2024年になったのか
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ヴィンテージマンション!!
ブルーの瓦屋根と凸凹してる白いスタッコ壁。上京してからよく目にする外観だったので「デザイン物件ですか」と聞いたところ「秀和レジデンス」という言葉を教えてもらいました。
むかーし流行った造りなんだって。
自由が丘とか渋谷とか吉祥寺とか、そういうオシャレな街によくみるやつ。南米風のテイストが可愛い。カモメとか飛んでそう。
門の前でヴィヴィアンくんが立ち止まりました。
ヴィヴィアンくん「ここで待っ…………あ。待って。アンタにメイク落とし貸したら俺が化粧落とせなくなる」
私「確かに。お風呂入ってきます?」
ヴィヴィアンくん「部屋入る?」
一瞬だけ躊躇いました
1秒いかないくらい。瞳が横に逸れるくらいの間。
ここで変に拒否したら防衛心の強い勘違いオバサンになるのではという恐怖が私をさいなむ。
でも冬前だし。
状況的に誰でも部屋にあげるよね。
外で待たせるわけにもいかないという親切心…?
というか外寒い。
私「わーい。ヴィヴィアンくんのお家! お部屋のなか探索していいですか?」
ヴィヴィアンくん「は~? 鎖で繋ぎますよ」
本当に持ってそう。
通された部屋は男性らしいモノトーンだったので意外でした。
靴箱とクローゼットが大きいの羨ましい。片づける場所があると部屋も綺麗になるからね。スタイリッシュな部屋でした。男性ってガラステーブル選びがちだよね。
てっきりサンリオの人形やエンジェルのボトルがあると思ったのに、そこにはゴスロリ服がありました。
半開きになったクローゼットの中に。
私「……良い部屋ですね!センスが良く!」
ヴィヴィアンくん「可愛いもの多いでしょ。俺、気に入ったものしか部屋に持ち込まないんですよ」
ヴィヴィアンくんがクローゼットを閉めました。がっつりスカートだったなあ…。触れないほうがいいよね。
ヴィヴィアンくん「先に洗面所どうぞ。スマホの充電は自由に使ってください。口開けてない水あるんで良かったら。これ新しいタオル」
お母さん?
気遣いがお母さんでびっくりしちゃった。
手を洗い、充電器を借り、水を飲んだところで、ヴィヴィアンくんがお風呂に向かいました。私は充電コンセントを借りながらスマホをみました。
新着LINEがひとつ。
鳥羽さんからでした。
鳥羽:お疲れ様。終電間に合った?
うわ…、返信むず。
私:お疲れ様です。終電は間に合いませんでした。でも飲みに付き合ってくれた人がいるので、居酒屋に行きました!
嘘ではない。
飲むために逃したか、飲んでたら逃したかは逆だけど「心配いらないよ」という気持ちがメインなので。
というか鳥羽さん本当に面倒見が良い。
班が違う私の面倒も見てくれる。
良い先輩だなあ。
と思ってたら電話がきました。
着信は鳥羽さん。
かなり焦った。
ヴィヴィアンくんはお風呂。急いで会話切り上げちゃえば大丈夫だと思う。LINEを返した直後だから電話に出ないのもおかしいし。
人の家で電話するのは嫌でしたが、背に腹は…と差し迫った状況なので、仕方なく応答しました。
私『お疲れ様です』
鳥羽さん『お疲れ様。ごめんね急に。いま居酒屋?』
私『いや…いまは相手の家で』
鳥羽さん『あ、よかった。泊めてもらえる感じ?』
たぶん女友達だと思ってる。
言葉を濁した自覚はあるけど現状を説明できない。
ズルい考え方だけど。
私『メイク落としが売ってなくて、相手の子が「うちにあるよ」って言ってくれたので』
鳥羽さん『そっか。よかった。ちゃんと帰れたか心配だったんだけど、目処がついてるなら良かった。お友達もいまいるの?』
私『いまお風呂に行ってて…』
鳥羽さん『そっか。ごめん、そしたら少し仕事の話してもいい?』
私『構いませんよ』
鳥羽さんのこういう、気遣いが好き。
言うことが好き。
言い方も好き。
15分くらい話しました。
納品後の手続きがあり、その説明を受けてたのですが…話の途中から気が気じゃなかったです。
私『大丈夫です! ありがとうございます! …はい、…はい! はい!! お疲れさまでした!!!!』
後半は力技で通話を切りました
仕事の話が頭に入らず。
聞いても聞かなくても同じな気がして。
通話終了後、そろっ…とドアに視線を向けました。
ヴィヴィアンくん「終わりました?」
タオルドライをしながら私を見下ろすヴィヴィアンくん。
若干機嫌。
私「お待たせしてしまいすみません」
ヴィヴィアンくん「いえいえ」
私「………仕事の電話で」
ヴィヴィアンくん「鳥羽さんね。聞こえてましたよ」
なにも言えず沈黙しました。
ドアの前で通話中の私を見下ろしていたヴィヴィアンくんは、テーブルの上にメイク落としを置くと、ベッドの上に腰かけました。
ヴィヴィアンくん、ジェラピケ着とる…
突っ込もうかと思ったけど、そういう空気でもない。
ヴィヴィアンくん「鳥羽さんと付き合ってるんですか?」
私「!? 違いますよ!」
ヴィヴィアンくん「付き合い"そう"なんですか?」
良い雰囲気ではある…!
語りたい。語りたいよ女子だもん。恋バナしたいよ、学生みたいに。でも同じ轍を踏むのは避けたい。
困ったまま沈黙すると、察しの良いヴィヴィアンくんはつまらなそうに目を細めました。だってウソを考え無しに吐いて辻褄が合わなくなるより、黙ったほうが賢いじゃん!
ヴィヴィアンくん「思ったんですけど、お酒飲みます?」
何を思ったの??
私「どういう…??」
ヴィヴィアンくん「このまま飲み直して、電車を待った方が効率良い気がして。あと1時間で始発動くし。風呂と部屋着は貸すので、明るくなってきたら家出れば?」
私「いやでも…」
ヴィヴィアンくん「暗いと俺が駅まで送らなきゃだし」
反論しずらぁ~
疑問形で投げかけてくるわりに冷蔵庫から酒を取りだしテレビをつけ、これが決定事項だとでも言うようにくつろぎ始めてしまったヴィヴィアンくん。まいど言い負かされるんだよなぁ。
そして始まる千と千尋の神隠し。
なぜ…
「俺見たことないんですよね」とか言ってた。業界人なのに。
会社の人の前でスッピン晒すのかぁ。
ちょっと抵抗あるなぁ。
でもヴィヴィアンくんも眠そうだし….
私「…わかりました。ジェラピケ貸してください」
ヴィヴィアンくん「さすがに厚かましくない??」
スエットを渡されました
メンズのジェラピケ持ってるならぜったいレディースもある筈なのに!対で買うじゃん!普通!
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ヴィンテージマンション!!
ブルーの瓦屋根と凸凹してる白いスタッコ壁。上京してからよく目にする外観だったので「デザイン物件ですか」と聞いたところ「秀和レジデンス」という言葉を教えてもらいました。
むかーし流行った造りなんだって。
自由が丘とか渋谷とか吉祥寺とか、そういうオシャレな街によくみるやつ。南米風のテイストが可愛い。カモメとか飛んでそう。
門の前でヴィヴィアンくんが立ち止まりました。
ヴィヴィアンくん「ここで待っ…………あ。待って。アンタにメイク落とし貸したら俺が化粧落とせなくなる」
私「確かに。お風呂入ってきます?」
ヴィヴィアンくん「部屋入る?」
一瞬だけ躊躇いました
1秒いかないくらい。瞳が横に逸れるくらいの間。
ここで変に拒否したら防衛心の強い勘違いオバサンになるのではという恐怖が私をさいなむ。
でも冬前だし。
状況的に誰でも部屋にあげるよね。
外で待たせるわけにもいかないという親切心…?
というか外寒い。
私「わーい。ヴィヴィアンくんのお家! お部屋のなか探索していいですか?」
ヴィヴィアンくん「は~? 鎖で繋ぎますよ」
本当に持ってそう。
通された部屋は男性らしいモノトーンだったので意外でした。
靴箱とクローゼットが大きいの羨ましい。片づける場所があると部屋も綺麗になるからね。スタイリッシュな部屋でした。男性ってガラステーブル選びがちだよね。
てっきりサンリオの人形やエンジェルのボトルがあると思ったのに、そこにはゴスロリ服がありました。
半開きになったクローゼットの中に。
私「……良い部屋ですね!センスが良く!」
ヴィヴィアンくん「可愛いもの多いでしょ。俺、気に入ったものしか部屋に持ち込まないんですよ」
ヴィヴィアンくんがクローゼットを閉めました。がっつりスカートだったなあ…。触れないほうがいいよね。
ヴィヴィアンくん「先に洗面所どうぞ。スマホの充電は自由に使ってください。口開けてない水あるんで良かったら。これ新しいタオル」
お母さん?
気遣いがお母さんでびっくりしちゃった。
手を洗い、充電器を借り、水を飲んだところで、ヴィヴィアンくんがお風呂に向かいました。私は充電コンセントを借りながらスマホをみました。
新着LINEがひとつ。
鳥羽さんからでした。
鳥羽:お疲れ様。終電間に合った?
うわ…、返信むず。
私:お疲れ様です。終電は間に合いませんでした。でも飲みに付き合ってくれた人がいるので、居酒屋に行きました!
嘘ではない。
飲むために逃したか、飲んでたら逃したかは逆だけど「心配いらないよ」という気持ちがメインなので。
というか鳥羽さん本当に面倒見が良い。
班が違う私の面倒も見てくれる。
良い先輩だなあ。
と思ってたら電話がきました。
着信は鳥羽さん。
かなり焦った。
ヴィヴィアンくんはお風呂。急いで会話切り上げちゃえば大丈夫だと思う。LINEを返した直後だから電話に出ないのもおかしいし。
人の家で電話するのは嫌でしたが、背に腹は…と差し迫った状況なので、仕方なく応答しました。
私『お疲れ様です』
鳥羽さん『お疲れ様。ごめんね急に。いま居酒屋?』
私『いや…いまは相手の家で』
鳥羽さん『あ、よかった。泊めてもらえる感じ?』
たぶん女友達だと思ってる。
言葉を濁した自覚はあるけど現状を説明できない。
ズルい考え方だけど。
私『メイク落としが売ってなくて、相手の子が「うちにあるよ」って言ってくれたので』
鳥羽さん『そっか。よかった。ちゃんと帰れたか心配だったんだけど、目処がついてるなら良かった。お友達もいまいるの?』
私『いまお風呂に行ってて…』
鳥羽さん『そっか。ごめん、そしたら少し仕事の話してもいい?』
私『構いませんよ』
鳥羽さんのこういう、気遣いが好き。
言うことが好き。
言い方も好き。
15分くらい話しました。
納品後の手続きがあり、その説明を受けてたのですが…話の途中から気が気じゃなかったです。
私『大丈夫です! ありがとうございます! …はい、…はい! はい!! お疲れさまでした!!!!』
後半は力技で通話を切りました
仕事の話が頭に入らず。
聞いても聞かなくても同じな気がして。
通話終了後、そろっ…とドアに視線を向けました。
ヴィヴィアンくん「終わりました?」
タオルドライをしながら私を見下ろすヴィヴィアンくん。
若干機嫌。
私「お待たせしてしまいすみません」
ヴィヴィアンくん「いえいえ」
私「………仕事の電話で」
ヴィヴィアンくん「鳥羽さんね。聞こえてましたよ」
なにも言えず沈黙しました。
ドアの前で通話中の私を見下ろしていたヴィヴィアンくんは、テーブルの上にメイク落としを置くと、ベッドの上に腰かけました。
ヴィヴィアンくん、ジェラピケ着とる…
突っ込もうかと思ったけど、そういう空気でもない。
ヴィヴィアンくん「鳥羽さんと付き合ってるんですか?」
私「!? 違いますよ!」
ヴィヴィアンくん「付き合い"そう"なんですか?」
良い雰囲気ではある…!
語りたい。語りたいよ女子だもん。恋バナしたいよ、学生みたいに。でも同じ轍を踏むのは避けたい。
困ったまま沈黙すると、察しの良いヴィヴィアンくんはつまらなそうに目を細めました。だってウソを考え無しに吐いて辻褄が合わなくなるより、黙ったほうが賢いじゃん!
ヴィヴィアンくん「思ったんですけど、お酒飲みます?」
何を思ったの??
私「どういう…??」
ヴィヴィアンくん「このまま飲み直して、電車を待った方が効率良い気がして。あと1時間で始発動くし。風呂と部屋着は貸すので、明るくなってきたら家出れば?」
私「いやでも…」
ヴィヴィアンくん「暗いと俺が駅まで送らなきゃだし」
反論しずらぁ~
疑問形で投げかけてくるわりに冷蔵庫から酒を取りだしテレビをつけ、これが決定事項だとでも言うようにくつろぎ始めてしまったヴィヴィアンくん。まいど言い負かされるんだよなぁ。
そして始まる千と千尋の神隠し。
なぜ…
「俺見たことないんですよね」とか言ってた。業界人なのに。
会社の人の前でスッピン晒すのかぁ。
ちょっと抵抗あるなぁ。
でもヴィヴィアンくんも眠そうだし….
私「…わかりました。ジェラピケ貸してください」
ヴィヴィアンくん「さすがに厚かましくない??」
スエットを渡されました
メンズのジェラピケ持ってるならぜったいレディースもある筈なのに!対で買うじゃん!普通!
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