど、先生は単純じゃありません。
「誰もいません」
◇
父に飼ってもらったインコのぴいは、くちばしを粉砕して釘を喉に押し込んだらすぐに死んだ。雑巾を絞るようにインコの身体をねじれば足がもげて臓器がでた。きもちわるい虫も一緒にでてきたので、父のおにぎりに混ぜてみた。金魚をすり潰して混ぜたこともある。五穀米にひじきと少量の混合物。
父は両方喜んで食べた。
腹も壊さなかった。
人間は簡単には死なないらしい。
そうだ、死ねばいいのに。
母を悲しませる父は死ねば良い。
母は私が大事にしよう。
私が愛してあげよう。
行き場のない不安は、だんだんとおかしな衝動を帯びるようになっていました。
◇
当時、一番仲の良かったひまわりちゃん。◇
彼女を実験台にしました。ひまわりちゃんは明るくて優しくて、学級委員長をつとめる社交的な子です。だれもひまわりちゃんを嫌いなひとなんていない。だからこそターゲットにしました。
悪意を育てる実験。自分がどう振舞えば多くの人から「賛同」を得られるのか計りたかった。
誰にでも好かれるひまわりちゃんに、多くの悪意が向けば、それは私の功績です。
だってひまわりちゃんを嫌いな人なんていないんだから。
まず嘘はダメだ。あのハウスキーパーは利口だからこそ黙ったのだ。自分の立場がこれ以上汚れないために、ヒステリックな母に何を言っても通用しないと悟って、嘘を受け入れた。今度は事実を作らないと。その上で被害者に回る。
私は当時流行っていた「不幸の手紙」を友達の下駄箱に入れました。
『すべての内容を書き写して、一番仲が良い友達に回しなさい。回さなかったり誰かに話したりした場合、アナタは死ぬ』
ちょうどよかったのでぴいを捻り殺したときの写真も添えました。期限は三日。書き写しが手間にならないよう、短い内容にしました。
それにも関わらず、回ってきたのは三日後でした。ほかの子に回したかと不安でしたが、ひまわりちゃんはちゃんと、一番仲がいい私に回してくれました。
彼女が二日間、どんな思いで試行錯誤したのかを思うだけで愛しかったです。
私は写真を処分して、手紙だけ先生に報告しました。「こんなものが回ってきた。死にたくないけど、仲が良いお友達が死ぬのもいやだ」泣くのは簡単です。喋ってるうちに心が盛り上がってきます。その衝動に身を任せて泣けば良い。
学級会が開かれました。
私に手紙が回ってきたこと。
私がそれにショックを受けたこと。
かなしかったこと。
傷ついたこと。
私はそんなこと一言もそんなことを先生に言ってません。語られるそれらすべては先生の予想です。
話を聞きながら、ひまわりちゃんは苦しそうにうつむいていました。犯人を見たものは、白紙の紙に匿名で犯人の名を書けと先生が指示したとき、泣き出しそうな顔で私をみました。私は「ひまわりちゃんじゃないことは信じてるよ」というふうに笑ってあげました。
クラスメート達は興味心身に私たちをみていました。不幸の手紙の内容が「一番仲が良い友達に」だったからです。私たちは一番仲が良い。
私は匿名でひまわりちゃんの名を書きました。習字を習っていた私は、色んな文字の書体をマスターしていて、書き分けなど造作もないことでした。
ごめんねひまわりちゃん。ごめんね。
殺さないだけマシだと思って。
◇
数日後、私が呼びかけなんかしなくても、うわさは広まりました。
私がしたことは、ただ何も言わずにつるむグループを変えただけです。ひまわりちゃんを責めたわけでも、ひまわりちゃんが犯人だと言い触らしたわけでもなく、ただ静かにひまわりちゃんのもとを離れました。そしたらクラスのなかでカーストの高い男女が勝手に勘違いして、正義の名の下にひまわりちゃんを断罪してくれました。
「可愛い子が親友だから、きっとムカついたんよ。ひまわりちゃん可愛くないもん」
イジメは簡単でした。私は可愛かった。人に愛される容姿をしてました。人を操縦するのに、見た目ほど有効なものはない。
ひまわりちゃんは学校にこなくなりました。
私はなにもしてません。私たちがしたことは同罪です。互いに手紙を回しあった。ひまわりちゃんと私は、同じ行動をして、違う結果になっただけです。
◇
私がどんなに母を求めても、母は生涯、私をみることはないだろう。
諦めたのは小学校の高学年になってからでした。母は狂ったように父のことばかりで、全然私を見てもくれない。求める心に虚しさを混じり始めた頃です。
「先生はどうして先生になったんですか?」
「頭が良いからです」
「人を殺したことはありますか?」
「あったら今頃刑務所です」
「結婚はしないんですか?」
「ぼくより魅力的なひとがいるなら、明日にでも」
数学を愛する先生の美学は独特だった。三角形の内角180度を美しさの完成形として称えるし、地面に落ちてる松ぼっくりをみつけると「フィボナッチ数列ですねえ」としみじみ言って語りだす。
「先生はどんな人が好みなんですか?」
「そうですね。まず私の言葉の意味を即座に理解できるひとですね。1,1,2,3,5」
「……8」
「いまのアナタは好みですよ」
「犯罪ですよ」
先生が三平方の定理に欲情すると言っても私は驚かない。逆に「人には勃たない」と言われたほうが納得できるかもしれない。
私と30歳離れてる先生には不思議な色気があった。人類でひとりだけ三大欲求のサイクルから外れたような、不思議な気高さがあった。
「ぼくは昔から自分だけの世界で自己完結できるエコ型人間なんですよ。世間から孤立しても人に嫌われてもどーでもいい。アナタみたいに、内心で衝撃を押し殺すような繊細さもない。心に空洞があるのかもしれませんねえ」
「先生は変な人ですもんね」
「アナタは「変な人」になっちゃダメですよ。大多数と同じ意見を持てるなら、それに越したことはない。理性が正常で感性が狂ってるひとが一番生きづらいんです」
「先生はどっちですか」
「私は両方正常です」
「うっそだぁ」
先生が居場所になり始めていた。
母が私をみなくても、父が外で遊んでようとも、私には先生がいた。
特別を作らない先生がいた。
生徒が私一人だったことも幸いしたのだろう。週3回、4時間の塾は、私にとって気楽な場所だった。ドラマの話をしなくていい、好きな男の子の話をしなくていい、テストでひとり百点を取ったとき「すごい」と言われて「そんなことないよ」と謙遜しなくていい。
私は小学生のころカブ隊(ボーイスカウトの年少版)に所属していて、海外に行った経験もあってか、『小学校』という閉鎖的な空間が苦手でした。
同学年は知能が低い。同じ歳の同じ経験しか持たないコミュニティでまとまってるから感性の発達が遅い。対等に扱ってくれる大人が周囲に居ないから低脳で我侭。とにかく話が合わない・合わせなくてはいけないの連鎖で、窮屈に思っていたことを覚えてます。
◇
母が自殺したのは冬でした。
いつかはやるだろうと確信し始めた季節だったように思います。破滅の足音が近づいてきてる事を悟ってました。
母は父の目の前で首を切って死んだらしい。お喋りなハウスキーパーが教えてくれました。父が二週間帰らなかった日の夕方でした。
私が感情を封鎖した、一度目でした。
私はこの一件に関する前後の記憶がありません。学校で何があったかも、そのあとでいつ引っ越したのかも。人は本気で忘れようとすると、本当に忘却できるんだなあと思います。
◇
小さかった頃、文字の練習用に日記をつけていました。
母が死んだ日の日記には、まるで何事もなかったかのように学校のことと『イチョウの木』の話が書かれていました。
家の裏に立つ立派な大木。
『イチョウの木』には一言だけ添え書きがありました。きれいとかおおきいとか、その程度の。
日記は一日も欠けることなく書き進み、『イチョウの木』はたびたび出没してました。『イチョウの木』の太い幹について、絵が添えてあることもしばしば。
日記からはだんだんと文字が減り、途中から文字より絵が優先になり、最後は絵だけに変わりました。お絵かきはぜんぶ『イチョウの木』です。最後のページには、100を超える『イチョウの木』が描かれ、塗り潰されていました。私が記憶している限り、こんなものを書いていた記憶はないし、そもそも家の裏に『イチョウの木』なんてありません。
◇
父は、不良品を取り替えるような迅速さで再婚しました。
高校に上がる頃、家族はバラバラでした。私は相変わらず同じ塾に通い続け、先生の独特さに当てられた生徒が減ったり増えたりするのを見ながら、ぼんやりと日々を過ごしました。
冬が好きでした。母が死んだ冬が好き。静かになる冬が好き。
高校に進学して、ひとりの女の子に出会いました。
高校一可愛い、同じくクラスの女の子です。華やかで美人、明るくて笑うと口元にえくぼができる子。お父さんが警察官でお母さんが銀行員の、円満な家庭に生きてる子。
1年から3年まで同じクラスでした。私の運命をガラッと変えた子です。
◇
うちの高校は1組が特進クラスで、成績が落ちない以上3年間固定されたクラスで卒業を迎えます。うちのクラスは『群れずつるまず表面的には仲良く』という風でした。どうせここにいるメンバーとは大学も被るから無難にやろう、という考えが透けて見えて面白かったです。
私の一人行動は「マイペース」の一言で片付けられました。
かわいいという事実だけで、人に与える印象は常に良好でした。美人というほど近寄りがたさはなく、連れて歩けば「可愛い」とナンパされる程度の、中の上。愛想は良いしオシャレもする。いつも一人でどっか行っちゃうけど、数合わせのキープに囲っておけば男が釣れる。
そんな理由で優しくしてくれる人は多かったです。私もそれで構いませんでした。
一年の一学期、私は図書委員となって早々に部屋の合鍵をつくりました。
授業をサボり何度か忍び込んでいるうちに、司書の先生に見つかり図書主任に呼び出されましたが、先生は何かを勘違いして「つらいときはいつでも来ていい」と許可をくれました。
私はつらいことなんて何もなかった。
「高校は楽しいですか?」
「楽しいです」
「そう。ぼくも人生のなかで高校時代だけは楽しかった」
先生もきっと、ひとに恵まれた、という楽しさではなかったでしょう。
「成績もキープできてますし、バイトでもしてみたらどうですか?」
「先生はバイトしたことありますか?」
「葬儀屋で」
「葬儀屋」
その話がとても面白かったので、私も働いてみました。居酒屋、花屋、ケーキ屋、巫女、映画館の受付、和服屋さん。働いてみて思いました。私は働くことが苦ではない。タイムテーブルが埋まるほど精神が安定する。これはいい。
「忙しいのが気持ちいいです」
「マゾヒストの気質があるのかもね」
お菓子を食べながら勉強を教える塾を、羨ましがる友達がいた。特進クラスは常に普通クラスに落ちることに怯え、効率の悪いやつは自分を高める努力を二転三転させます。ひとつの場所さえ極められない人間が、境遇をころころ変えたところで結果は同じだろう。
私は二年に進学しました。
◇
学校に、一際騒がしいグループがありました。
モデルみたいな男女が終結したメンバーで、学年もクラスもちがう、接点が見えない寄せ集めの一団。そのなかに彼女はいた。
彼女には噂がありました。
エイズを発症したという噂です。
美人にして特進クラス。親は警察官と銀行員。異彩を放っているメンバーのなかでも、彼女は群を抜いて異端でした。とても性で遊ぶ馬鹿には見えなかったのでただの噂だろうと気にも留めませんでした。彼女自身にもさして興味はなかったです。
ただ、彼女のことは1ミクロンも知らなかったけど、彼女を成す名前の音はきれいだと思ってました。華やかな彼女の風貌を一言でまとめたように美しい名です。
羽柴唯。
便宜上、いちばん近い名前を設定しておきます。
ゆいと初めて接触したのは二年に進級した春でした。他校の男子と遊んだり初詣に行ったりするとき、車を持つ大学生と繋がってるゆいの幅広いネットワークは便利でした。
「羽柴さんエイズなの?」
「ちがうよ~」
「やっぱり?」
「HIVのキャリアなだけ」
ゆいはさっぱりした口調でいいました。彼女の病気に触れたことは、この一回限りです。
「私もずっと聞きたい事あったんだけど、お母さん自殺したときどんな気持ちだった?」
秘密を共有すると新密度があがるというのは本当でした。
私とゆいは急速に仲良くなりました。
特進以下って馬鹿じゃない?
海外どこ行った?
○○さんってうちの銀行希望してるから媚はんぱないんだよね。
警視庁進む男はとりあえずブックマークしてる。
ねえねえ薬やったことある?
じゃあセックスは?
私とゆいが足を絡めるようにくっつけば、一部のミーハーはきゃあきゃあ騒ぎ、私たちは面白がってわざと色香を匂わせる行動をしてました。歳の割りに色気のあるゆいと絡むと、男も女も私たちを注目しました。その視線が気持ちよかった。
「セックスしてきてよ」
ゆいが言いました。
お金が欲しいから身体で稼ぎたい、でもひとりじゃ不安だから一緒にやって欲しい。私の中でゆいの存在が大きく膨れ上がっていたころでした。
「わかった」
処女は、学年一かっこいいと騒がれていた男子で捨てました。ゆいがはじめてセックスした相手だったからです。
何度か登場するので名前をつけておきます。
むかしブログで使っていた名前です。
らく、です。
堕落の「ラク」です。
ラクは私を抱くとき、嬉々としていいました。
「ゆいちゃんと同じ抱き方されたい?」
このひとは性格が悪い人だ。
人生でもう二度と関わりたくないと思ったこの人とは、いまでも時々連絡を取り合う仲です。
◇
ゆいはわかりやすい愛情表現をする。贔屓にも独占にも躊躇いがない。だれとどこで何をしていたか逐一聞いて、気に食わなければ怒って、なのに心を病むことがない。
欲しいものや好きなものに貪欲な姿は潔かった。表立って私に執着するゆいに「大変だねえ」と声をかけてくる人は多かったけど、私だって同じくらい彼女への愛は深かった。
自分が人に執着される性質であることは、この頃くらいに理解した。
いろんなひとが私を好きだと言ってくれたけど、私はゆいじゃないとだめだった。
ゆいが勧める薬を迷うことなく飲んで、ゆいが嫌う子をいじめて、ゆいがお揃いのものを欲しがれば同じものを身につけた。彼女の好きなものを好きになり、彼女が嫌うものを嫌った。
ゆいはそういう人間だった。私の自己犠牲を愛してくれた。
マゾヒストの気質があるのかも。
先生が言っていた言葉を思い出した。
私は半年間、塾に行っていないことに気がついた。
◇
「髪が伸びましたね」
久しぶりに訪れた塾の景色は、相変わらずだった。何一つ変わっていない。変わったのは私の体重と、髪色と、化粧だ。私は見られることを意識するようになっていた。
先生は今までと変わらない態度のまま、小テストを行いました。
結果は散々でした。
「うっわ、アナタしばらく見ない間に馬鹿になりましたね。数学ほど自身の怠惰を顕著に現すものはありませんよ。まだ特進クラスですか?」
言われて、自覚した。
今日、学校でゆい以外の人間と会話しただろうか。
先生は上から下まで私をみて思いついたように「セックスしました?」と聞いた。
「アナタ、依存できる人を見つけたんでしょう。バイトはいくつ辞めました?あれだけ大事にしてた弟さんとは会話をしてますか?勉強時間は意識してますか?」
大変だ、と思いました。
大変だ。おかしい。どう考えてもおかしい。バイトと学校に行っているときの記憶がない。ゆいの一挙一動しか覚えてない。
私はあったことを素直に話しました。母が死んだときのイチョウの絵の話も、記憶になにかしらの障害をきたしていることも。ついでに動物を殺害した経験、死体を飲食に混ぜて父親に食べさせた経験、ひまわりちゃんを苛めたこと、初体験は弟であること。
先生は一言も口を挟まず、ちぐはぐに言葉を飛ばす私の話を最後まで聞いてくれました。
「人を殺したいと思ったことはありますか?」
先生は教科書を読むような静かさで私に聞きました。それが逆に怖かった。
「私は、あたまがおかしいですか?」
純粋な殺意だけなら誰だって抱く。私の問題は実行したことだ。小さいことだけど、人はまだ殺してないけど、生き物の命で実験した。疑問を抱かなかった。よくないことだ。
「兆候はあると思います」
先生は、曖昧な言葉で私を遠ざけなかった。病院に連れてくことも、異常者として詰ることもしなかった。
「合理的でありなさい。常識は知識として持っておきなさい。自分の異常性を人に話すのはやめなさい。自分の感情をコントロールできる強さを持ちなさい」
「精神論じゃ、わかんないです」
「アナタは道の真ん中で服を脱がないでしょう?これが理性です。脱ぎたくなる自棄や衝動が感情です。迷ったら、アナタ自身の物差しで測らずに、一般的に正しいか間違ってるかを考えなさい」
先生は、今までの私の行いを誰にも言うなといいました。
「表面上だけなら、アナタは良い子ですよ」
そうだ。
私は『良い子』だ。
だから大丈夫。
◇
それから私はブログで日記を書くようになりました。
自分の過ごした日々を刻むように、足跡をしっかりと残しながら、前に進めるように。前向きでした。正しく歩もうと必死でした。
最初は閲覧から始めました。ランキング上位にあるブログを片っ端から読み漁り、参考にさせてもらいました。なかでも目を引いたのが、同性の恋愛を創作するブログ『創作ブログ』というカテゴリでした。実際の同性愛者のブログは、じめじめだらだら重いものばかりでしたが、比較的ポップでサクサク進むこのジャンルは純粋に楽しめました。
なかでも上位の『相対性進化理論』さん。
作者・松本アキラ
ユニークで話に落としどころのある話は賑やかで面白く、いろんなキャラの目線から沢山の話が織り成されていくさまは巧みでした。いいな。このひとと接触したい。
私はすぐにサイトを立ち上げました。
ネットで使う名前。ネットを漂うとき呼称として使われるなまえ。反応しないといけない言葉。
母の旧姓にしよう。この苗字をもじろう。
『小さい頃には神様がいて』
千羽理人
初めてのオリジナルキャラです。サイトはみるみるうちにランキング上位に登りつめ、とある炎上をきっかけに、アキラさんから個人連絡をいただき、内心「やった」と思いました。
はじめまして、相対性進化理論の松本アキラです。こちらのブログの読者が、そちらで批判コメントを残したと知ってご連絡差し上げました。正直、すごいショックです。ご迷惑をかけてしまい申し訳ありません。(>_<)
あと、実はオレも千羽さんのブログみてました←
頂いたメールは、普段のテンションと顔文字を最小限に抑えた風な文章でした。
創作ブログというからには、主人公のキャラ設定もあるんだろうと思っていた私は、案外、キャラそのままだった管理人さんに好印象を抱きました。
ブログで初めて「ファン」「読者」という繋がりを持った私は、彼らとはどのような距離感でどのように振舞えばいいかを学びました。
感覚的には、接するというより捌くといった感じです。ひとつの記事に対して5も10も頂く感想メールに、いちいち渾身丁寧に対応してたら話が前に進みません。だけど対応が悪いと定着率も悪くなる。迷った末、私は読者を選抜しました。興味深い人、礼儀正しい人、めんどくさく無さそうな人、私と気が合いそうな人。
どんなに抑えていても言葉には性格が現れます。そうしたものを知るきっかけになったブログでした。
ブログは楽しかったです。
だけど一度は正してもらった感性を、ぐちゃぐちゃに歪めたのは、ゆいでした。
◇
「セックスしようよ」
冬になると、ゆいはおかしくなった。発言に統一性がなくなって挙動が落ち着かなくなる。プリクラを撮ってる途中で「トイレに行きたい」と言ってボックスから出たり、ファミレスでドリンクを取りに行くと告げて帰宅することもありました。
ちょっとおかしい、なんて柔なものじゃない。異常だった。
「…はあ?」
「セックスだよ。私、女の子のこことか触ってみたい」
自分の胸をやんわり持ち上げて、ゆいは私のベッドの上で笑いました。くるとこまできた発言に動揺することなく、私は聞きました。
「女の子同士のセックスってなに。どこが始まりでどこが終わり?」
「友達同士でしないことをしたら始まりで、飽きたら終わりじゃん?」
「ヤリ捨てじゃん」
「ねー、いーでしょ?いいよね?」
どうせ途中で飽きるだろうと、ベットにあがって転がりました。そしたら急に口の中に指を突っ込まれ、口内に指輪を突っ込まれました。私とお揃いで買ったピンキーリング。
「飲んで」
言われた瞬間、飲み込みました。
食道を通り抜ける鈍い感覚があったので、人体に影響はないだろうと後から考えました。どうだった?と聞かれたので「金属は初めて飲んだ」と素直に答えたらキスされました。
「良い子」
ゆいが天使みたいに笑って作業を進めたので、私は「私にして欲しいことはないか」と聞きました。されるならしてあげたい。
私は良い子。
◇
ゆいがパッタリ学校にこなくなり、三日も音信普通になったときの私の精神状態はひどいなんてものじゃありませんでした。家には帰ってない。学校にもこない。携帯はでない。友達は知らない。縋るような思いで何百件も電話しました。ゆいは四日後にメールをくれました。
ゆい:駐車場にいるから迎えに来て
私:どこの
ゆい:○○駅とかそこら
それからまたパッタリと応答がなくなって、昼に探しにでて見つけたのは夜でした。ゆいは制服姿で駐車場の隅で丸くなり、座ってました。
「寒いから温かいの買ってきて」
花束ほどのホッカイロを買って戻りました。
「なんで学校こないの?」
「ん。大丈夫、インフルエンザの偽装証明、セフレが書いてくれたから」
「は!?」
まったく意味がわからず、大声で聞き返した私をうっとおしそうにゆいはあしらい、今日はホテル泊まろうよと言い出しました。
「無理だよ、うちら制服じゃん」
「服買ってよ」
「服買ったらホテル入るお金なくなっちゃうよ」
「じゃあ男ひっかけるか」
腕を引かれて大通りにでて、お互い服を買ってもらって、3時間ちょっとえっちしたあと、ふたりでホテルに入りました。
「なんかさぁ、うちらのことみてさぁ、あの進学校通ってるってピンとくるひと、何人いるかなあ?」
「…いないんじゃない」
「私もそー思う」
ゆいが突然泣き出しました。
青痣ができた足を抱えたまま、ベットの上で泣きじゃくる彼女は子供みたいでした。
「お母さんがさぁ、あたまおかしいくらい、私のこと、すごい叩くんだよね。階段から落とされてさ、超痛いんだよね…」
ゆいを見つけたとき、なんでこんなに怪我してるんだと青褪めましたが、きっと彼女の母だろうということも見当がついてました。
「大人になりたい…。大人になりたいよぉ。大人になって、好きな人とだけいっしょにいたい。…いっしょに遠くにいこう。ぜんぶすてて、とおくにいこう。ふたりきりになろう」
こんなに可愛い生き物を、どうして彼女の母は苛めるんだろう。
奔放でバラバラだったうちの家族とは違う、絶対的な家族の支配下から抜け出せないゆいは、私とは違う形の不幸を抱えてました。助けてあげたい。支えてあげたい。私が。
「大人になったらなにがしたい?」
「…わたし、小説、書くの、すきだから、小説家になる」
「じゃあ私は編集者になるね」
お互いに支えって生きていけたらいいね。
ふたりでひとつになれたらいいね。
◇
「自分が万能ではないことに、そろそろ気づいたでしょう?勉強はしないと成績が下がるんです、退学は見聞悪いですよ~。そのレッテルはいつまでもいつまでも付き纏いますよ~」
あれだけ私に無関心だった先生が、ついに口を出してきたので、これはいよいよ本気で勉強しないとまずいと焦りました。3年にあがる進級試験、私は下から二番目でした。
「先生として聞かないといけないことなのですが、大学の第一希望は?」
「今言わないとダメですか」
「今言わずにいつ言うんです」
「○○大学」
「この成績で?ギャグですか?」
夜はわき目も降らず必死になって勉強しました。一日3時間。昔は平然とさらさら行えていた習慣が、遊ぶことを覚えた私には苦痛でしょうがなかったのですが、ゆいと一緒に同じ大学を目指すためだと頑張りました。
「どうして私は海外旅行で英語圏に行かなかったんだ…ポルトガル語が人生のどこで役立つというんだ…英語なんか嫌いだ…」
「がんば!」
「くっそ天才が!」
英語が嫌いな私に、ゆいはベットで戯れるとき「英単語の復習ね」と言って、罰ゲームを設けることが多くなりました。中途半端に脱がされたり、そんなところを舐められるくらいなら死んだほうがマシだ、と思うところに舌を這わされたり、とにかく負けることの多かった私は散々でした。
「大学生になったら二人暮らししようよ。東京の中心に住みたい。私たち頭いいし可愛いし、ふたりなら、なんでもできるよ」
枕を抱えながら未来を語るゆいの将来に、あたりまえみたいに私が存在することが嬉しかった。
ふたりでならなんでもできる。私も本気でそう思いました。
一人じゃもう未来すら見えない。
◇
次の日、学校に登校すると黒板に「レズビアン」とデカデカと書かれた文字の下に、私のなまえが書いてありました。
「…あ?」
本気で意味がわからなくてクラスを見渡す私に、クラスメートの半分は顔を背け、もう半分はくすくすと笑いました。
「なにこれ。誰が書いたの?」
「おまえさ、むりやり羽柴にキスしたってマジ?」
「は?」
当時、ゆいを好きだった男子の一人が、怒ったように私を詰めました。
「アイツすげえ泣いてたんだけど。つーかマジでレズだったの?きもちわりいよ、おまえ」
私の机を物凄い勢いで蹴り上げたソイツは、私の腕を掴んで廊下に放り捨てると、教室の外へ閉め出しました。頭が真っ白になる、というのは、たぶんこういう状況なんだろう。
自分の心臓の音だけがバクバクと鳴り響いて、手足が震えて動けませんでした。
それから一週間、意味もわからないまま苛められました。
ゆいはインフルエンザという仮病を使って学校を休んでいたため顔を合わす事はなく、携帯は着信拒否にされていました。かなり動揺したため家の前で待ち伏せたりもしましたが、そしたらゆいの取り巻きが「ストーカーしてんじゃねえよ!」と大声を出しながら私を殴りつけました。
意味が分からなかった。
ゆいが登校するようになり、何度か接触を図ったのですが、ゆいは私の顔を見た途端泣き出したり、怯えたりと情緒不安定で、そのたび周囲の人間が私を迫害しました。
私は初めて、人から敵意を向けられる対象になりました。
◇
「1組でイジメ受けてるよね?」
花が言いました。
体育のバトミントンでペアがいないとき、何度かペアを組んだ程度の子です。
花の周りにはブスが多く、私やゆいに憧れのような眼差しを向けてはベタベタと引っ付いてくる子でした。花自身も、中の下程度の顔立ちでした。
「だからなに」
「私と仲良くしよ!」
「なんで」
「可愛い子連れて歩きたいから。彼氏欲しいんだよね。あと、女の子とセックスしてみたい」
「私ブス嫌いだから無理」
「私気が強い子すき~」
それからずっと引っ付いてくる花を、私は一週間ぐらい「ブス」と呼び続けましたが、彼女はへこたれませんでした。花に連れまわされてるうちに、とある男と再会しました。
「なんでゆいに苛められてんの?ウケるんだけど」
ゆいと私の処女を持ってった男、ラクでした。
ラクは一年の後半で特進から準特進に移動しました。移動理由も馬鹿らしくて「準特進に彼女がいたから」だそうです。修学旅行で同じ班になりたかったとか。超馬鹿。ラクは私とゆいの変化が面白かったらしく、私を抱いたときと同じ、嬉々とした様子で私に尋ねました。
「ねえねえ、弁当どこで食ってんの?トイレ?」
ほんと馬鹿。
◇
なんだかんだで、私は自然とラクのグループに混ざるようになりました。男20、女2という異物感。
花は興奮したように
「イケメン取り巻いてるのすごい楽しい!」
と笑ってました。
馬鹿らしい。身の丈にあわない環境に喜ぶ花を馬鹿だと思いました。周囲がどんなに華やかだって、自分に光がなければ不恰好なだけだと、どうして気づけないんだろう。
ラクたちと一緒にディズニーランドに行った帰りでした。
前に、ゆいが篭城した駐車場の前を通過したとき、急に悲しくなりました。
「花さ、ホテル行こうよ」
男子20人がいるなかで、私は花を選びました。みんなぎょっとして私の言葉に突っ込みましたが、私は笑いつつも真剣でした。
「試したいって言ってたじゃん。いまならいいよ。泊まりになるけど、花がしたいことしてあげる」
花は二つ返事でわたしについてきました。
男子達は呆れたり驚いたりしながら、それでも興味心身に「写真送ってね!」と私たちを見送りました。
ホテルにつき、私は英単語の遊びを花に提案しました。
「間違えたら罰ゲームね」
ゆいが私にしたように。
ゆいとの思い出をなぞるように、私はゆいにしたいことを花にしました。花は男と女の違いに困惑しつつも、待ったをかけたり嫌がったりすることはありませんでした。
終わった後、花は悲しそうな顔で、私を抱きしめてくれました。
「ゆいちゃんは馬鹿だね」
どうしてここで、ゆいの名前がでてくるんだろう。
「アナタは可哀相だね」
私の何が可哀相だというのだろう。
ゆいと出会わず、あのまま孤独に生きるほうがよっぽど可哀相だ。私が好きになった人はいつだって、私を見てはくれなかった。彼女だけだ。彼女だけが、私を知っててくれる。心からの理解者だ。他はいらない。
私は花に抱きしめられながら、ゆっくりと休みました。
◇
大学に合格しました。
完全に奇跡でした。
「アナタがもっと真面目に授業を受けていれば、もう少しレベルの高い大学も目指せたんですけどね。自業自得というか。まあ第一希望でしたからね。おめでとうございます」
「先生もっと喜んで!?」
「喜んでますよ、これでも」
言葉でこそ反応は薄かったですが、発表日当日に電話をした先生は、1コールも鳴らさないうちに電話をとったので、たぶん合否結果を私と同じくらい心配してくれていたのだと思います。
「いままでありがとうございました。先生に教えてもらったフィボナッチ数列はいつまでも忘れません」
「人生において糞の役にも立ちませんけどね、それ」
「とりあえず、松ぼっくりをみつけるたび、フィボナッチ数列と先生を思い出すことは確かです」
「いやな関連ですねぇ~それ」
その日はなんやかんやと盛り上がり、夜遅くまで今までのことについて語り明かしました。
未成年である私に「どうせ飲んだことあるでしょう酒くらい」と日本酒を勧めてきた先生は、教員としてあるまじきことに、なんども私のコップに酒を注ぎ足しました。
「私を前後不覚にしてどうするつもりですか」
「べつに襲いやしませんよ、アナタみたいな小娘」
先生は酔っても変わらなかった。厭世家で、毒舌で、解釈が歪曲してて、美学を誇る。静かに話して、静かに笑う。
世界からこの空間だけ切り取られたみたいに、静寂な夜だった。
「日本一ではないにしても、そこそこ難関と言われる大学に現役合格するなんて、さすが私の教え子ですねえ」
それからゆっくりと酒を舐めて、日付が変わるという時間に、先生は言いました。
「もう私がアナタに教えることはありませんが、最後に、教訓として先生らしい言葉を残しましょう」
無駄な贅肉のない、洗礼された指先で机を叩く先生の仕草が好きだった。もう見れない。私は学校より先に塾を卒業する。
「アナタ、昔から顔だけは可愛かったせいか人に『ちょうだい』というの口癖でしょう。あれは直しなさい。物乞いを恥じなさい。欲しいものがあるなら、同等のものを差し出すか、働いて手に入れなさい。これは授業ではありません。アナタが不要だと感じたなら、忘れてくれて結構です」
静かな声で、視線を合わせないまま穏やかに告げた、先生の表情を覚えています。
あのとき私は、自分がどんな言葉を返したのかを覚えていません。
もっと意識して耳を傾ければよかった。いまでも思う。先生が何を考え、何を思い、何を託そうとしたのか、ちゃんと推し量ればよかった。
これが先生の、最期の授業でした。
◇
私が受かったのは、ゆいが「一緒に行こう」と望んでいた大学です。
どうして自分が苛められているかは分からないままでしたが、私はゆいが同じ大学を受験したことを知っていました。クラスで最下位に近い私が通過できたなら、ゆいも通過したはずです。
またゆいと一緒に四年間過ごせる。
嬉しくて堪りませんでした。
ゆいがいる。
私の未来にゆいがいる。
ゆいが。
結果発表の次の日、ゆいに呼び出されました。
「卒業式の日に死んでくれない?」
私はなにを言われたのかわからず、ゆいと久しぶりに話せた嬉しさから、笑ったまま固まったんだと思います。
「…しぬ?」
「そう、死んで。卒業式の日に。発狂したふりして叫んでさ、みんなのまえで喉切ってよ。母親と同じ死にかたしてよ」
「ゆい、あのさ、なんで怒ってるの?私ゆいになんかした?レズってなに?なんかバレたの?私何も言わないからさ」
「うざい」
ばっさり切り捨てて、ゆいは笑いました。
「私、おまえと受けようって言った大学、滑り止めだから。そっちには通わないよ。じゃあね。卒業式の日ちゃんと死ねよ」
どうやって家に帰ったのか、覚えていません。ただ携帯で何度も、どれほど深く首を切ったら死ねるのかということを調べていました。
どうして。
どうしてこれほど嫌われたんだろう?
きっと、ゆいじゃなかったら、私はここまで深く思い詰めなかった。
きっとゆいの言葉じゃなかったら、私は死のうと決心できなかった。
死ぬことは怖かったです。
でもそれ以上にゆいが望んでくれるなら、本望でした。
発狂したふりなんかできるかな。
私がじょうずに死んだら、ゆいは笑ってくれるかな。
◇
私が穏やかな気持ちで死を決心した数日後。
また、人が死にました。
「いいか、落ちついて聞けよ」
父が私に告げました。
先生が死んだ。
正直、先生の死は母親の死を聞いた以上の衝撃でした。震える声で、事故か、とだけ質問しました。父は短く
「自殺」
と答えました。
首を吊って死んだと聞きました。いつだったか、首吊りは一番エコな死に方だと、他人事のように語っていた先生の声が過ぎって、血の気が引きました。
私にとって先生は、死とは無縁の存在でした。
なにをどうしても結びつかない。接点なんか感じない。先生は自殺なんかするほど浅はかな人間じゃない。混乱を抱えたまま、私は家に閉じこもりました。
旅行に行かないかと、父に誘われたのは翌日でした。
疲れただろう、旅行しようか。大学も決まったことだし、時間もあるだろう。
私は父とふたり、ウィーンに行きました。
きいろ、あか、みどり、しろの箱が積み木みたいに重なった家に、まきつく新緑のツル。城のような旧市街、初めて訪れたオペラ座を聞きながら、私の世界はなんて小さいのだろうと思いました。
大学に行かなくてもいいよ。
父は言いました。
おまえはじょうずに息抜きができない子だから、なんでもこなそうと頑張ってしまう子だから。
オペレッタを観ながら、父は優しく口の端を持ち上げて、ぽんぽんと私の頭を撫でました。
いい子だね。
いい子だ。
おまえはとてもいい子だ。
嘘だ。私は良い子なんかじゃない。
私が本当に『いい子』なら、この世界に悪い子なんかいない。
死のう。
決意が固まりました。
もう疲れた。
◇
日本に帰ると、私宛に手紙が届いていました。
目が痛いほど真っ白い封筒に、達筆な字で、私の名前が書かれていました。
ああ、先生からの手紙だ。
宛名の文字を読んだだけでわかりました。
死んだ人からの手紙だ。
そこには3枚の手紙が入っていました。
1枚目は、先生らしい、長々とした雑談と、塾にある本は好きなものを持っていっていいという許可。
2枚目は、ミレニアム懸賞問題を解けなかった悔しさと、どの学問より数学は素晴らしいという謎の賞賛。
そして3枚目でようやく、私宛に考えたであろう言葉が書かれていました。
アナタは昔、自分は頭がおかしいかと、ぼくに聞いたことがありましたね。
あのときの返事をしようと思い、筆を執りました。
ああ、先生はこのために、手紙を書いてくれたのだと理解しました。
周囲の介入を徹底的に拒絶していた先生は、死ぬ最期の瞬間に、私のことを考えたんだ。
結論から言います。
アナタは正常です。
人として歩むべき道を間違えないアナタは狂ってなんかいません。小さい頃から可愛く、優秀で、私の自慢の生徒です。
家庭を持ちなさい。子を成して、育て、生涯を歩んでくれる伴侶をみつけなさい。アナタが大人になったとき、私のような人間はアナタに魅了されるでしょう。愛さなくていい。愛されなさい。
アナタは誇り高い。
なのに自虐的で劣等感がつよい。ゆっくりと直していきましょう。
卑屈さは顔に出ます。怠惰は身体に、知恵無しは会話に、驕りは態度に、冷たさは瞳に。
アナタは穏やかな人だ。穏やかで、臆病で、人の痛みがわかる子です。
その優しさは声に、心遣いは仕草に、賢さは沈黙に、察しは言葉選びに、
アナタを形成するすべては美しい。
自信を持ちなさい。
どんなに傷ついても、自分を好きだといい続けなさい。声に出して確かめなさい。
私に出会ってくれてありがとう。
死を目前に、残す言葉すら見つからない空虚な人間にならなくて良かった。
アナタがいてくれてよかった。
どうか素敵な女性に成長してください。
これが、手紙の内容でした。
自殺したにも関わらず、恨み言のひとつも残さず、いつもの雑談に励ましの言葉を添えた、シンプルな手紙でした。
私は泣きながら、何度も何度も手紙を読み返しました。
心臓が疼いて、息が苦しくなって、涙ばかりがでました。
死のう決めた意志が揺らいで、ただただ苦しい気持ちでいっぱいでした。
大好きな人が死ねという。
大好きな人が生きろという。
どうすればいいんだろう。
もしも生きるなら
私は人生はもう二度と、ゆいと交わることはないでしょう。
受けたことばの残酷さに打ちのめされながら、気が遠くなるような人生をじぶんの足で歩かなければいけない。
わたしが愛した人は呪われたように死んでった。唯一の理解者だと思えた彼女にさえ修復が望めないほどに突き放された。
これだけ大きい虚無感を抱えて、もう一度人を愛せる自信なんかない。もらうだけの人間になる。先生が「決してそうなるな」と戒めた人間になる。
それともいつか消えるのか。あと十年、二十年後になってこの日を振り返るとき、胸が塞がるようなこのしんどささえ、思い出とまとめて笑えるのだろうか。幼い日の傷心だったと、誰かに打ち明けることができるだろうか。
わからない。
このとき初めて過呼吸になりました。麻痺した感情がぐるぐる絡まるほど息が詰まり、指先が痺れて立っていられませんでした。
もっと平坦なところでいきたかった。
これだけ劇的なものなんていらなかった。
先生がそれを『隠せ』と言わなかったなら、180度違う人格の自分が、私の人生を生きただけだろう。
私はいつも笑いながら死にたいと願ってる。
Fin
おはようございます!
昨晩はとても楽しい時間をありがとうございました。ひとからひとにながれる温度のある言葉と共有される話題がすきです。
TLが楽しく仮眠室で横になり携帯をみてたら、うっかり寝オチして会社のエレベーターロックが作動して会社から出られなくなるという、とんだハプニングに見舞われましたが私は元気です。
つづきです。
「暇なので反応をくれた方の好きなところを語らせてください・続」
なんと発案者の宇山さんから返信を頂きました。
以下、転載。
※文章&呟きを勝手に転載してしまいすみません。心に刻みたい素敵なお言葉だったので記録に残したい想いからブログに掲載させて頂いております。もし差し支えがございましたら早急に削除させていただきますので、お手数ですがご一報下さいませ…!
宇山さん @uyamasan
ラギさんの読む人を引きつける文章に憧れます。自分はこうでありたいという芯を持っていて、理想に近付く為に努力できるその性格に憧れます。努力を謙遜せず、堂々と胸を張って自分を魅せる姿勢に憧れます。どれも私が持っていないもので、時折眩しく感じますが、そういうところがたまらなく好きです。
宇山さん @uyamasan
行動力もあって志も高くて自分を高める為に頑張れるラギさんを見ていると、そうあれない自分に悲しくなると同時に見習わなければならない、変わらなければならないと刺激を受けます。まだ出会ってから日は浅いですが、素敵な方に巡り会えたことに感謝の気持ちでいっぱいです。憧れています。好きです。
う"れ"し"い";;
人にもらう言葉ってどうしてこんなに特別なんだろう。すきなひとからもらう肯定って威力がおおきい。無敵になった気分になる。私いまならドレーク海峡をバタフライで横断できる。
ドレーク海峡:世界でも最も荒れる海峡のひとつ
※できても死ぬ
私は甘えて育ったので『褒められて伸びる』が根底にあり、また、それを自覚しています。なので、トライアル&エラーを繰り返しながら成長する自分を誇る傾向にあるのですが、他人からみえる私はひどく滑稽であるだろうという自覚もありました。
宇山さんの思考に触れて気づいたのですが、人と関わるときに大切なのは、事実じゃなくて解釈なんですね。
苦労を驕りひけらかす私の性格を「堂々と胸を張って自分を魅せる姿勢」と言い換えてくれる人に出会えただけでも、ツイッターをはじめた意味があったと感じます。この先たとえ1,000年生きても、これだけ明るい言葉で表現してくれる人はいないでしょう。
ゆくゆく私につらいことがあったとき、宇山さんの言葉はきっと、人生を照らしてくれるひとつの灯りになります。ひとからもらったたくさんの肯定が光を帯びて、道しるべになるんだと思う。
宇山さんが一ヶ月後には忘れてしまう言葉を、私は将来、心が折れたときに振り返ります。そうやって人の言葉は、生涯の財産になるんじゃないかな。
自分の身の丈に合わない恐れ多いお言葉の数々ですが、頂戴したお言葉を否定せず、謙遜せず、そうありたいと願います。
宇山さんの、人の性格を前向きに表現する才筆と、面接の自己PRで使えるほどの観察力が凄まじく、こんな素敵な言語がこの世にあるのだとハッとするほど嬉しかったです。
宇山さんは人を測るフォーカスが精密で、物事の大小や対人関係の遠近感を正しく把握してうまく順応される方なので、教師や指導者気質だなあと内心思ってます。こそこそ。
そして私が眠った後のTLの流れ↓
ちょりそーさん @tyoriso-san
相互さんがツイに反応してくれた方の好きなところを語る、という事をしていて、好き好き言い合いましょう、との事だったのでこの場を借りて普段思っていた事を告白してみるテスト。
突然始まる、ちょりそーさんの誰かに向けたメッセージ。
だれだ!!
ずるいずるい!
私にも!
ちょりそーさん私にも告白して!(欲しがり)
ちょりそーさん @tyoriso-san
一番感じてるのは圧倒的文章力。しぶで勝手に追っかけしてた頃からこの印象は変わりません。
ある時に編集を生業にしている方だと知り、人の引き込み方を知ってる様な文面に、凄い納得。
日本語が綺麗で好きです。
ちょりそーさん @tyoriso-san
それと圧倒的なトラブル体質 笑
日常が事件 笑
一般人が人生30回やり直して起こりうるくらいのトラブルに巻き込まれていらっしゃらないかなと 笑
でもそれを日常として受け流しているところが面白くて好きです 笑
最初は「だれに向けてだ?」と嫉妬しながら読んでましたが、ここら辺から、とある可能性が浮上。
ざわ…ざわ…
ちょりそーさん @tyoriso-san
一番は、物事の捉え方ですかね。好き、嫌いをハッキリ言えるところ。
でも、なんていうのかな、日本語が不自由過ぎてなんて言ったら伝わるのかわかんないんですけど、好き嫌いの中の嫌いな所も全部、でも好き!ってまるっと覆い込んで好きに変換できちゃう所。
ざわ…ざわ…
ちょりそーさん @tyoriso-san
なのでわたしの中でのらぎさんの印象は日常が好きで溢れてる人って感じ。凄いなーと思います。好きです。
私だったー!!!(大声)
睡眠を経てからのTLだったので流れが切れたかと思ってたのですが、とんだサプライズでした。
しかし私はこのときまだ睡眠中。
リアルタイムで反応できなかった悲しみ。
続き↓
ちょりそーさん @tyoriso-san
以上!告白大会!
こういうの文章にするの恥ずかしいから早く流れろ!笑
らぎさんが寝てる間に!!笑
高尾誕でTL荒れろ!!!笑
ハルさん @harusan
#高尾和成生誕祭2015
高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾高尾誕生日おめでとう
まるで空気を読んだかのようにハルさんが狂気を感じるTLを投下したので笑いました。
そして続々と起床し始めるMyフォロワーさん。
ユキさん @yukisan
昨夜のTL祭りのあと、ラギさんが会社に閉じ込められた衝撃のオチを確認して爆笑なう
ユキさん @yukisan
ちょりそーさんの言う通り、トラブルを笑いに変えてTLに流してくれるラギさんが大好きです♡←便乗
イスカさん @isukasan
とりあえず、らぎさんが起きるまで生暖かくちょりそーさんを見守っておきます。
ちょりそーさん @tyoriso-san
早めにTL流してください
イスカさん @isukasan
しっかり保持します、任せて下さい!
ちょりそーさん @tyoriso-san
らぎさんがあと20時間起きないのを期待する
ユキさん @yukisan
ラギさん結構遡ってくれてますよ
ちょりそーさんの告白が届くのは確実かと
ちょりそーさん @tyoriso-san
寝た直後なら流れると思って急いで書いたのに
ユキさん @yukisan
流れてラギさんが気付かなかったら、それはそれで爆笑するw
イスカさん @isukasan
寝た直後だけど、会社から脱出するために2時間後には起きるわけだから、そこまで流れないのではw
そのときの私↓(AM8時)
仮眠室の鍵をあけて入ってきた清掃員さんとバッタリ遭遇の巻。
清掃員さん「う…わあ!!?」
ラギ「っひょ!?」←飛び起き
清掃員さん「え、え、あ…おはようございます?」←混乱
ラギ「お、おおおおおはようございます…?」←錯乱
会社内で「怪しい者じゃありません!」って慌てながら社員証みせたのは初体験でした。完全に寝ぼけてた。
それからタクシーにPC忘れたり間違えて自宅に帰ったりとハプニングは続き、現在家を間借りしてるY管理人から着信30通という恐怖に怯え、落ちついたのはかれこれ10時。
ひと段落してからTLを開くと、昨晩のTL祭りに強制的に巻き込まれた浅倉さん(被害者)が、律儀に説明書きを加えていました。なんの責任もなく繋がりさえないフォロワーさんへのアフターケアを律儀に行う浅倉さんの優しいところすきですよ。
↓
浅倉さん @asakurasan
ブログリでゴタゴタした時に初めてにちゃんを見たんだけど「基地外に絡まれてかわいそう」ってのを見た時に「そう思ってるなら!!助けろよ!!!」と思ったのを強く覚えてる。
浅倉さん @asakurasan
ラギさんの出会い編ですが、メールもバレンタインも「この人は人気だから同じものをたくさんもらっても迷惑だろう」という認識がありました。同じものをたくさん貰ったら、とりあえずそれぞれから一つだけとってあとは捨てるのが自分なので。ラギさんがどちらなのかは判別できませんでしたが
浅倉さん @asakurasan
メールに関して返信不要と書いたのは当時の彼女に私のメールに返信するメリットもないのに気だけ使わせるのはどうかと思ったからです。私はラギさんを知っているけれど、ラギさんにとって私は数多いるファンの一人にすぎなかったので。
浅倉さん @asakurasan
知らない人からメールを貰っても忙しい時に返すのは億劫です。それ故の自分の物差しで考えたうえでの返信不要でした。チョコは純粋に人からたくさんもらっても飽きるな、飽きても日持ちする別の味のやつにしようと思ってました。
浅倉さん @asakurasan
ラギさんの情報としてチョコを空気のように食うというイメージはなかったので。
でも95人いたというのはビビりました。20人(一日10人)位だと思ってました。まじか。
あと精神的にマウントとってるのはラギさんだと思ってます。
浅倉さん @asakurasan
私はか弱いNEETなので、アグレッシブなラジさんには敵いません。
私が知る人物の中で一番アグレッシブなひとです。だから惹かれているのだろうと思っています。
ラジさん!!!!(誰)
どうやら精神的にマウントとってる私と、浅倉さんが個人的に惹かれるラジさんがいるようです。ラジさんめ!
今日のツイッタの流れ。
宇山さん @uyamasann
暇なので反応くれた人の好きなところ語らせてください
親愛なる宇山さんが、ご自身の貴重なお時間を割いて好きなところを語ってくれるという素敵な企画を開催されていたので、とにかく反応せねばと思い「結婚してください」とリプしたら
とても丁寧にお断りされました。
宇山さんのドライな感じが好きです。(ドM)
ひとを幸福にする素敵な発想だったので、わたしも便乗。
池袋ラギ @ragi_ikebukuro
宇山さんの呟きが素敵だったので私も便乗します><///
池袋ラギ @ragi_ikebukuro
「暇なので反応くれた人の好きなところ語らせてください」
池袋ラギ @ragi_ikebukuro
やります、そしてやらせます。すきすき言い合ってくれる人募集します。反応が来なかった場合、浅倉さんとの過去話を書き散らします。
しばらく反応待ち。
すると、ポチポチとふぁぼが届きました。
あたもんさん @atamonnsan
@ragi_ikebukuro すきすきも言い合いたいし、浅倉さんとのお話も気になる…
イスカさん @isukasan
あれだ、浅倉さんの過去話が気になって反応するか迷うという選択肢が浮上してます!
イスカさん @isukasan
って事で、浅倉さんとの過去話を希望します!(あれ?)
なんとフォロワーさんたちが浅倉さんに興味を示す事態が発生。
なぜですか!
浅倉さんの何に興味を示されたのですか!浅倉さんなんて、言わば友達の友達みたいなもんじゃないですか!なぜ私に目を向けてくださらない!
私をみてください!
私を!
わたしと!
好き好き言い合いましょうよ!
くっ…
池袋ラギ @ragi_ikebukuro
浅倉さんとの過去話がネックになって反応がこない!くそお浅倉さんめ!!(責任転嫁)
浅倉さん @asakurasann
@ragi_ikebukuro ちょっと待って落ちついて。責任転嫁甚だしいし、なぜそこで私が巻き込まれてるんですか?
浅倉さん起きてた(驚愕)
TLにいなかったから悪戯心でネタにしたのに、ふつうに起きてました。わお。
池袋ラギ @ragi_ikebukuro
@angelxlegna 「浅倉さんとらぎさんってプライベート繋がりですか?」って聞かれることが増えてきたので、ちょうどいいかなって(´・ω・`)
浅倉さん @asakurasann
@ragi_ikebukuro 私とラギさんの関係なんて今は亡きプログリですよ!知らねぇか十代は!!クッソ!!っていう二行で終わりますよ!!!
池袋ラギ @ragi_ikebukuro
RT 私とラギさんの関係なんて今は亡きプログリです…
このリツイートにより、
私のフォロワーさんが大混乱。
イスカさん @isukasan
「やっべ、プログリ知らねぇ!Σ(゚д゚lll)」ってなって、調べてみたら化粧品しか出てこなかった件
ユキさん
@isukasan 私も知らないです…
イスカさん @isukasan
察した。プログリじゃなくで、ブログリだwww
ユキさん
@isukasan これか…?
それです。
池袋ラギ @ragi_ikebukuro
@asakurasan 浅倉さんが「プロクリ」と誤字ったTLをRTしたせいで、私のフォロワーさんが次々調べて困惑してるんですけどwwww
浅倉さん @asakurasann
プログリに関しては本当にごめん。
自分の誤字でまさかここまで被害が出るとは……っ!(焼け野原を睨みつつ)
浅倉さんのこのつぶやきに、私のフォロワーさんが「いいね」を押してて笑いました。(※繋がってない)
とりあえず急遽趣旨を変更して、浅倉さんとの出会い話に。なぜだ。
以下、私のTL模様。
池袋ラギ @ragi_ikebukuro
□浅倉さんと私1
出会いはブログでした。浅倉さんは心理学中心、私は当時に流行っていた「ブログ形式のBL小説」を運営してました。関係としては、ツイッターでいうとこの無言・相互フォローです。当時の浅倉さんはとにかく神経質を極めた怖い印象が強くて、なぜ相互フォローなのか疑問でした。
池袋ラギ @ragi_ikebukuro
□浅倉さんと私2
ブログのランキングで上位に食い込んだ私のブログが一時期、晒し・炎上の被害に合い、そのとき慰め(※だと思われる)メールをくれたのが浅倉さんです。そのとき、読者さんから合計100件近くのメールを頂いていたのですが、浅倉さんのメールは中でも異彩を放ってました。
浅倉さん @asakurasann
王様と私みたいに過去話が始まって私がついていけてないんだけど、最終的には二人が結ばれるパティーン?
池袋ラギ @ragi_ikebukuro
@angelxlegna 最後は結婚で結びますね!(創作)
池袋ラギ @ragi_ikebukuro
□浅倉さんと私3
挨拶・自己紹介・用件。内容をまとめると【慰めのメールは他の読者さんから頂いていると思うので、炎上対策まとめURLを送ります。返信不要。頑張ってください】程度でした。私が頂いた100件のメールはだいたいが、自分の経験談・慰め・アンチへの罵倒でした。
イスカさん @isukasan
@ragi_ikebukuro なんと…!この時点で浅倉さんに惚れそうですよ…!
さらっとカッコいい、これは印象に残りますね(*ノωノ)
あたもんさん @atamonnsan
@ragi_ikebukuro なんてかっこいい
池袋ラギ @ragi_ikebukuro
□浅倉さんと私4
会ってみたいと思いました。純粋に。なのでお礼メールを送りました。1000文字は書きました。読者への返信は浅倉さんだけ個別にしました。浅倉さんからの返信はすぐきました。わずか6行程度でした。そりゃ早いわ。このひとはいったい私の何に興味があるんだろうと思いました。
浅倉さん @asakurasann
電マはマッサージ器具なのかエロいおもちゃなのかはっきりしてほしい。
池袋ラギ @ragi_ikebukuro
□浅倉さんと私5
そして私は気づきました。浅倉さんは私の創作物にしか興味がないのだ。じゃあ作者である私を好きになってもらおう!前向きでした。私は創作物とは別垢で自分専用の「リアルタイム」を立ち上げました。読者が割れました。「創作物しか興味ない派or池袋ラギ本体も好きになった派」
浅倉さん @asakurasann
あとバイブじゃなくてなんだっけ、入れるやつ
池袋ラギ @ragi_ikebukuro
□浅倉さんと私6
浅倉さんは後者でした。作者の私にも目を向けてくれました。ハンティング成功です。私は大学時代につるんでたメンバーの話や写真を次々upしました。浅倉さんが私に興味を抱くよう仕向けました。しばらくして私は確信しました。「いまなら浅倉さんを釣れる」とにかく一発会いたい。
浅倉さん @asakurasann
ロデオマシーンもえろいおもちゃ?
ちょいちょい挟まってくる浅倉さんのエロツイ。
私がこんなにも浅倉さんとの昔話に花を咲かせているというのに、浅倉さんは呼吸をするようにエロツイしてました。
浅倉さん本当に私に興味ないね!好き!(ドM)
池袋ラギ @ragi_ikebukuro
□浅倉さんと私7
季節は2月。創作ブログにて「バレンタイン企画」を実施。『池袋で会いましょう!関東以外のかたは局留めで!チョコください!』企画への参加希望者150人。一人じゃ無理。2月12日~15日にわけて開催。後輩と彼氏を足に使う。当日→雪。参加数激減。95人。いける。
あたもんさん @atamonnsan
@ragi_ikebukuro 減ってもその人数…!すご!
池袋ラギ @ragi_ikebukuro
@atamonnsan あのときは私の創作活動全盛期だったのです…(懐かしい)
池袋ラギ @ragi_ikebukuro
□浅倉さんと私8
他の読者はすべて後輩たちに任せて、私は個人的に興味がある四人と密会。そのうちひとりが浅倉さん。浅倉さんとはカフェで会いました。実際の浅倉さんは華奢な体に大きな瞳という少女漫画の主人公みたいな人でした。超ビックリです。想像と全然違いました。浅倉さん影武者たてた?
池袋ラギ @ragi_ikebukuro
□浅倉さんと私9
浅倉さん「チョコは別の読者から沢山もらうと思います。なので私からはこちらを」手紙とお風呂セット。あ、浅倉さん(本物)だ。「お時間はお任せします。ラギさんに会えて嬉しいです」短時間で無難な挨拶から深い会話へともっていく手腕。すげ。心理学専攻すげ。コミュ症嘘じゃん!
池袋ラギ @ragi_ikebukuro
□浅倉さんと私10
浅倉さんとの初対面は以上です。それから私が浅倉さんをストーキングして、浅倉さんもまた私に構ってくれるという不思議な関係。5年前に連絡をくれた読者は全員、途中で面倒になって切りました。いまも交流があるのは浅倉さんひとりです。長文TL失礼致しました。おわり!
あたもんさん @atamonnsan
@ragi_ikebukuro めちゃんこ興味深かったです!
魚春さん @uoharusan
ブログリ #とは
イスカさん @isukasan
浅倉さんのTLにお邪魔してみたところ、ラギさんのお話の裏で電マの話をしてて腹筋崩壊しました。
ユキさん @yukisan
@isukasan 私もこっそり覗きに行って爆笑して来たところですwww
魚春さん @uoharusan
電マがなんだって?
池袋ラギ @ragi_ikebukuro
私の10TLに及ぶ超大作をぶっとばして電マに食いつく魚春さんもすきですよ RT
けっこう省きましたが、実際
TLの途中で高尾くんが誕生日を迎えたり、悠羽さんがふわっと浮上してかわいさ全開のTLを書き散らしたり、陸さんが爪を黒く塗ったり、ひつじさんがブログリで活動されていたという衝撃の事実を知ったり、いろいろと楽しいTLでした。
たのしいなあ。
池袋ラギ @ragi_ikebukuro
Twitterって学校の教室みたい。
大声で騒いで周囲を巻き込む人(RT)、巻き込まれてくれる人(相互)、自分のグループ内でしか喋らない人(鍵付き)、窓の外眺めながらひとりマイペースに電話してる人(Bot)
池袋ラギ @ragi_ikebukuro
私、繋がってないフォロワさん同士がときどきTLで混じりあう風景すきだな
悠羽さん @yuuhasan
適当に廊下でウロウロするだけで、数十分話込める相手が見つかることとか、まともに私の話を聴いて引かないでいてくれることも、鬱陶しいくらいなのに相手してくれるとことか、とても嬉しいのでみんな大好きだよ愛してるよーーーーーーーッッ!!!!
悠羽さん @yuuhasan
っていう気持ちでいる
悠羽さん @yuuhasan
というかまず存在認識してくれるだけで嬉しいよーーーーーーー!!!!
悠羽さん @yuuhasan
(情緒不安定)
池袋ラギ @ragi_ikebukuro
悠羽さんが可愛すぎて今日も世界は美しい RT
悠羽さん @yuuhasan
ラギさんの謎の期待に応えられる気がしない
さいきん悠羽さんの突飛な行動が可愛くてたまりません。
池袋ラギ @ragi_ikebukuro
私、なんで浅倉さんとの出会い書き始めたんだっけ?(´・ω・`)
あたもんさん @atamonnsan
@ragi_ikebukuro (つД`)ノ(挙手)
イスカさん @isukasan
今日も世界は美しいFA
ちょりそーさん @tyorisousan
告白大会がwwww霧散したwwww
ちょりそーさんベストアンサーでした。
告白大会どこに消えた!!!!!!
浅倉さんのせいですね!!!(責任転嫁)
出会って5年になるのかあと思うと感慨深いです。
長いなあ浅倉さん。
なんか、一生付き合ってくひとって、こんな感じなんじゃないかな。
くっついたり離れたりしながら、つよく意識するわけでもふかく依存するわけでもなく気づけばながくいっしょにいたね~みたいな。
ブログリは、「ファン」と言ってくれる読者の期待や重圧に耐えられなくて逃げるように消息を絶ったけど、次はきちんと、自分に向けられたどんな感情も正面から吸収して、喜んだり凹んだり一喜一憂しながら人と関わって生きていきたい。
何十年後かにふりかえるとき、こんなひといたなあって、だれの心に爪痕を残せたらとてもうれしい。
とりあえず土曜日もお仕事がお休みなので(労働基準法という恐怖の強制休暇)、明日またつづきやります!
ご一読ありがとうございました
ノシ
やばいやばいやばい。
どう考えても殺される。ぜったいアイツ上着にナイフ隠し持ってる。目が据わってる。会社だと捕まらないから深夜にうちに忍び込みにきたんだ。どうしよう、ドアの鍵変えてない。←詰んだ
とりあえずツイッターでどうしようどうしよう呟いてたら、16さんが「通報を」との一言を。それだ。
明るいところに移動して警察に電話。
とりあえず
・昔付き合っていた男に追い回されている
・DV気質があった(嘘)
・元カレが部屋の合鍵を所持している可能性がある
・よりを戻さないと死ぬという脅迫ラインがある
を話したら、近くにいる警察が飛んで駆けつけてくれました。到着までめっちゃ早かった。
警察「キミも深夜に歩くときは気をつけてね。たぶん知ってると思うけど、このマンション、前に女性が監禁殺害されたところだから」
それ私の部屋や…
※事故物件在住
次はおまえだ的なフラグを感じました。
ひょぉー…
とりあえず警察のおかげでその場は収まったのですが、もう家に帰りたくない。
Y管理人にヘルプ電話。状況を話した後、泊めてほしいと交渉。即おk。
Y管理人『タクって迎えいくから待ってろ。数週間分くらい荷物まとめとけ』
Y管理人、男前!!!!
仕事で使うものと数週間分の荷物をもち、迎えに来てくれたY管理人と共にY管理人のマンションに移動。早朝5時のことである。←8時出社
色々と疲労困憊のまま出社。
席について数分後、後輩ちゃんが出社。
ラギ「あ…後輩ちゃんおはよ。今日も綺麗だね」
年上後輩「酔ってます?」
いや、酔いは飛んでいる。
ちょっともう色々あったんだよ聞いてよ後輩ちゃんんんー!と泣きつこうとしたところで、そういえば私、いま後輩ちゃんと超険悪ムードだったじゃん…と思い出して硬直。
現状↓
元カノの結婚話で池袋ラギの暴走→後輩ちゃんと喧嘩(超一方的に)→「指導係り変えるよ」→このあとラギ氏突然の会社早退(Y管理人が帰ってきたため)→土日を挟む→日曜に後輩ちゃんから貰ったラインをシカトする→二日ぶりに出社←いまここ
一番気まずいのが、Y管理人と一緒にいたとき後輩ちゃんから届いた『月曜日飲みに行きませんか?』というお誘いラインをシカトしてることです。
土曜日に後輩ちゃんからきた仕事の電話は応答したんだけどね!
日曜日はね!酔っていてね!酔って…いてね…!
んんんんんんんッ
ラギ「あ…あのね、今日飲みに行こうってやつなんだけどさ」
年上後輩「仕事用の携帯であんな話をしてすみませんでした。今後控えます」
ラギ「違うの!!聞いて!!」
高校時代に付き合ってた彼女がめでたく結婚することになりまして、旧友がラインで彼女のウエディングドレスの写真送ってきたんだけど実は私まだ彼女の事が好きで、あの日はずっと苛々してて感情のままに後輩ちゃんに当たったのね、でも後輩ちゃんと揉めた直後に会社を早退したのは、仕事もいい具合に片付いてたし何より2年ぶりに日本に帰ってきたY管理人が会社をクビになって時間を持て余してたから会いにいっただけで別にあのタイミングに他意はなく、日曜日に後輩ちゃんから「飲みに行こう」ってライン貰ったときは正直「あとで返信しよ」って放置したんだけど、返信する気はちゃんとあって、だけど日曜日の夜に元カレがマンション前でスタンバイしててまさかの警察沙汰になり朝方まで家に警察がいてそれどころじゃなくすっかり忘れてて、正直いまも心身ともにズタボロで、飲みに行くのは別の日がいいなあなんて………
なんか言い訳っぽく…ね…?(瀕死)
てか…信じてもらえるかコレ…
掻い摘んで説明するにも、状況が…
どこから…話す…よ…
状況がゴタゴタし過ぎていっぺんに説明するのが難しいし、しかも周りに他の同僚もいるし、私の斜め前には○○さん(「池袋さんレズだからこわーい」の子)が優雅にコーヒー飲んでるし、真後ろにどう考えても聞き耳立ててる上司(萩原)がいるし。
なんでいまなの!
なんで出勤早々に言いにきたの後輩ちゃん!
ふたりきりになったときでいいじゃん!
どうせ回り一緒なんだからさあ!
年上後輩「あと指導員変える件ですが、萩原さん(上司)に変更になりました。今までお世話になりました」
2人っきりにもなれない、だと!?
萩原さん ♯とは
■もちゃに会いに名古屋へ行くとき、仕事扱い(経費出費OK)にしてくれた人。
■↑この弱みを握られているので、後輩ちゃんが厄介者払いされて困っていたとき、これを理由にまんまと私に押し付けてきた諸悪の根源。
■私が新人だった頃の指導係り。
つか……え?
なん…なに?なんで?いつ決まったのそれ?ん?どして?私聞いてないね?は?誰が決めた?
真後ろにいる萩原上司を振り返る。
ラギ「そう…なんですか?」
萩原上司「そうなんですかって…おまえと後輩で話し合ったことをオレがまとめただけだけど、違うの?」
あんなの話し合いじゃねえわ!!!(怒)
一時的な喧嘩じゃん!お互いの承諾もなく終わったし!つか後輩ちゃん萩原上司嫌いだとか言ってなかった!?私が居ない2日間でなにがどうしてそうなった!?
萩原上司「つかオレ、この件に関するメール、PCの方でいれたぞ?」
ラギ「は!?いつ!?」
萩原上司「日曜日」
だから日曜日はね!!?
超 大 変 だ っ た ん の !
朝と夜に確認するPCも、朝は前日までY管理人と飲んでて確認しなかったし夜はストーカー被害で警察と一緒にいたし、……これ自業自得なの!?
ラギ「確認……しておき…ます…」
萩原上司「大丈夫かおまえ」
あまり大丈夫じゃないです。
世界の災厄が一身に降り注いでるんじゃないかってくらいにはしんどい。マジでしんどい。なんなんだよ。
ラギ「後輩ちゃん、今日飲みに行こうってやつだけど、もうなんか予定入れた?」
年上後輩「入れてないです。でも、仕事内容が別々になるので終わり合わせるの難しいですし…また別の日にしましょう」
ラギ「いいよ、待ってるよ」
また別の日じゃダメなんだよ。
私、年内に仕事辞めるから。
落ちるところまで落ちた感があったので、もうこれ以上落ちることはないだろうと、なけなしのポジティブを総動員させて仕事を終えました。19時くらい。
ラギ:仕事何時に終わりそう?
年上後輩:早くて20時、遅くて21時回るそうです
ラギ:じゃあ20時まで待ってる
年上後輩:了解です
てきとーに事務作業してたら、20時手前で『すみません、21時回ります』って連絡が入ったので、その日は飲み無しに。
Y管理人に連絡してみたら元気りんりんっぽかったので、バルト9に心叫を観に行くことに。
Y管理人:迎えいったる。ついたら電話する
と、ラインが届いたのは20時ジャスト。
そして21時半まで待たされるという謎のタイムラグ。
おかしいね!?
何時に迎えに来てくれるのかな!?
私1時間半待ってるんだけどな!?
会社を辞めてから携帯をみる習慣まで失くしたY管理人にいくら電話をかけても応答はなく、しょうがないのでダラダラと仕事をする私。
そして戻ってくる後輩ちゃんと萩原上司。
萩原上司「え。おまえまだいたの?」
最悪だよ!!
Y管理人のせいで会っちゃったよ!!
気まずいよ!!!
上司の後ろでかなり驚いてる後輩ちゃん。
そりゃそうだよね。19時にあがった人間が22時近くまで残ってたら、ドタキャンした身としては自分のせいか?って思うよね。
ちがうよ!
キミのせいじゃないよ!
ラギ「いや、友達が車で迎えに!」
萩原上司「? なんで会社で待ち合わせしてんの?家で待てば?おまえん家、こっから徒歩2分くらいじゃん」
ラギ「家は…その」
昔付き合っていた男性がうろうろしてて~とかいうと、萩原上司はぜったい「おまえ男もイケたの!?w」と面白がるに決まってるし、それは別にいいんだけど、後輩ちゃんがレズについてなにをどう思ってるのかさっぱりわからないので、恋愛系の話はなるべく控えたい…。
という私の内心など知りもしない後輩ちゃんは、蒼白気味に「あの…」と一言。
年上後輩「今日、池袋さんと私で飲みに行く約束があって」
萩原上司「宅飲みすんの?」
ラギ「いや、うちじゃなく…」
やばいな。
後輩ちゃんと一対一でさえ説明できなかったのに、第三者を挟むと余計にややこしくなる。
なにやら不穏な空気を感じ取ったのか。空気の読める萩原上司はとくに突っ込んでくることなくサラッと「まあオレは帰るわ!」と荷物をまとめて帰っていきました。
取り残される私と後輩ちゃん。
気まずい。
ラギ「あのね、本当にね、後輩ちゃんを待ってたとかそういうんじゃなくて…!これ!これみて!この人待ってたの!」
口頭説明だと嘘っぽいのでいっそY管理人とのラインを見せる私。これで信じてくれる!ラインは信憑性がある!
しかし顔を歪める後輩ちゃん。
年上後輩「20時にラインがきて22時まで待たされてるんですか?時間にルーズすぎません?友達ですか?」
ラギ「友達…ではないけど(強いて言うなら物書き仲間だけどそんなの言えない)」
年上後輩「つるむ相手考えたほうがいいですよ。何時まで待ってるつもりです?」
ラギ「来る…まで…」
年上後輩「馬鹿じゃないですか?」
だって帰る場所一緒なんだもん!!(小声)
しかし、直後すぐにY管理人から電話。
遅えよ!!!と思いながら応答。
Y管理人『いやぁごめんなあ。車で走ってたら突然、異次元への扉が開いてな?うっかりワープしてん』
ラギ『言いたいことはそれだけか?』
Y管理人『ほんますいません二度寝しました』
もう外にいるというので、帰宅組みの後輩ちゃんと一緒にエレベータへ。
通話を終えたあと、後輩ちゃんが興味無さそうに「大丈夫でしたか?」と。
ラギ「うん…なんか異次元への扉を開いてワープしてたら遅くなったって」
年上後輩「言い訳が最悪ですね」
ラギ「慣れたけどね。昔からこういう人なんだ」
年上後輩「……彼女ですか?」
ラギ「まじやめて」
あんな歪んだドS人間、趣味じゃない(震え声)
結局、後輩ちゃんと2人きりだった時間は10分程度で、当たり障りない会話をして終了しました。本当はもっと話さなきゃいけないことがたくさんあると思うけど、正直もうタイミングが掴めない。
今日は午前休なのでバレエ行ってきます~。
ノシ
私は主に、謙虚・勤勉・行動力の3つを重視します。
学歴はどうでもいい。どの大学を卒業したかは親の教育方針で変わるし、私も『婚期を逃すから』という理由で国外大学への受験を反対されました。
人間は「なにができるか」です。
以前、とある大企業が、学歴を問わず試験と面接のみで選考を行った結果、採用された人間の多くが高学歴だったという話もあります。
『自分は客観的だ』と言い切る人間の多くは非常に感情的な人だと思います。自分の正しさを疑わないから、物の見方が狭いことに気づけない。
私はいままで、後輩ちゃんをこれに当てはめて考えてました。でも人間、だれだって多角的で、色んな面を総合的に見ていかなきゃだめなんだなと何度も改めました。
たとえば、様々な遊具に恵まれて生きた時代の子たちには、自立した趣味がある。
だからプライベートな時間を削って積極的に接待に参加してくれる後輩ちゃんはいい子だったんだなあと。
いい子だったんだなあ、と。
ラギ「思いこもうとした時期が私にもあーりーまーしーたー。でもやっぱ無理ムカつくもんはムカつくんですーー!!」
Y管理人「ひゃーーwww」
愚 痴 大 会 。
最近はもっぱらY管理人と六本木の六蔵で飲んだり食べたりしながらひたすら悪口のオンパレードです。自分の中にこれほどの歪みない悪意が沈殿してたのかと思うとゾッとします。
沈殿しないコロイド溶液になりたい。様々な分野で活躍できる存在になりたい。人を生かしたり殺したりできるFe(鉄)元素になりたい。私がいないと会社が回らないほどの重役になりたい。レアメタルになりたい。オレがいないとスマホなんて作れないんだぜ的な。
もうなんでもいいから、とにかくぜったいに必要ってくらい大きな何かになりたい。
Y管理人「もう仕事諦めて、気晴らしに世界一周旅行しよ。おまえの依存心満たせるもんなんて日本国にはないで」
ラギ「あーりーまーすぅー。実際、好きな子だってこの国で見つけたんですぅー」
Y管理人「うちな、35までに結婚する気起きんかったら欧米で養子迎えようと思ってん。このまま仕事続けてたら、独り身じゃ金も持て余すからな」
ラギ「あなたも私を捨てるんですか!」
Y管理人「ゼロベースのもん構築してくの好きやねん。子供とか良いよな。犬猫ちゃうで? 意思のあるもん育てるってめちゃめちゃ楽しそう」
ラギ「Y管理人、優秀なんだから子供つくればいいじゃないですか。遺伝子継いでたほうが色々と都合がいいですよ。たとえば、高槻さんとの間に子を…」
Y管理人「悪魔みたいな子生まれんで」
高槻さん ♯とは
■黒バスでいうところの高尾くんぐらいハイスペックな男性(独身)。
■Y管理人がクビになったその日、Y管理人のデスクに入っていたポッキーを食べた人。
■Y管理人とは犬猿の仲。
ラギ「高槻さんとの子供ならぜったい超優秀ですよ!二次元みたいな子供生まれますよ!」
Y管理人「ゼロベース言うたやろ。うちの遺伝子継いだら秀才になるのは目に見えとる」
ラギ「その考え方、日本人には通用しないですよ。道徳とかモラルの面で」
Y管理人「この国は金で人権を取り扱うことに抵抗がありすぎやねん。子供殺す親が年々増加しとるのが見えんのか。どんだけ盲目やねん。赤十字に募金すんのも恵まれない子供ひとり買収すんのも同じや。殺すんやない、育てたるんや。善良で正常な人間がこの世界にどれだけおる?そのなかでひとを満足に養える財力がある人間は何人や?んでもって、人を養いたいて希望しとる人数は?くだらなぁ~。道徳は人の数ほどあんねん。全員に同意貰ってたらきりが無い。行動力の無い人間ほど、行動しとる人間を潰したがるんや。無意識にな」
人を叩き潰すときの意気揚々としたY管理人の饒舌に敵う人間はいるのだろうか。いや、いない。(反語)
そのあとの会話もICに録音してあるんですけど、人としてどうかと思われそうな会話ばかりなので割愛します。とりあえずまあ有意義な時間でした。(まとめ)
そして帰宅。
…したんですけど!
なんと私のカバンのなかにY管理人のカードとスマホが!
※彼女はバックを持ち歩かないため私のバックにものを入れる習慣がある。←久しぶりすぎて忘れてた
しょうがないのでY管理人の自宅までUターン。
したら、本人が不在。
あのやろう!
私と解散したあとにハシゴしたな!
このニートが!ニートが!
家に置いて帰っても良かったのですが、うっかり青エクの漫画をみつけてしまい、そのまま読破。片手間にはTL。話題は浅倉さんのおっぱい話。
発端↓
浅倉さん @asakurasan
おっぱいがDの70あった。
なんの呟き!!?
自慢か!自慢なのか!!!!!
宣戦布告か!!!??←AAカップ
ふぁぼるのは癪だったのでリツイートしてやりました。
ラギ @ragi_ikebukuro
ちょっとよく意味が…RT
ラギ @ragi_ikebukuro
みなさんおっぱい何カップですか?(混乱)
ラギ @ragi_ikebukuro
はい、魚春さんとちょりそーさん、いまの呟きにふぁぼしたのでおっぱいのサイズ暴露。←悪質
ちょりそーさん @tyoriso-sann
ごめんなさいFです
ラギ @ragi_ikebukuro
@tyoriso-sann ちょっとよく意味が…
浅倉さん @asakurasan
いいですか?背中だろうが脇だろうがブラの中に納めればすべてがおっぱいです。
ラギ @ragi_ikebukuro
RT いいですか?背中だろうが…
あたもんさん @atamonnsann
背脂はおっぱいです。
ラギ @ragi_ikebukuro
背中はおっぱい!!!!(迷走)
なつめさん @natumesann
TLが大混乱だぜ(大混乱
ラギ @ragi_ikebukuro
なつめさん何カッ……?????
なつめさん @natumesann
数字上はBです。
ラギ @ragi_ikebukuro
@natumesann そそそそそ、そうなんですねへえ!!!なつめさんはB…。わた、わたたたた私、は、数字には表れてませんが、たたたあ、たぶんDカップです
なつめさん @natumesann
Bでもおっぱい滑走路と言われます…
ひつじさん @hituzisann
AAカップよりはあります
魚春さん @uoharusann
↑醤油皿が何か言ってる!!!!(大声)
ひつじさん @hituzisann
@uoharusann <(^o^)>┌┛’,;’)`Д゚);、;'."
ラギ @ragi_ikebukuro
おっぱい滑走路と呼ばれるなつめさんと、醤油皿の異名を持つひつじさんがいれば、私は一人じゃない
ラギ @ragi_ikebukuro
AAカップなんて、そんな…
陸さん @rikusann
@ragi_ikebukuro 呼びましたか?(真顔)
ラギ @ragi_ikebukuro
@rikusann 陸さん信じてた!!!!!!
陸さん @rikusann
Bカップからwっていう下着屋さんは燃やします
ラギ @ragi_ikebukuro
Aサイズですらスポブラを勧められるのに、我々は…っ我々は…っ!
露香さん @tuyukasann
なんか皆さん(繋がってない)荒ぶっていらっしゃるwところで非常ベルについてる赤いランプはAカップだそうですよ。
ラギ @ragi_ikebukuro
非常ベルの赤いヤツにすら勝てない我々に人権を!!!!
楽しかったです。
そのあとY管理人が帰ってきて、一緒にピザ食べてタクシー捕まえて帰宅…
したの…
ですが…
マンションに見知った男がいる。
このひとあれ…
ん…
あれれ…?
元カレじゃね??????????
元カレくんとはむかし「私レズだし彼女普通に作るけど、それでもいいなら付き合おう~」という、なんとも軽い条件で付き合ったうちの一人です。
そして現在、軽く追い回されています。
やばい。(やばい)
Y管理人 ♯とは
■私の元同居人。
■数年前、戦争の小説をネットで公開していた人。自身が創造した情景を読者に投影する文才は凄まじく、タイムテーブルがどれだけ複雑に分岐しても上手に回収していく手腕は見事でした。
■交流を持ったきっかけは私のファンメールから。情緒不安定だった時期を一緒に過ごしてくれた寛大な人。私を海外に連れ出してくれたのも彼女。
■今はHPを畳みROM専へ移行。我々は彼女に一刻も早い創作活動への復帰を望んでいる。
■外資のお仕事。同居の解消理由:彼女が仕事でアメリカに行くことになったため。
■写真撮影は基本NG。しかし本人曰く「20代の頃のやつならおk」
【公開終了】
左:Y管理人
右:ラギ
私の周りにはいかれた馬鹿が多いですが、Y管理人は筆頭です。
彼女はとびきり頭が良いから法律の網目を潜って生きてますが、常人が彼女の生き方をマネたら高確率で人生詰みます。
だから彼女と会うたび第一声は「今年何回パクられた?」です。「あと5年は粘るわー」と豪語していた彼女が翌日、豚箱ぶち込まれたと聞いたときは爆笑しました。
そんな彼女がクビになったという。
何回目だよw
ラギ「いまどこ日本?」
Y管理人「日本日本。寿司食っとるわ」
ラギ「合流させてー。会いたーい」
Y管理人「はぁ?おまえ仕事……まあええわ。おまえこの時期なにかと不安定やからな。とりあえずいつもんとこ。30分以内に来ないと移動すんで」
ラギ「了解!!」
なんてタイミングの良い人なんだろう。
そして空元気を演じる前に察してくれる居心地の良さ。十年来の親友よah。
目的地に到着。
黙々と寿司を食ってる美女を発見。後ろから飛びつく。そして肘鉄を食らう。先制攻撃である。ラギの心は傷ついた。
ラギ「うう…心が痛い」
Y管理人「うそつけ、顎しか殴っとらんわ」
ラギ「Y管理人おかえり~」
Y管理人「おう。とりあえず新宿にマンション借りたから、忘れんうちに合鍵渡しとくわ」
ちゃっかり鍵を入手。
Y管理人のこういう男勝りなとこすごい好き。
そのあと世界を旅したY管理人の豪遊話を聞き、お互い近状報告をして、話題はY管理人のクビについて。
ラギ「あっ。まってまって、いまICレコーダー出すから!」
Y管理人「うっわでた。マスコミ関係の人間ってすぐ録音したがるからイヤや。つか、こんな雑談録音してどないすんねん。記録に残ることされると迂闊に口割らんで。おまえ平気で揺すりそうやし」
ラギ「ブログのネタにするだけでーす。この間コジマで買ったやつめっちゃ性能良いんですよぉ~」
Y管理人「SONY厨が。どうせ買うならオリンパス使いや。つかICみせろ。PCと接続できるやつやったら却下や」
ラギ「信用無いなあ~」
そういう用心深いところも好きですけど。
そして情報に関してはこれだけ用心深いくせに家の鍵は感嘆に渡しちゃう、自分に無頓着なところも好き。しばらく疑っていたY管理人も、やっと諦めたのか本題に入ってくれました。
Y管理人「もうな、社員証が使えんくてゲート入れん時点で『クビか』って察したわ。外資ってそうやねん。昨日まで普通に働いてたのに次の日いきなり会社入れんくなってな、なんやねんと思って警備員に文句言うと上司出てきて、そこでクビ宣告されんねん」
ラギ「うわあぁ」
Y管理人「ドラマとかでよく『明日から会社来なくていいよ』とか言うやろ?外資違うねん。即日やねん。Amazonかよ!」
ラギ「アマゾンwww」
Y管理人「しかも何がむかつくって高槻がな?うちのデスク整理したんアイツやねんけど、クビ宣告されて最上級に苛々してるときに電話かかってきてな?」
ラギ「うんうん(高槻さんほんとY管理人の地雷踏みまくるなァ)」
Y管理人「アイツ、こっちがリストラされて大変な状況だって知ってる癖に『いまYさんのデスク整理してるんだけど、机に入ってるポッキー食べてい?』って聞いてきてん。どう思う?」
ラギ「ノーコメント」
これ以上、高槻さんの話を進めたら彼の命が危ぶまれる気がしたんです。(24歳:匿名希望さんより)
わりとボロクソに罵ってますが、内容に反してそこまで機嫌が悪いわけでも無さそうでした。
再就職先に当てがあるのか、もしくは退職金をガッポリ強奪してきたか。
転んでもただでは起きない強欲な人なので、たぶん金かなあと。
ラギ「外資の首切りってえげつないって聞きますからね。実際どうなんです?正社員の指名解雇する真っ当な理由ってあるんですか?」
Y管理人「あるわけないやろ。どんだけ無能やねん。てきとーな理由、てきとーに並べてくるけど、まぁ後付けやんな」
ラギ「ですよねえ。んじゃ自己都合退職迫られました?」
Y管理人「おー、きたきた。アイツらほんま金の亡者やな。大学の頃の知り合いで、外銀いきなりリストラされて、病んで自殺したヤツおるけど、まあ分からなくもない」
ラギ「わお。そんなキツかったんです?」
Y管理人「人事のクソ共がガキの小遣いみたいなパッケージ提示してきてん。鼻で笑ったけどな。話にならんから組合に連絡とるっつって保留にしたわ」
ラギ「またまたぁ~。金に関する強欲さならY管理人も負けてませんて!自信持って!」
Y管理人「ありがとう、しね」
聞けば、3ヶ月近く働かずに給料だけ貰い続けてダラダラと交渉していたとのこと。退社に同意しない限り、社員として正式にお給料が振り込まれるそうです。
噂には聞いてたけど、本当なんだなあ。
やっぱ外資違うわ。
というかY管理人の度胸が人外だわ。
ラギ「Y管理人ほんと凄いですよね。まともな神経と良識があったら、会社と個人が喧嘩なんて精神壊れますよ。しかも大手。私だったら3日で白旗ですね」
Y管理人「繋がりフル活用して会社荒らししとるおまえに言われたくないわ。うちのこともコネの一つやと思ってんやろ?最近の20代恐ろしいわぁ。うちが24のときはもっと慎ましやかやった」
ラギ「24のとき何してました?」
Y管理人「忘れたわ。過去なんて一分前だって覚えとらん」
ラギ「ご愁傷様です。大変でしたねえ」
Y管理人「いや、外資のクビ切りには慣れたからええねん。なにが嫌って再就職な。あの圧迫面接ほんとイヤや。中途なんてとくに舐められるからな。前の会社も『キミが会社にとってどれほど利益がある人間なのかを5分で話せ』とか言われてん。このおっさん嬲り殺して窓から放り投げよかと思ったわ」
ラギ「再就職先はどうなんです?」
Y管理人「とりあえずファーム選びからやな。つか久しぶりに勉強したいわ。顧客にポルトガル語喋るヤツいてなぁ、専門用語は曖昧やけど談笑程度ならイケるよーになったから、どうせなら極めたいねん」
ラギ「そんだけガッツあるなら出版業も視野に入れてくださいよぉ。Y管理人ならなんでもこなせるじゃないですかぁ~」
Y管理人「もう潰効かんやろ。つか出版は興味ない。おまえんとこ大手やろ?年収いくつ?」
ラギ「○○○万円くらい」
Y管理人「それで今の生活水準保ってたら自己破産する」
仕事は金じゃない!
やりがいです!!
って言っても結局、私だってやりがい求めて就職した会社を辞めるんですから、まあ金なんでしょうね。
区切りまーす。
ノシ
これだけ仲良しな一日を過ごした次の日です。
発端のライン↓
旧友:おまえの元カノ、結婚式のドレスの写真うpしてるけど超絶美人じゃね?前々から聞きたかったんだけどなんで別れたの?w
旧友:【フェイスブックのスクショ】
これな。
元カノの話は私の自律神経に大きな障害をもたらす破滅の呪文なので、山手線外回りに乗ろうとしていた私はこの写真をみた瞬間、即座に気持ち悪くなりトイレで嘔吐。
朝に食べたパスタがくちからげろげろ出てきて、こんな長細いもの食べるんじゃなかったと本気で後悔しました。
彼女の話はね!ダメなんですよ!
みんな10年前の恋なんて過去だと思ってるでしょう!
私はいまだに引き摺ってるんですよ!
あれから凄まじい人数を重ねたけど全然忘れられないんですよ!彼女だけ私の中で常に現役彼女なんですよ!
それから先はもう最悪でした。
ずっと苛々しっ放しで、上司の軽口にも後輩ちゃんの発言にも当てられて、うまく対応できず、捌かずに放置するという悪循環。
私の機嫌の悪さが反映したのか、職場の雰囲気も最悪です。最悪というか私が悪くしたというか。とにかく最悪でした。誰も私に声をかけず私も淡々とPCに向き合う始末。うちの会社は普段もっと和気藹々としてるので、この雰囲気を作ったのは完全に私です。
私情を職場まで持ち込むって、ダメだなあ。
と思っていた矢先。
年上後輩「……。何してても常に楽しいんじゃなかったんですか?」
頼んでいた書類をデスクまで持ってきてくれた後輩ちゃんの開口一番に、職場の空気がお通夜でした。
喧嘩売られたのかと思いましたが、そういえば私が昨晩言ったやつだなあと。
だけどいまここでそれを言うか?
見るからに地雷臭のする人間に、率先して足を踏み込む後輩ちゃんは果敢です。それとも私なんかの不機嫌は彼女にとって子供の駄々程度にしか見えないんでしょうか。
どっちでもいいけど。
ラギ「…コーヒーを、飲もう」
上司「おー、ついでに昼も行ってこい」
ラギ「じゃあ、スタバに行きます…」
上司「飯を食え」
ラギ「前向きに検討します…」
上司の気遣いに甘えて席を立つ私に、なぜかついてくる後輩ちゃん。
確かに最近は、私が強引に誘ってお昼を一緒に食べてたけれども!
いまは!ちがうだろ!空気的に!
さすがにシカトするわけにもいかないので、なんとか笑顔を作って後輩ちゃんを振り返りました。
ラギ「今日はお昼別々にしよ?」
年上後輩「べつにお気遣いなく」
違えよ!!!
おまえが!私を!気遣えと!
遠まわしに言ってるのが伝わらないのか!?
伝わってないね!!
ラギ「今日私さ、ちょっとダメダメで」
年上後輩「いつもダメダメじゃないですか」
ラギ「機嫌悪いっていうか」
年上後輩「見ればわかります」
ラギ「要するに一人になりたいのね!?」
年上後輩「仕事で聞きたいことあるんですけど」
ラギ「悪いけど上司に聞いて」
年上後輩「私の上司は池袋さんです。それに私、あの上司嫌いです」
イラッ…としました。
おまえは万能だから何でもかんでもサクサクこなせるかもしれないけど、私は自分を立て直すための時間が必要なんだよ。
なんでこの劣悪な状態で、自分の時間を後輩の質問タイムに当てなきゃなんないんだ。
ラギ「…後輩ちゃんは人と関わるのが不向きってワケでもないじゃん。レスポンス的確だし会話も上手にリードできるし、ちゃんと気遣えてる。自分の恣意で動けないときだけ苛々するみたいだけど、そういうの隠したら円滑になるよきっと」
年上後輩「人が私に合わせればいいんですよ。というか、いまの職場にしたって新人の私より仕事できないって問題じゃないですか? 池袋さんのレズ話ネタにして笑ってた○○さんだって、実際池袋さんより仕事できないですし」
ラギ「○○さんのことは置いといて、とりあえず後輩ちゃんのことだよ。できる子ができない子に歩幅あわせてあげなきゃ。そういう高飛車な考えは周囲から人が消えてくよ」
年上後輩「仕事に人間関係なんて求めてません」
ラギ「会社は人間の集合体なんだよ」
年上後輩「それは池袋さんの考え方です。自分がミスしたときフォローしてくれる人がいた方がやりやすいから、池袋さんが意識してその環境を作ってるんです。周囲が評価するほどアナタを良い人とは思いません。他人を自分のリスク管理として扱ってる辺り、性格悪いなって思いました」
後輩ちゃんはどうして、人との車間距離を無視して突っ込むようなマネをするのだろう。
人と繋がりたがる人はよく見るけど、人と衝突しまくる人はあまり見たことない。
ブレーキが搭載されてない高級車みたいな後輩ちゃんは、常にハイスピードで逆走しちゃう暴走車です。大人になると他人と付き合いやすいスピードや走行って身につくはずなんだけどなあ。
事故ると、轢いた相手だけじゃなく自分にも衝撃がくるんですよ。後輩ちゃんは、なんというか、私とは違った意味で生きていきづらそうな子だなあ。
ラギ「後輩ちゃんさ、私の下にいるの嫌?」
年上後輩「は?」
ラギ「上司に頼めば、指導係変えられるよ」
年上後輩「……すみません言い過ぎました」
ラギ「謝らなくていいよ」
なんていうか、そういう風に指摘されたのは初めてで、しかもあながち間違ってもいない気がして、反応が遅れました。
自分的には感情が出る前に虚になった感覚ですが、後輩ちゃんは私の無反応に焦りを感じたらしく、すぐ謝ってくれました。
年上とはいえ、後輩にここまで滅多打ちされたのは初めてです。
そりゃ自分より能力低い奴と仕事組まされて苛々すんのも仕方ないですよね。
私は自分の無能さを認めたくなくて、後輩ちゃんの態度を軟化させることに拘ってたのかな。思えば後輩ちゃんは一度だって「新人」って言葉に甘えたことないもんね。私は自分が最年少だからって理由で自分のミスを甘く見積もってるのかな。
とか
考えてたら
もうダメで。
ラギ「上司に言って、後輩ちゃんの指導係り変えてもらうよ。もうこの話やめよ」
ちょっとキャパの限界を迎えて、これ以上やり合ったらまじで人格に影響しそうという自己防衛が働きました。
後輩ちゃんは本当にまっすぐで、彼女の反応や気持ちを受け止めるには、こっちも刺し違える覚悟で望まなければいけなくて、そういうのってすごく疲れるんです。
下の子に反抗されてまで、私が上にいる意味ってなんだろう。
後輩ちゃんには、後輩ちゃんの能力を効率よく伸ばせる上司がきっといる。そういう、自分が尊敬できる人と出会ったときの尊さとありがたさを、私も知ってる。
そのあと昼は別々にとって、私は私で死ぬほど自己嫌悪に陥って、ラインでだらだら愚痴って、ネットサーフィンしながら上司に「体調悪いので午後休みます」って連絡して。
でも私のストレス解消って闇雲に仕事をすることだから、発散方法も見失って、もう死にたいなあとツイッターでだらだら愚痴って、たら
突然の、電話。
このひと、なんでいつもこんなにタイミング良いんだろう。
私のTL張ってんじゃないの?
実は人の心が見えるサトリなんじゃないの?
ラギ「…もしもーーし」
Y管理人「なあなあ聞いて、私の職業聞いてww」
ラギ「…ご職業は?」
Y管理人「現在、無職でっすwwwwwww」
もう、びっくりし過ぎて泣きそうでした。
このひと応答の挨拶もなく軽やかに会話してきてますけど、最期に会ったの何ヶ月前だよ。しかも外資勤めてたくせに、なんで無職なんだよ意味わかんないよ。
久しぶり Y管理人!!!!
後輩ちゃんを連れて行く際「先生は太いパイプになるから愛想良くしときなさいね」と一言添えたのが項を成したのか、後輩ちゃんの反抗的な態度は一時鳴りを潜め、お食事は穏やかに進んでいきました。
大人になったね後輩ちゃん!
誰彼構わず噛みついていたキミはもういないんだね後輩ちゃん!
そして酔い始めた先生が一言。
先生「上にプラネタリウムがあるんだけど、私はバーで飲んでるからふたりで行ってらっしゃいよ」
年上後輩「ヴェ…?」
ラギ「なんだ今の声」
一瞬だけ素が出かけた後輩ちゃんですが、心を殺して「ありがとうございます」と愛想よく笑っていました。反動が怖い。
そして先生と別れて早々。
年上後輩「はぁぁぁぁあああああああ…」
重たい溜息。
年上後輩「編集業ってこんなに人と関わる仕事だったんですね。人と関わるのが嫌いだから出版社選んだのに」
ラギ「…翻訳家とかやれば? 後輩ちゃん語学堪能なんでしょ」
年上後輩「この仕事を辞めろと?」
ちがうよ!!!
後輩ちゃんはどうして他人からの意見を自分への攻撃として認識するかね!だめだよ良くないよ直したほうがいいよ今後の為だよ!
と、思いつつ。
ラギ「とりあえずプラネタリウム行こうよ! 話はそれからだよ!」
年上後輩「いや、この話もう終わりでいいです」
強引に誘って行ってきました。
3階から直通で52階へ!
じゃん☆
東京タワーもレインボーブリッジも見渡せる夜景と、360度に星の降るプラネタリウムは感動的に綺麗でした。こういう幻想的な世界を作り出せる人間ってすごいなあ。
クリエイティブなものは全てに憧れを抱きます。
年上後輩「なんで夜景が見えるのにプラネタリウムなんて無意味なもの作ったんですかね。馬鹿らし。窓の外みればいいじゃないですか」
ラギ「小声で喋ろ!?」
受付のお姉さんに睨まれました。
星空のイルミネーションをみて回り、プラネタリウムをでれば「星空ストア」なるものを発見。要するにお土産屋さんです。
ラギ「後輩ちゃんおそろいのもの買お!!!」
年上後輩「嫌です」
ラギ「ダメです!!!」
後輩ちゃんをなんとか説き伏せ、NANONANOちゃんM-808を購入。
きゃわわ///
これは可愛い!
とてもかわいい。手足が動くのです。ふたつで8000円したよ!でも可愛いから買っちゃう!
ラギ「携帯に付けるね!」
年上後輩「私のもどうぞ。差し上げます」
ラギ「後輩ちゃんもつけてね!」
年上後輩「私の年齢知ってます?」
ラギ「おそろいって嬉しいねえ~」
夜景をみながらシャンパンで乾杯。
かんぱーい☆
ラギ「超楽しいね!」
年上後輩「池袋さんは何してても常に楽しそうですけどね」
ラギ「何してても常に楽しいよ!!」
あーだこーだと文句も挟まれましたが、私のやりたいことについてきてくれる後輩ちゃんの態度は、昔じゃ考えられないほど柔らかくなったような気がします。
好かれてるなあと実感する瞬間が増えた気がします。
気のせいじゃなければ。
このあと、先生と合流してホテルまで見送った後、後輩ちゃんと会社に戻って仕事を片付け、ふたりであーだこーだ言い合いながら帰宅しました。
とても素敵な一日でした。
ここまでは。
長いのでいったん区切る。
ノシ
年上後輩「池袋さんレズなんですか?」
この件に関して、様々な人から遠まわしに聞かれた事は何度もありましたが、これだけ真っ向から堂々と質問されたのは初めてなので怯みました。おまえ男前だね!
「誰から?」と聞けば「噂で」とのこと。
そこはボカすのか。
なら悪口か。
年上後輩「『池袋さんレズだから可愛いって言われるとこわーい♡』って、女の子が」
ラギ「はははっ、その言い方は○○さんだな☆」
年上後輩「レズなんですか?」
ラギ「ひーみーつー」
この返答に対する後輩ちゃんの反応を予想。
(上から確率の高い順)
①否定・拒絶される
②無関心
③私に害がなければいいアピール
④二度とこれに関する話題に触れない
⑤男性経験の有無を聞かれる
多いのは③か④の選択です。
でも後輩ちゃんは私に対してめちゃくちゃ否定的なので、私を攻撃できる最大のネタを入手したことにより、水を得た魚のように罵詈雑言をぶつけてくる可能性も否めない。
この手の話は軽く浅く話してサクッと切り替えるようにしてるのですが、攻撃される可能性があるとどうしても身構えますし、怯えてるのが雰囲気に滲むんだとおもいます。
普段、テニスのラリーみたいにぽんぽん言葉が返ってくる後輩ちゃんが、めずらしく黙り込んだので「黙るのだけはやめて!」と内心悲鳴をあげました。
こわいよー。
仕事と関係ないことで後輩ちゃんに避けられるのは嫌だよー。
恋に対して男女の垣根はないけど、べつに人口の全てが性対象なワケじゃないんだよー。
ふつっと黙り込んだ後輩ちゃんは、嘘を探すように私をまじまじ見たあと、少し言いづらそうに
年上後輩「○○さんのこと狙ってるんですか?」
と。
なにこれ…
意図が全然読めないんだけどなに…なんなの…
「のんきに社内恋愛してるんですか。会社に何しにきてんだよ仕事しろよ私より効率悪いくせに公私混同してんじゃねえよ」という警告的なサムシング…?
疑心暗鬼に陥った私は笑顔という名の盾を装備して「おまえの忠告で私の性癖は変わらないよ?」みたいな強気を前面に押し出しました。(小者感)
ラギ「確かに○○さんは可愛いよね」
年上後輩「好きなんですか?」
ラギ「すきだよー」
年上後輩「タイプなんです?」
ラギ「同僚として好き」
年上後輩「じゃあ言い返した方が良いですよ」
それだけ言うと、もう用事は済んだとばかりに颯爽と去っていく後輩ちゃん。
えっ
なにそれアドバイス?
助言?
苦言?
フォロー?
なになになにこわ!!そこで放置!?
ええええ後輩ちゃんなんなのドSなの!つまり私に何が言いたかったの!中途半端に変な言葉残してくのやめてよ深読みしちゃうでしょぉぉぉぉ…(断末魔)
手負いの獣のごとく怯えまくる私に、一連の流れを間近で見ていた上司が一言。
上司「気に食わなかったんじゃね?」
ラギ「私の性癖が!?」
上司「おまえのこと悪く言われたことが」
ラギ「えっ、いまの陰口なんです!?」
上司「陰口ではないと思うけど好意的な噂でもないだろ」
ラギ「慣れてるんで大丈夫です」
上司「おまえが大丈夫でもね、おまえのこと好きな人が大丈夫じゃないときがあるのよ」
一瞬フリーズ。
のち、上司が言ってる言葉の意味をじわじわと理解してきて、嬉しいやらニヤけるやらどうしていいかわからず、満面の笑顔を浮かべ、去りゆく後輩ちゃんの背中に一言。
ラギ「後輩ちゃん私のこと超好きじゃん!」
年上後輩「好きじゃないですよ!!(怒)」
室内は狭い。※声が届く
この一件で、この日の後輩ちゃんはしばらくめっちゃぷりぷりしてて、普段の罵詈雑言が5倍くらいになって飛んできたので対応が大変でした。
年上後輩「また小説の返却依頼の電話きたんですけど。あいつら小説家志望のくせにHPの注意事項すら読めないんですか。苛々するんですけど」
年上後輩「印刷所の人間と会話が進みません。あいつらたぶん言語障害です」
年上後輩「イラレが冬コミあるからって理由でアポ拒否してきたんですけど殺していいですか?」
おまえの人生は敵が多いね!
あっちこっちと衝突しては炎上する後輩ちゃんはほんとどうやって生きてきたんだろう。
入社半月にして早くも社員の8割に嫌悪感を抱かれている彼女の行く末が心配です。←12月で仕事辞める人
年上後輩「池袋さんほんっと仕事遅いですよね。だから残業増えるんですよ」
ラギ「後輩ちゃん、今度ご飯行こっか」
年上後輩「イヤですけど」
ラギ「上司命令♡」
なんとか仲良くやってます。(一方的に)
六本木ヒルズでお食事して参りました!
先生のアニメ化記念です。
この度はおめでとうございまいた。なんども衝突しては暴言を浴びせあった仲ですが、やはり自分の担当した作家さんの門出は華やかに祝ってあげたくなるのが編集人の性。
作家「ひとり2万くらいの鉄板焼きが食べたい」
ラギ「任せろ!!」
作家「美女もほしい」
ラギ「任せろ!!」
ということで、ダメもとで後輩ちゃんにお願い。
ラギ「私が長年担当した作家さんがアニメ化することになって、それを祝ってヒルズでパーティーするんだけど一緒に来てくれないかね!?」
年上後輩「いいですよ」
!!?
案外、すんなりOKが貰えたのでびっくりしました。後輩ちゃん最近私に対する態度が可愛らしくなってきたねえと思いつつ、ここでイジッたら二度と口をきいてもらえない確立が高いので無駄口は叩かずお礼だけを告げていざ、ヒルズへ。
5Fの開花屋さんです。
コース+あわび・蟹という贅沢ご飯。
長くなってきたので後半に続きます。
ノシ
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